ドライブ・マイ・カーの話題でもちきりですね。
昨年、公開後間もなく観ました。
盛んに報道されているから、
見ていない方もあらすじはなんとなく…と、思いますが、
長いけれどご覧になって!
村上春樹氏原作の【女のいない男たち】に納められている短編が、
3時間の長編となった作品。
その3時間が長く感じない不思議な魅力ありました。
原作から、どのように思いを膨らませるとこうなるものか、
その演出、脚本は見事としか言いようがない作品と思います。
俳優さん達が秀逸なのは、言うまでもありませんが、
とにかく映像が美しいし、陰影効果も巧みだなぁと、素人でも感じました。
中でも、話の展開や背景に道路、トンネル、橋梁などの構造物や
御手洗の湊町、国際会議場など、建造物が巧みに使われていることが印象深い。
特筆したいのは、主人公の専属ドライバーになった女性が、
その生い立ちを語る場面で背景に使われているのが、
広島市のゴミ処理場・環境局中工場、設計は谷口吉生氏。
苛酷な幼少期から少女時代を語る時、収集車がピットにゴミを投げ入れ。
再生の日々を語る時、排ガスや灰を処理するラインが背景となり。
更に現在を語る時には、瀬戸内の海が陽光に照らされる。
口調は淡々と進むのですが、
無機質な構造物、有機的な空間、そして自然の景観へと、
説得力のある場面だと思います。
と言うか、この映画のこのシーンに、この建物を採用しようって、
そういう引出があるって、すごいなぁ。
再々上映されているので、もう一度観に行こうかしら。
@ふると
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