ヒノキ科(←スギ科)アケボノスギ属の「アケボノスギ(曙杉)」。中国原産の落葉高木で古来の化石により日本を含む北半球に広く分布しその後絶滅したと考えられていたが、1946年に中国四川省で発見され現存しているのがわかった。一般的には「メタセコイア(Metasequoia)」と呼ばれている。雌雄同株で早春に雌雄の花を咲かせ果実は晩秋に稔る。果実は直径2センチほどの球果で20~30個の果鱗があり熟すと開いて種子を零す。
シソ科(←クマツヅラ科)ハマゴウ属の「ニンジンボク(人参木)」。中国原産の落葉低木で夏に藤色の小さな花を多数咲かせる。葉は長さ5~10センチの長楕円形~広披針形で先端は尖り粗い鋸歯がある。セイヨウニンジンボクの葉は全縁になる。写真はニンジンボクの果実で直径3ミリほどの球形。
津久井湖城山公園の丘に植栽されている「アケボノスギ(曙杉)」。ヒノキ科(←スギ科)アケボノスギ属の落葉高木で中国原産。和名に“杉”の名が付くがAPG新体系ではヒノキ科に分類されており、一般的には「メタセコイア(Metasequoia)」と呼ばれている。秋に落葉した後、長さ10~20センチのひも状の雄花序の蕾を多数ぶら下げる。球形の蕾は直径3~4ミリ。
ヒノキ科(←スギ科)ラクウショウ属(ヌマスギ属)の「ラクウショウ(落羽松)」。北アメリカ原産の落葉高木で3~4月に雌雄の花を咲かせ果実は秋に稔る。果実は直径2~2.5センチの球果になり冬には樹の下に落ちてバラバラに砕けている。果実の中には松脂の付いた種子が数個入っている。種子は赤茶色で翼があり先端は尖っている。
南大沢小学校外周に植栽されている「マンサク(満作)」。マンサク科マンサク属の落葉小高木で早春に他の花木に先駆けて開花する。花弁は4枚の細長いひも状で早春の日差しを浴びて次第に伸びてきた。
世界遺産“白川郷・五箇山の合掌造り集落”は先般の強烈寒波で大雪に見舞われていたのがニュースになっていた。その合掌造りの構造材として、柱にはケヤキ、梁にはマツ、水回りにはクリが主に使われているがそこにマンサクが一役買っている。合掌造りにはクギなどの金物が一切使われておらずマンサクの繊維を捩じりほぐし縄状にした“ねそ”と呼ばれる結束材で柱や梁を縛っている。
クスノキ科ハマビワ属の「アオモジ(青文字)」。台湾や東南アジア原産の落葉小高木で雌雄異株。早春の葉の展開前に直径1センチほどの淡黄色の小さな花を咲かせる。クロモジ属のクロモジの樹皮が黒いのに対して本種はやや緑色掛かるので名付けられている。アオモジは山口県や九州地方以南に分布しており、その後野鳥などによって種子散布され近畿地方では野生化したものが見られるようだ。関東では植栽しか見られずこれは神代植物公園のもの。
マメ科フジキ属の「ユクノキ」。頂芽の冬芽は葉柄内芽になりその葉痕は冬芽をグルリと囲むO字形になるが、枝の途中にある葉痕はU字形になっている。幅は4~5ミリで維管束痕ははっきりしないが何となく顔に見えた。ユクノキは数年に一度開花する。去年は開花したがはたして今年はどうだろう。
マメ科ネムノキ属の「ネムノキ(合歓木)」。本州~九州の山野や河川に分布する落葉高木で、名前は夜になると小葉が閉じて眠るように見えることから“眠る木”に由来している。6~7月に枝先に花柄を出し淡紅色の花を多数咲かせる。果実は豆果で細長い扁平形で落葉後も枝に残っているのを見掛ける。葉痕はチンパンジーのような赤ら顔で可愛らしい。
大戸緑地で見られる「ユクノキ」。マメ科フジキ属の落葉高木で関東地方以西の山地に分布している。樹高は15~20メートルで数年に一度6~7月に枝先に円錐花序を出し長さ2~3センチの白い蝶形花を咲かせる。写真は冬芽で長さ7~8ミリ。褐色の毛に覆われた裸芽になる。冬芽は葉が残っている間は見えず葉柄が落ちると現れる“葉柄内芽”になる。
野猿街道は「ケヤキ(欅)」の街路樹が続いている。ケヤキはニレ科ケヤキ属の落葉高木で北海道~九州の山地や丘陵に自生しており樹形が整うことから街路樹や公園樹として多く利用されている。江戸時代には橋梁や船などに利用されたため徳川幕府はその植栽を奨励したという。また樹高は30メートルを超えるほどになり各地でご神木とされているものも多い。
街路樹として植栽されているものは定期的に剪定されるが写真がその姿。大きくなり過ぎると電線に支障をきたしたり最近は落枝による死亡事故も発生しており剪定は止むを得ないが何とも可哀相な姿ではある。