三木市内を走る神戸電鉄は、コロナ禍以前と変わりなく運行中。しかし、一時期と比べて利用者も回復しているとはいえ、コロナ前と比べて少ない状況。もともと存続の危機にある粟生線は大丈夫なのか気になるところ。志染駅から三木駅の区間を増便する社会実験の期間も今年度末まで。これらの対応が迫られる。この間、三木市のまちづくりを真面目に考えておられる方から、乗降者が少ない三木駅に立派な建物が必要かという疑問を投げかけられた。神戸電鉄を利用しない人、三木駅を利用しない人から見れば、利用しないものに多くのお金が使われることに疑問を持つのかもしれない。
Q1:コロナ禍の神戸電鉄の状況について
A:都市整備部長(友定 久)
神戸電鉄株式会社の令和2年度の業績及び利用者数
営業収益 202億3,100万円
令和元年度比 △25億2,000万円
営業利益 6億9,800万円
令和元年度比 △13億8,500万円
経常利益3億7,000万円
令和元年度比 △11億2,500万円
輸送人員 4,688万2,000人
令和元年度比 △1,114万6,000人、△19.2%
令和3年度の直近、令和3年4月から6月の業績及び利用者数
営業収益 49億600万円
令和2年度比 5億2,700万円増
営業利益 3億6,000万円
令和2年度比 6億1,600万円増
経常利益 2億3,700万円
令和2年度比 6億600万円増
輸送人員 1,233万5,000人
令和2年度比 197万1,000人、19%増
昨年の第1四半期、4月から6月は、第1回目の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言の影響により利用者が激減したため、その反動増で直近の業績は増収、増益となっているが、依然としてコロナ禍以前の業績には回復していない状況。
Q2:昼間時間帯の志染駅、三木駅の区間を増便する社会実験の評価と今後の予定
A2:都市整備部長(友定 久)
昼間時間帯、増便の目的は、利便性向上を図るとともに、三木への来訪者もアクセスしやすい環境を創出するため、令和2年と令和3年の2年間、午前10時から午後2時の間に、1時間に2便での運行を実施している。
増便により運行便数が増加した三木駅、三木上の丸駅及び恵比須駅の令和2年度利用者数は、
三木駅 37万8,000人
三木上の丸駅9万8,000人
恵比須駅26万人
うち、増便時間帯、午前10時台から午後2時台の利用者数は、
三木駅 7万1,000人
三木上の丸駅 1万9,000人
恵比須駅 4万9,000人
コロナ禍で神戸電鉄全線の利用者数が対前年度比で19.2%減少を踏まえると、3駅は、増便時間帯で、
三木駅 1万3,000人増
三木上の丸駅 2,000人増
恵比須駅 1,000人増
が計算上増えた。一定の効果があったと考える。
今後、増便した3駅の利用状況の詳細を分析し、増便支援策の効果、検証を行った上で、来年度以降の支援を検討する。
(板東)社会実験をコロナ禍の中でやったが、本来の評価はできないと思う。逆にコロナ禍だからこそ、昼間増便で利用者が増え、市民が神戸電鉄を利用した。
コロナ禍とそれ以降の判断が難しい。
Q:この社会実験は、来年度ですぐに判断をするのが正しいのか。本来であればコロナ禍が終息した後に判断すべきじゃないのか。
A:都市整備部長(友定 久)
コロナ禍の影響を多大に受けている状況。昨年より多少は回復しているものの、やはり影響は大きい。増便による利便性の向上が功を奏して乗車の増加につながっているが、また、来年度新たな三木駅舎や駅前広場が完成し、観光協会も駅舎内に移る。重要な交通結節点となる。三木を訪れる方の主要な駅になっていくもの。コロナ禍が収まれば現在のデータ以上に、利用につながる。来年度以降の事業の継続は、乗車状況のデータだけでなく、今後のまちづくりも含めて総合的に継続について判断を行う。
Q3:三木駅再生の意義について
A3:副市長(合田 仁)
平成30年3月4日の火災により、昭和13年の開業以来、80年の歴史を刻んできた三木駅舎が焼失した。近年乗客数の減少から減便が続き、市民の間では、粟生線そのものに存続の危機といった不安がある中での駅舎の焼失は、このまま粟生線の廃線につながってしまうのではないかといったさらなる不安が広がり、焼失直後から三木駅の再生を、そして新しい三木駅が三木市の新しい顔となるような整備、これらを望む声が届けられ、テレビ番組等でも取り上げられ、市内外から大きな注目を集めた。駅舎のデザインは、5,500を超える投票をいただき、特に若い世代の支持を集めたモダン風デザインの駅舎を建築することと決定。この駅舎は、三木市観光協会が移転し、三木市の魅力を市内外に発信する拠点としても機能する。駅前にバス、タクシー、送迎のための自家用車などが寄りつける駅前広場の整備を行い、交通結節点として駅機能の充実を図る。
先月8月18日に、神戸電鉄の主催で駅舎の建設の地鎮祭が執り行われた。ここに至るまでには、市内外の皆様や関係者の皆様から多くの応援の声をいただき、ふるさと納税などを通じて多くの寄附を頂いた。心から感謝申し上げる。
新しく再生された三木駅が三木市公共交通の軸となる神戸電鉄粟生線のシンボルとなり、三木市民、そして三木市を訪れた方々の心にいつまでも残る三木市の原風景として刻まれ、これからの活力ある三木市を代表し、人々に愛され続けるような駅を目指して整備を進めたい。
(板東)三木駅再生の意義について副市長から語っていただいた。三木駅について三木市のシンボルであるという立場は共有できるもの。
実はこの話は、立ち話で副市長とお話をさせてもらったときに、旧市街地の活性化にも三木駅の存在は必要ということを熱く語っていただいた。そのあたりをもう少し語っていただけたらと思っていたが、今回はそこまで踏み込んではいただけなかった。また語っていただきたい。