Part107 蠍座の消滅

 □聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話
　Part107 蠍座の消滅

天蠍宮──
アスクレピオスは、眠っているエカルラートを目覚めさせます。
エカルラートは、甦ったオデッセウス（アスクレピオス）に驚きます。
アスクレピオスは、アテナを殺すために付いてくるかと訊ねると、
エカルラートは、あなたに受けた恩は計り知れないとしながらも、
今のあなたは、オデッセウスではない。肉体を乗っ取られた魔物だと。
そんな魔物にアテナを取らせる訳にはいかないと行く手を遮ります。
アスクレピオスは、余に逆らえば、すべてを失うと判っている筈だと。
おまえの体内の血は、余が与えしもの、逆らえば、黄金の血は、
すべて流れ出す。一滴の血液もなくなり、おまえは、消えて失くなると。
エカルラートは、覚悟の上だとし、すべて承知の上で、お返しいたすと。
アスクレピオスが杖を向けると、エカルラートの血液が噴き出します。
そして、エカルラートは、スカーレットニードル・アンタレスを放ち、
肉体を乗っ取られた、オデッセウスを正気に戻そうとしますが……。

十二宮を進む一輝は、天蠍宮から真紅の小宇宙を感じ取ります。
オデッセウスが既に蛇夫宮の手前まで来ていることも推察します。
すべての黄金聖闘士が眠りに落ち、聖域十二宮の聖闘士が無力ならば、
アテナを守れるのは、未来から来たオレたち青銅聖闘士だけだと。
で、クリューソスの剣を、アテナに使うことになるのかと思い悩みます。

スカーレットニードルの一撃は、オデッセウスを呼び起こします。
エカルラートは、最期の一瞬でもオデッセウスに会えたことに感謝し、
教えの通り、アテナを非力ながらも守り通そうとしたと伝え、
アテナの命をオデッセウスに託し、この世から姿を消します。
主を失った蠍座の聖衣は、星座の姿に戻り、アスクレピオスを阻みます。
アスクレピオスは、オデッセウスにそろそろ消えて貰うと言い放ちます。
オデッセウスの魂が消滅し、アスクレピオスが体を完全に乗っ取ります。
アスクレピオスは、蠍座の聖衣を杖で払い除け、蛇夫宮に進みます。