「いっぽ」のつぶやき

健康に福祉にボランティアにと、自分らしい人生を過ごすために、一歩ずつ歩んでいる「いっぽ」のつぶやきです。

クラスター爆弾禁止条約

2007-06-02 07:14:20 | ボランティア
クラスター爆弾というのをご存知でしょうか?
空中から一発のクラスター爆弾を投下すると、地上近くで破裂し、中から数百個の子爆弾が撒き散らされ、広範囲にわたり殺傷、破壊することができるもので、現在、日本を含む75ヶ国が保有しているといわれています。
この爆弾のやっかいなところは、子爆弾が不発弾となる確立が非常に高いということです。
そのために、戦争が終わっても、長期間そこに残り、多数の一般住民が犠牲者になっています。
このことから「第二の地雷」ともいわれているのですが、地雷は埋めた場所が特定できますが、クラスター爆弾の場合、それが広範囲にばら撒かれているので、どこにあるかわからず、撤去するのは極めて困難です。

こうした非人道的な兵器を無くそうと、クラスター弾禁止条約の制定を目指す第二回国際会議がペルーの首都リマで開かれました。
しかし、七十カ国の代表や国連機関、非政府組織(NGO)が集まった会議は、爆弾の定義や条約の実効性などをめぐって意見が割れ、課題を整理したものの乏しい成果に終わっています。
前回二月のオスロ会議では「二○○八年までに条約を制定する」との画期的な宣言を採択し、全面禁止への期待が高まっていたんですが、主要な保有国で禁止に反対する米国やロシア、中国は不参加で、日本はオスロと同じくリマでも会議には参加しましたが、条約に賛同せず、態度を保留しています。

日本は一九九七年十二月にオタワで調印した対人地雷禁止条約で積極的な役割を果たした実績があし、その軍縮・平和、国際協調路線は世界から高く評価されていました。
それなのに、クラスター弾禁止条約に関しては後ろ向きで、各国の出方を見守っている状態です。
リマ会議では、各国NGOから「日本は同盟国の米国に遠慮している」「なぜ、対人地雷と同じ人道的な対応ができないのか」といった批判的な声が相次ぎ、地雷廃絶活動でノーベル平和賞を受賞したジョディ・ウィリアムズさん(56)も、日本が条約参加への態度を保留していることについて「悲しむべきことだ」と失望感を表明しています。

日本政府は、軍事大国が参加しなければ条約ができても効果に乏しい、との理由で態度を保留しています。また外敵の侵攻に必要な兵器ということで、捨てがたいものがあるようです。
しかし、地雷のときも最初は同じ理由で拒んでいたんですが、小渕首相が英断を下し、積極的に地雷廃絶に取り組んだことで、今では世界153カ国が調印し、いまだ調印していないアメリカも、それ以降は地雷の使用を控えているのです。

JCBL(地雷廃絶日本キャンペーン)では、「クラスター爆弾全面禁止キャンペーン」を実施しています。リマ会議にも、日本のNGOとしては唯一参加しています。この問題について、さまざまな情報をもたらしてくれますので、HPをご覧下さい。

戦いが終わってからも不発弾として市民を苦しめ続ける兵器、クラスター弾。知らずに手にした子どもや民間人が傷ついています。
そんな非人道的な兵器を一刻も早くなくしてしまって欲しいものです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする