ケント・ギルバート氏の提言
現憲法を作成したアメリカ出身のケント・ギルバートです。
こんなに重要な会議でお話しする機会を与えられたことに感謝しております。
今日は2つだけ重要なポイントをお話ししたいと思います。今の憲法には致命的におかしい点が2つあります。
まず元首の規定がないということです。どんな組織でも代表者が必要です。
国家でも当然です。代表者が明確でなければ相手にも迷惑がかかります。
ただ当時、天皇が元首だとは憲法に書かれなかった。明らかに元首なのに「象徴」という
言葉でごまかしたわけです。米国は天皇の処罰を行わず、象徴として残しましたが、元首にはしなかった。
天皇のもとで日本人がもう一度結束するのは避けたいが、占領統治のためには天皇の権威を利用したい。
象徴天皇とは、GHQ(連合国軍総司令部)の妥協の産物です。それが日本国憲法の元首の定めが
ないという致命的な欠陥として残っているわけです。
私は今から25年前に、PHP研究所から「僕が見た日本国憲法」という本を出版いたしました。
それほど売れませんでしたが。今、振り返って考えると「よくこんなこと書いたな」と思うんですけど、
その中で「9条はそのままでも構わない」と書きました。
それは「自衛権はどうせ国際法上は放棄したわけではないから、とりあえず実験的にやってみても
いいんじゃないかな。まだそんなに周りが危ないわけでもないし」という安易な考え方でした。
しかし、今は全然そう思いません。中国の軍拡、北朝鮮の核開発、米国の変容、沖縄の現状など、
世の中は戦後70年で大きく変わっています。9条で軍事力を奪ったのもアメリカのためなんです。
アメリカの国益のためなんです。
護憲派の中にはこれを崇高な規定だと固く信じる人もいます。例えば「9条というのはあらゆる事態
にも決して武力に頼らずに、全て平和的な交渉だけで国際紛争を解決できる理想的な国家にしようと
考えた規定だ」とか、「日本のやり方が世界中に広がっていくよう、世界中の憧れの的にしよう」とか、
「9条を世界遺産にしよう」というのもあった。妄想もここまでくると、怪しい新興宗教の教義のようです。
米国人の一人として断言します。現実はそんなことでは決してありません。ただ単に日本を弱い国に
したいから9条をつくったのです。簡単にいえばペナルティー、つまり制裁です。それ以外の何もの
でもありません。早く目を覚ましてください。
最後になりますが、米国が私たちを守ってくれるという依存症が日本国内に蔓延(まんえん)しています。
日本人はそうした病を早く払拭すべきだと思います。自分の国は自分で守るという当たり前のことが、
憲法改正を通じて現実になることを願っております。
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