いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

What’s Up (ワッツアップ) vol.14

2013年10月18日 | What's Up(ワッツアップ)
《あらすじ》

罪の意識に耐えきれず、酒を飲んでソヌ教授の部屋へ行ったジェホンは、
最後の最後で言葉に詰まってしまう。
どうしても言えない……。
「……俺だけの秘密にします。いいですよね?」
「ダメだ」
ソヌ教授は答える。
「どうしてです?」
「なぜダメなのか、自分でもわかってるだろ」
「なんだよ、教授だからってえらそうに。なぜダメなんだ。
誰にも知られなきゃいい!この手で償うから!」
泣きながら叫ぶジェホンを、ソヌ教授は静かに諭す。
「秘密の怖さがわかるか?秘密ってのは、まるで癌細胞だ。
初期に切り取れば完治するが放置するほど広がる。
命ある限り増殖し続ける。君の中でな。わかるか?」

ビョンゴンの夢は、ミュージカル俳優。
子どもの頃、兄と観た「キャッツ」素晴らしかった。
「なぜほかの学科を転々としたんだ?」
「夢だから。夢はかなうはずないと思ってた」
兄は、ビョンゴンのことが理解できない。
年下の女の子にバカにされたり、小突かれたり、なぜ我慢できるんだ?

テイは本当に歌えなくなってしまい、
ビョンゴンと一緒にソヌ教授に相談に行った。
「心理的要因だな」
教授は真面目な顔で、でたらめなおまじないを伝授する。
ふたりは、必死で書き取るが、信じる者は救われる、のか?
教授の側であきれた顔のオ・ドゥリ。
「あの子たち単純なんだから、いい加減にして」

ミュージカル大会への出場に向けて、チームは動きだした。
カン教授は生徒を囲い込み、ソヌ教授を出場させないつもりだ。
閑古鳥が鳴くソヌ教授チームのオーディション会場。
ところがそこへ、スビンが現れた。
「学科や学年に関係なく、誰でも受けられると聞いたので」
彼はドソンに言われた言葉が、どうしても気になって仕方がないのだ。
俺の音楽が、無難だって?

歌えなくなったテイの練習につきあってやるジェホンは、
どうしてもテイの目を見ることができない。
普通にしているつもりだけれど、どうしてもできない。
テイは敏感にその事実に気付くが、理由がわからない。
「ミュージカルのこと怒ってる?次は絶対約束を守るから、ごめんね」
謝るテイに、ジェホンは言った。
「テイ、これから絶対に俺に謝ったりするな」
「でも……」
「やめろ。必要ない」
「だけど……」
「必要ない」
かたくななジェホンの態度に戸惑うテイ。
「じゃ、かわりにおごるわ。何がいい?ジャージャー麺?チキン?スンデ?
何でもいって?」
「それなら……聞いていいか?」
「何を?」
「お前の……父さんのこと」

テイはジェホンの隣に座り、そっと肩にもたれかかる。
「お父さんだとずり落ちちゃうんだけど、あなただとちょうどいいわ」
大好きな父の話ができて、テイは嬉しいのだ。
それを大好きなジェホンが聞いてくれることが、もっと嬉しい。
「お父さんのご芳名は?」
「何それ?言い方がおじさん臭いよ~」
ジェホンの頬に、涙が伝う。テイには、見えないけれど。

ビョンゴンは、真夜中のホールでひとり歌う。
夢はいつかかなうと歌い上げる彼の姿を、赤ジャージの幽霊に導かれた兄が見ていた。

その頃、ジェホンは警察に向かっていた。
テイの父親の事故について、詳細を知りたくて来たのだ。
「事件の当事者?被害者側ですか?加害者側?」
「……被害者側です」
事故の報告書開示請求にサインしたジェホン。
「事故は5月12日、被害者はパク・ヨンスさん。あなたはチャン・ジェホンさん。
間違いないですか?」
警察官の質問に耐えきれず、彼は警察署から逃げてしまった。
薄暗い路地で、思わずドゥリに電話してしまう。
テイが眠っているか、ちゃんと存在しているか、確かめたかったのだ。
ドゥリは物憂げに電話を投げて、テイにかわってしまった。
仕方なく、テイと話をし出すジェホン。
テイは「まだ歌えないけれど、きっと大丈夫。心配してもしょうがない」と
明るく話している。

ビョンゴンの兄は、朝早く帰ることにした。
「ビョンゴン、いい歌だったぞ」
「まさか、聞いた?」
「講堂でひとりで歌ってただろ?」
「うそだ!僕は人前では絶対歌えない。兄貴が僕の歌をきけたはずないんだ!」
取り乱すビョンゴンの前で、兄は言った。
「検事になるのは、やめることにする」
刑を宣告して生きていく自信がない。やめるのは簡単だが、やめたら後悔するだろう。
まだ本当にやめられるかわからないけれど、聞いてほしい。
お前の歌をきいて、熱いものがこみ上げてきた。
歌を聴きながら、自分にも夢があったことを思い出した。
すごいことだ。お前の歌は、聴いた人の心に響いたんだ。
誰もが、そんな風に歌えるわけじゃない。

「来年の誕生日プレゼント、机に置いといたぞ」
そう言って、兄は帰っていった。
机の上には、スーパースター ビョンゴンが舞台に立つ姿を描いた絵が残されていた。

テイのおしゃべりは、とまらない。
ジェホンは、大事なはなしをしようとしていた。
「テイ、テイや。
たぶん、もう二度と言わないから、よく聞けよ。
はじめて会った日を覚えてるか?」
試験会場に行く電車の中で、方向があってるか聞かれたんだ。
お前が気になった。はじめて会ったときからずっと。
学校でも、何気なく振り返ればお前がいた。
不思議だろ?
お前がなぜ笑い、なぜ泣くのか気になった。
良く笑うし、良く泣くから。
だから俺は、俺は、お前が好きだと勘違いした。
俺は、パク・テイが好きだと思った。
でも、もうやめたい。
正直苛立つ。小さいくせにうるさいし、終わりにしたい。
お前のことで、これ以上苦しみたくない。終わらせてくれ。もう疲れた。
聞いてるか?

密かに何かを期待していたテイの顔色がみるみる変わっていく。

ジェホンは泣いている。
「俺のためを思って、顔をあわせないでくれ。お願いだ」
「ごめんね」
「何?」
テイは、泣きながら謝った。自分の悪いところがわかった。
好きな人ほど、まとわりついてうんざりさせてしまう自分が悪いのだ、と。
「やめろ!謝るなっていっただろ!……俺の方が……言うな……」
なおも謝ろうとするテイの言葉を無視して、ジェホンは通話を切ってしまった。
涙しか、出てこない。

(つづく)

オマケ「魂を歌う詩人の家族」

ビョンゴンの家族が、高級レストランで食事をしている。
「今度は一体どの学部を受けるの?」
「毎年恒例だよ」
「今度は、本当の夢にむかって得意なことをやる。僕らしいことを」
「得意なのは部屋で歌って踊ることぐらいだろ」
「やめなさい、本人だってつらいのよ。セルフヒーリングみたいなものでしょう」
「しかし入退学を繰り返すのは問題だ」
エトセトラエトセトラ。
「やはり精神疾患だろう」

そんな結論でいいのか?!




はぁ~。今回はいろんなところで悲喜こもごも……。

ジェホンは、テイを遠ざけることにしてしまったのね。
好きだから?
テイが大事だから?
それだけじゃないよね?
怖いから。
自分も、傷つきたくないから。
現実と向き合う覚悟ができてないから。

ずっと秘密のまま、テイと一緒にいることはできない。
彼女の目を見られない。
秘密を抱えたままじゃ、彼女と笑えない。
彼女の愛情を受け止めることはできない。

だからといって、秘密を打ち明けてしまえば、
永遠に彼女を失ってしまう。

でもさ、このまま黙ってテイを遠ざけても一緒でしょ?
結局は、彼女の側にいることはできないんだから。

お父さんを奪った自分が、テイの側にいられない、という気持ちはわかるし、
彼女に本当のことを告白して、彼女を傷つけたくない気持ちもわかる。
テイが自分を好きだってことがわかってるから、
きっとすごくショックを受けるだろうって思ってるんだね。
それよりは、何も知らないまま、失恋のショックだけを
与えた方が、まだ傷が浅いと思ってる?

なんかさ、ジェホンは今すごく自分本位だと思うんだよね。
自分のために、テイから離れたような気がしちゃうの。

夜中に電話して何をいうのかな、って考えながら見てた。
「二度は言わない」って言ったから、
愛していると伝えて、警察に自首するつもりなのかと思ったの。
でも、逆だった。
「終わりにしたい」って別れを告げちゃったの。
自分でもわかってるよね?
逃げてるって、ちゃんとわかってるよね?ジェホン。

テイがかわいそうじゃん。テイだって途中まで、告白かなって期待しながら聞いてたよよ?

被害者側ですか?ってきかれたのが、なんともいえない重圧だったのだね。
彼は間接的な加害者だったんだから。

「お父さんのご芳名は?」ってジェホンはテイにききます。
芳名ってのは、相手を敬う言い方で、お名前は?ってきいているのね。
確かにあの日亡くなった人が、テイのお父さんなのかどうか、
警察で確認したかったんだね。

主人公たちは発展途上で、まだまだ若くて、未熟で、悩みながら生きてる。
ずるかったり、卑怯だったりしながら、
どこか純粋で、もがきながら道を探している若者の姿が印象的なドラマです。


運命を恨む。それ以上に自分をゆるせない。

ビョンゴンは、とうとう歌いましたね。
知らなかったとはいえ、兄の前で歌えた。
お兄さん、絵が好きだったんだな。
本当は画家になりたかったのかな。
大学のアトリエで学生のキャンバスにそっと手を触れる描写がありましたね。
繊細な人で、誰かに刑を宣告しながら生きていくことに耐えられないって。
夢を追うって簡単なことじゃない。
もしかしたら、また迷いに迷って検事をやめないかもしれないけど、
末っ子の歌は、確かにお兄さんの心に響いた。

わたし、ついついお兄さんと一緒に泣いちゃった。
ちょっとおぎやはぎの人に似てるなーと思いつつ見てたのに泣かされちゃったなー。

よかったなぁ、ビョンゴン。
これで彼は、人前で歌えるようになるかな?
実年齢も他の役者さんよりだいぶ上だったビョンゴンは、
ドラマ中の設定も、みんなより年上だったんだね。
何度も入退学をくりかえしているから、みんなより5、6才くらいは上な感じなのかな?

これまで天才天才ともてはやされてきたスビン先輩は、
ドソンの言葉に動揺してソヌ教授のミュージカルに参加するみたいね。
彼もまた、発展途上の若者なのだ。
見た目の繊細さに比べて、すっごく低音でしゃべるスビン先輩。
彼はどう変化していくのかな。
彼の中に眠っている情熱がほとばしるさまを見てみたいです。

ジェホンは結局秘密を抱えたまま、学校生活にもどって行くみたい。
でも、彼を目の仇にしている刑事さんが真相を突き止めようと
出張ってくると思うのよ。
仲間の目の前で、テイの前で、ジェホンが逮捕されるのなんてヤダな。
どういう結末を迎えるのかな。
きっと彼は、秘密に耐えられないと思う。
テイを愛してしまったから。

因果応報とは、よくいったものです……。



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