この8月は、日本では1945年に太平洋戦争が終わった月なので、戦争に関する番組が多くなる。最近も、NHKスペシャルで取り上げられ、様々なところで物議を醸しているようです。
今回、そのNHKのBSで、ヨーロッパの戦後についてのドキュメンタリーが放送されていたので、見てみました。それがBS世界のドキュメンタリー「アフター・ヒトラー」。フランスのドキュメンタリーのようです。
オンデマンドで見ました。

NHK HPより
ヨーロッパの戦後って知っているようで知らないことが本当に多い。今までは断片的に写真など見たことはありますが、この番組のように、カラーの動画で、戦争直後から時系列に見て見るととてもわかりやすいです。
このドキュメンタリーは1945年5月8日のヨーロッパ戦線が終結した日から、1949年のドイツ連邦共和国、ドイツ民主共和国誕生までを描いています。

www.japan.diplo.de
特に興味を引いたのが、戦争直後のドイツの様子。
ほぼドイツ全土が、ほぼヨーロッパ全土が、映画「戦場のピアニスト」に出てくるような風景。一体この瓦礫をどうやって綺麗にするのか、、。

そこでドイツでは、数千人の女性が瓦礫の撤去に協力。この女性たち、スカートを履きながらの作業で
その姿が印象的でした。この、瓦礫を撤去する姿を見て、日本の戦後はどうだったのかと思ったのです。
日本の場合、良く見る写真というのは、一面焼き野原の風景。ドイツとかヨーロッパでは都市にそのような風景がなかったのか、と思ったのですが、建物の元が違うので、そのような景色はないようですね。
ヨーロッパでは戦後の復興が大変だったということですが、その原因の一つが、この大量の瓦礫ではないのかとすら思えます。


何しろ、殆どの建物が石とかレンガでできている現状。火災にあってもそれらは瓦礫として残るわけですから、建物を再建するにしても、まず大量の瓦礫を撤去する事から始めないと、物事が先に進まないのですから。
それに比べてと言ってはあれですが、日本の場合、瓦をのぞいたら家のほとんどが紙と木ばかりですから、それに燃えつくされたところが多かったと思うので、撤去にはそれほど時間と尽力を必要としなかったのではと想像されます。
ですから、ヨーロッパの復興は本当に大変だったのではないでしょうか。

物資不足から、ヨーロッパの人達もレンガを再利用していたり、ナチの戦闘具を家庭用品に作り変えたりと、工夫が光っていました。
そのような復興と共に、更に激化する民族浄化や東側のロシアに傾倒して行く様子が興味深かったです。
イギリスなどは早くから共産党はやばいというように思っていたということですが、東ヨーロッパはとにかくドイツ憎しでまとまっていたから、共産党は救世主のように思っていたようです。それに、ロシア側の周到な計画(保守派の要人の暗殺やデモを誘発したり)も多かったようです。
でも、ルーマニアなど、王家の人が国外追放とかになっても、共産党には特に疑問は持たなかったのでしょうか。
そして一応戦争は終結したものの、あちこちで繰り広げられる、ナチスの生き残りやヨーロッパ各地に住んでいたドイツ人や、また収容所をようやく出られたユダヤ人への迫害や殺戮には驚かされます。戦争が終わっても多くの人間が死んで行くという事実。
また、200万人とも言われているドイツ人女性がロシア赤軍にレイプなど凌辱されたという事も有名です。
とにかくあの頃は全ヨーロッパ中が「ドイツ憎し」で動いていたから、ロシア兵もドイツ女性などへとも思っていなかったのではないでしょうか。
そして戦後2,3年でアメリカvsロシアが既に始まっていたのですね。ヘタをしたら全ヨーロッパ中が共産党化していたかもしれない、という事実には驚かされます。
それを食い止めるため、アメリカはマーシャルプランでドイツを助け、強くさせて行く。ドイツを共産党の盾にするために強くする、「西ベルリンは資本主義の砦」だったんですね。
そして戦後72年。
あのひどかったソビエトも解体。東ヨーロッパの国々も独立。東ドイツも消失。そしてまた再びドイツ一強のようなヨーロッパの情勢。
あの、ソビエトの支配はなんだったのか。
今後のヨーロッパの動きを知る上でも,このドキュメンタリーは秀逸だと思いました。
ロシアへの教訓--お金があって食料が豊富なところと争ってはダメですよ。
今回、そのNHKのBSで、ヨーロッパの戦後についてのドキュメンタリーが放送されていたので、見てみました。それがBS世界のドキュメンタリー「アフター・ヒトラー」。フランスのドキュメンタリーのようです。
オンデマンドで見ました。


ヨーロッパの戦後って知っているようで知らないことが本当に多い。今までは断片的に写真など見たことはありますが、この番組のように、カラーの動画で、戦争直後から時系列に見て見るととてもわかりやすいです。
このドキュメンタリーは1945年5月8日のヨーロッパ戦線が終結した日から、1949年のドイツ連邦共和国、ドイツ民主共和国誕生までを描いています。

www.japan.diplo.de
特に興味を引いたのが、戦争直後のドイツの様子。
ほぼドイツ全土が、ほぼヨーロッパ全土が、映画「戦場のピアニスト」に出てくるような風景。一体この瓦礫をどうやって綺麗にするのか、、。

そこでドイツでは、数千人の女性が瓦礫の撤去に協力。この女性たち、スカートを履きながらの作業で
その姿が印象的でした。この、瓦礫を撤去する姿を見て、日本の戦後はどうだったのかと思ったのです。
日本の場合、良く見る写真というのは、一面焼き野原の風景。ドイツとかヨーロッパでは都市にそのような風景がなかったのか、と思ったのですが、建物の元が違うので、そのような景色はないようですね。
ヨーロッパでは戦後の復興が大変だったということですが、その原因の一つが、この大量の瓦礫ではないのかとすら思えます。


何しろ、殆どの建物が石とかレンガでできている現状。火災にあってもそれらは瓦礫として残るわけですから、建物を再建するにしても、まず大量の瓦礫を撤去する事から始めないと、物事が先に進まないのですから。
それに比べてと言ってはあれですが、日本の場合、瓦をのぞいたら家のほとんどが紙と木ばかりですから、それに燃えつくされたところが多かったと思うので、撤去にはそれほど時間と尽力を必要としなかったのではと想像されます。
ですから、ヨーロッパの復興は本当に大変だったのではないでしょうか。

物資不足から、ヨーロッパの人達もレンガを再利用していたり、ナチの戦闘具を家庭用品に作り変えたりと、工夫が光っていました。
そのような復興と共に、更に激化する民族浄化や東側のロシアに傾倒して行く様子が興味深かったです。
イギリスなどは早くから共産党はやばいというように思っていたということですが、東ヨーロッパはとにかくドイツ憎しでまとまっていたから、共産党は救世主のように思っていたようです。それに、ロシア側の周到な計画(保守派の要人の暗殺やデモを誘発したり)も多かったようです。
でも、ルーマニアなど、王家の人が国外追放とかになっても、共産党には特に疑問は持たなかったのでしょうか。
そして一応戦争は終結したものの、あちこちで繰り広げられる、ナチスの生き残りやヨーロッパ各地に住んでいたドイツ人や、また収容所をようやく出られたユダヤ人への迫害や殺戮には驚かされます。戦争が終わっても多くの人間が死んで行くという事実。
また、200万人とも言われているドイツ人女性がロシア赤軍にレイプなど凌辱されたという事も有名です。
とにかくあの頃は全ヨーロッパ中が「ドイツ憎し」で動いていたから、ロシア兵もドイツ女性などへとも思っていなかったのではないでしょうか。
そして戦後2,3年でアメリカvsロシアが既に始まっていたのですね。ヘタをしたら全ヨーロッパ中が共産党化していたかもしれない、という事実には驚かされます。
それを食い止めるため、アメリカはマーシャルプランでドイツを助け、強くさせて行く。ドイツを共産党の盾にするために強くする、「西ベルリンは資本主義の砦」だったんですね。
そして戦後72年。
あのひどかったソビエトも解体。東ヨーロッパの国々も独立。東ドイツも消失。そしてまた再びドイツ一強のようなヨーロッパの情勢。
あの、ソビエトの支配はなんだったのか。
今後のヨーロッパの動きを知る上でも,このドキュメンタリーは秀逸だと思いました。
ロシアへの教訓--お金があって食料が豊富なところと争ってはダメですよ。