「いっぽ」のつぶやき

健康に福祉にボランティアにと、自分らしい人生を過ごすために、一歩ずつ歩んでいる「いっぽ」のつぶやきです。

地雷除去機

2007-06-07 07:04:02 | ボランティア
昨日、「所さんの笑ってこらえて!」を見ていたら、ニカラグアで活躍する日本人を探すコーナーがあって、そこで雨宮清さんが紹介されていました。

山梨日立建機株式会社の社長として機械作りに打ち込んでいた雨宮さんは、カンボジアの内戦が終わった1994年、復興のためには重機が必要になるとみて、カンボジアを訪れました。しかし、そこは1000万個以上といわれる地雷が埋められていて、地雷を撤去しなければ復興もままなりません。 
世界中では1億数千万個もの対人地雷が埋まっているといわれています。手作業で除去していては、1000年以上かかるといます。
現地で地雷で足をなくした人に「どうか私たちを助けてください」と言われ、地雷を除去する機械を作ることを決意したのです。

1995年に地雷除去機材開発プロジェクトチームを発足させ、仕事の合間をみて、試作品の製作を続けましたが、それは簡単なものではありませんでした。
考えたのは油圧式シャベルで地面を掘りながら、地雷を爆発させるというものでしたが、爆発のときの衝撃や熱に耐えるものを作らないといけません。
「苦労したのは、刃の材質と刃を接着する技術でした」という雨宮さん。
5年におよぶ研究の結果、“硬くて柔らかい”という矛盾する性質を備えた超合金の刃が開発された。また爆発時に起こる1000℃の高温にも耐える接着技術も編み出しました。
1998年に地雷除去機の1号機を完成。
最初の一発目は雨宮さんが直接機械に乗りこみ、作業をおこなったのですが、あまりの衝撃に鼓膜がやぶれ、今でも片方は聞こえないそうです。
1999年よりカンボジアで処理を開始し、現在では世界6カ国で54台の地雷処理機が活躍しています。
ニカラグアでは内戦により13万個の地雷が埋められましたが、現在90%の除去が済み、2年後には完了するそうです。

地面を掘りながら、同時に地雷を撤去するという雨宮さんの地雷処理機は、従来の手作業の20倍のスピードでの作業を可能にし、地雷を爆破してから除去できるようになったため、安全性も格段に向上したといいます。

雨宮さんの熱い想いは地雷撤去のみに留まらず、彼の作り出した地雷処理機には、地雷処理後、農地としてその土地を整備し耕せるように農耕用アームもついています。昔、地雷原だった土地は、そのお陰で現在美しい畑となっています。

雨宮さんは今でも先頭に立って現地に赴き、機械の使い方や修理の仕方を指導する一方、さらに安全で高性能な地雷除去機の開発を続けていて、世界中から地雷をなくそうと活躍しています。
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