釣りと関係ないネタですみません。今月号のサイエンティフィック・アメリカンによると、世界中の農業で使われている化学肥料がオゾンホールを広げる原因になっていることが解明されたとのこと(1)。
化学肥料(硫安)がオゾン層を壊してしまう仕組みはというと、ある種のバクテリアが土の中のアンモニウムイオン、あるいは水に溶けているアンモニアガスを硝酸イオンに変え、それが亜酸化窒素として徐々に大気中にガスとして出てくる。そしてこの亜酸化窒素はフロンガスよりもオゾン層を破壊する能力が強いとのことです。
食糧危機を回避するために世界中で使われてきた化学肥料ですが、実はオゾンホールの原因になっていたというのですけど、これが事実だとしたら大問題でしょう。私たちが毎日食べている、食べなきゃならない食糧ですが、これを作るのに必要な化学肥料が、地球の大気に悪影響を与え続けてきたことになるわけなんですから、かなり深刻なのではないでしょうか。冷蔵庫やクーラーなら何とでもなりますけど、食糧なのですから。
しかもこの事実が、なんでか分かりませんけども、30年間も表沙汰にならないように取り扱われてきたという事実。
実は、1970年代すでにこのことに気付いて警告してきた科学者はいました(2)。もちろんさまざまな活動によって排出される窒素酸化物がオゾン層に何にも影響を与えずには済まされないだろうということは別に計算してみなくても普通に考えれば予想できるストーリーですし、そしてアンモニアを亜酸化窒素に変えてしまうバクテリアがいるということも昔から分かっていたこと。それが1970年代からこれまでの間、どうしてフロンばかりがクローズアップされてしまったのか…。科学者たちはちゃんと事実を知っていました。けれども私たちは「フロンがフロンが~!!」という話ばかりで、「化学肥料が!!」という話はまるっきり耳にしなかったわけです。
ですがここへ来てようやく、アメリカの公的機関の調査によって正式に(というか公式に)発表された。
アメリカ政府もついに事実を認めたということですよ(これぞオバマ効果!?)。
まあ、過ぎ去ったことをほじくり返してもしょうがないんですけどね、日本も少しは見習わないと。
(1)http://www.scientificamerican.com/article.cfm?id=fixing-the-global-nitrogen-problem
日本の「日経サイエンス」の方は、米国の科学雑誌「SCIENTIFIC AMERICAN」の日本版と銘打っているにも関わらず、このオゾンホールの記事、完全に黙殺。なんというか、こういうのってめっちゃ昭和ですよね。
(2)島崎達夫「成層圏オゾン」1979年、東京大学出版会
化学肥料(硫安)がオゾン層を壊してしまう仕組みはというと、ある種のバクテリアが土の中のアンモニウムイオン、あるいは水に溶けているアンモニアガスを硝酸イオンに変え、それが亜酸化窒素として徐々に大気中にガスとして出てくる。そしてこの亜酸化窒素はフロンガスよりもオゾン層を破壊する能力が強いとのことです。
食糧危機を回避するために世界中で使われてきた化学肥料ですが、実はオゾンホールの原因になっていたというのですけど、これが事実だとしたら大問題でしょう。私たちが毎日食べている、食べなきゃならない食糧ですが、これを作るのに必要な化学肥料が、地球の大気に悪影響を与え続けてきたことになるわけなんですから、かなり深刻なのではないでしょうか。冷蔵庫やクーラーなら何とでもなりますけど、食糧なのですから。
しかもこの事実が、なんでか分かりませんけども、30年間も表沙汰にならないように取り扱われてきたという事実。
実は、1970年代すでにこのことに気付いて警告してきた科学者はいました(2)。もちろんさまざまな活動によって排出される窒素酸化物がオゾン層に何にも影響を与えずには済まされないだろうということは別に計算してみなくても普通に考えれば予想できるストーリーですし、そしてアンモニアを亜酸化窒素に変えてしまうバクテリアがいるということも昔から分かっていたこと。それが1970年代からこれまでの間、どうしてフロンばかりがクローズアップされてしまったのか…。科学者たちはちゃんと事実を知っていました。けれども私たちは「フロンがフロンが~!!」という話ばかりで、「化学肥料が!!」という話はまるっきり耳にしなかったわけです。
ですがここへ来てようやく、アメリカの公的機関の調査によって正式に(というか公式に)発表された。
アメリカ政府もついに事実を認めたということですよ(これぞオバマ効果!?)。
まあ、過ぎ去ったことをほじくり返してもしょうがないんですけどね、日本も少しは見習わないと。
(1)http://www.scientificamerican.com/article.cfm?id=fixing-the-global-nitrogen-problem
日本の「日経サイエンス」の方は、米国の科学雑誌「SCIENTIFIC AMERICAN」の日本版と銘打っているにも関わらず、このオゾンホールの記事、完全に黙殺。なんというか、こういうのってめっちゃ昭和ですよね。
(2)島崎達夫「成層圏オゾン」1979年、東京大学出版会