長池公園“さとやま広場”付近に植栽されている「キブシ(木五倍子)」。キブシ科キブシ属の落葉小高木で雌雄異株。早春に簪飾りのような花序を枝先にぶら下げる。冬の間は蕾の状態で過ごすが、この花序ではひとつフライングしたものがあった。立春は過ぎたがまだ寒い日が続いている。
鑓水地区の遊歩道で見られる「アカバナマンサク(赤花満作)」。マンサク科マンサク属の落葉小高木で基本種のマンサクが黄色い花を咲かせるのに対して本種は花弁が赤くなる。マンサクには多くの園芸品種が作られており、本種は日本産と中国産のマンサクを掛け合わせて生み出されたものと思われる。この株にはシナマンサクのように枯れ葉が残っている。
日野市平山の宗印禅寺の境内に植栽されている「ボダイジュ(菩提樹)」。アオイ科(←シナノキ科)シナノキ属の落葉高木で中国原産。日本へは臨済宗の開祖栄西が中国から持ち帰ったとされており日本各地の仏教寺院に多く植栽されている。お釈迦さまが菩提樹の下で悟りを開いたというのは有名だが、そちらはクワ科のインドボダイジュであり本種とは別物。またオーストリアの作曲家シューベルトの歌曲集『冬の旅』で歌われる菩提樹はセイヨウボダイジュ(=セイヨウシナノキ)でありそちらも別物になる。
ボダイジュの花期は5~6月で葉腋から花序を出し淡黄色の花を咲かせる。花序には長さ5~8センチの舌状の総苞がある。写真は果実の様子で総苞が残っており枝から落ちる際に竹トンボのようにクルクル回りながら種子を散布している。
ヒノキ科(←スギ科)ラクウショウ属(ヌマスギ属)の「ラクウショウ(落羽松)」。北アメリカ原産の落葉高木で3~4月に雌雄の花序を出し果実は秋に稔る。果実は直径2~3センチの球形で熟すと鱗片がバラバラになり種子はその鱗片に付いて散布される。
神子沢公園付近の遊歩道に植栽されている「シナマンサク(支那満作)」。マンサク科マンサク属の落葉小高木で中国原産。日本に自生するマンサクよりも早く開花する。開花期には枯れ葉が残っていることが多い。若枝には星状毛があり蕾には灰黄色の密毛がある。花弁は長さ1.5~2センチで4本あり蕾の時にはきちんと折り畳まれている。これが伸びる様子が面白い。
長池公園“雑木林トレイル”の道端に伸び始めた「カラスザンショウ(烏山椒)」。ミカン科サンショウ属の落葉高木で伐採跡地などに初めに生える先駆植物。ここは伐採地ではないが陽当たりの良い裸地で40~50センチの若木が数本伸びていた。太さは1~1.5センチで鋭いトゲが密生し葉痕には可愛い笑顔があった。
バラ科サクラ属の「カワヅザクラ(河津桜)」。オオシマザクラとカンヒザクラの自然交雑種と推定されている落葉高木で、昭和30年に静岡県河津町で偶然発見されその後の調査で新種とわかり昭和49年に命名された。早咲き品種で当地では1月中旬から咲き始めている。今冬は暖冬とは言えこのところ寒い日が続いていて一昨日は高尾山では雪が積もった。東京は冷たい雨だったがここ小山内裏公園“戦車道路”脇に植栽されている数本のカワヅザクラはそれぞれ1~2輪の花を咲かせていた。
大田川遊歩道に植栽されている「ユキヤナギ(雪柳)」。バラ科シモツケ属の落葉低木で関東地方以西の山野や河川などで見られる。ここでは晩秋まで鮮やかな紅葉を見せていたがすっかり落葉しその枝には小さな冬芽が見えた。長さ2ミリほどの卵形で紅紫色の芽鱗に包まれている。
小山内裏公園“内裏池”付近の林縁に生えている「サルトリイバラ(猿捕茨)」。シオデ科(←ユリ科)シオデ属のつる性落葉木本で春に目立たない花を咲かせ果実は秋に赤く稔る。果実が褐色に萎んでからはその冬芽が見頃になる。いつもは顔の中に目が無いが、これはしっかりと両目が見えた。両手を挙げて手招きしているようだ。