竹心の魚族に乾杯

Have you ever seen mythos?
登場する団体名、河川名は実在のものとは一切関係ございません。

キョロキョロしないサルとは

2010年03月27日 | 竹田家博物誌
「唯脳論」に、猿回しの調教をするサルを選ぶときに、キョロキョロしないサルを選ぶ、ということが書いてあります。 もちろんこれは養老孟司先生が研究したわけじゃなくて中里介山の『大菩薩峠』に言及したわけですが、こういうところにピピッと来る感性がさすがだなあと思うのです。 哺乳類というのはだいたい眼が横に付いていますが、サルというのは眼が頭部の前方に付いています。ウサギなどとは違って、後ろの状況を察知 . . . 本文を読む

史的どうぶつ論――主人と奴隷の弁証法

2010年03月16日 | 竹田家博物誌
世の中は発展し進歩していますけど、どうも知識人、インテリというのは自然や動物を観察することが圧倒的に足りないのではないかと思いますねえ。シミュレーションゲームじゃあるまいし何でもかんでも単純なパラメーターで制御しようとしているように見えます(一方で科学無用論というか「自然科学なんてない方がいい」みたいな人もいますけどね)。 近頃では婚姻数や出生数が減っていて、どうやって子供を増やそうかなどとよく言 . . . 本文を読む

釣りは目の断食

2010年03月14日 | 兵法書・鍛練編
ぼちぼち春めいてきましたが、海は釣れない時期だし、山にはまだ雪が残っています。 それよりも自分にはどうも先日の「唯脳論」が頭から離れません。 「唯脳論」では、視覚系言語と聴覚系言語、そして触角系言語の3つがあるということでした。聴覚系言語はフランス語に代表され、触角系言語はヘレン・ケラーに代表される…。 一方で私たちが普段使っているのは視覚系言語。現代社会は視覚系言語にどっぷりと漬かっていると . . . 本文を読む

予測と行動と遊び

2010年03月13日 | やまめ研究所
晩秋に本流域で、降海のために山を下りて徐々に生活の場を下流へ下流へと移して行くヤマメ・アマゴの一群を見ることがあります。地域に依ってはシラメなどとも呼ばれているようです。この疎開組の行動を観察していますと(もちろん橋の上からですよ。釣りしながらじゃないです)、水面近くで時おり輪を描くような動きを見せています。秋の柔らかい陽射しの中で産卵するユスリカを捕食しているようにも見えます。けれども捕食するに . . . 本文を読む

釣りの効用

2010年03月10日 | 兵法書・鍛練編
昔々、今のようにフランスや諸外国で柔道が盛んでなかった時代、もちろん柔道といえば日本が強かったわけですが、徴兵制のない国であれだけ格闘技が強かったというのは考えてみればすごいことだと思います。 そしてその日本人の柔道が強かった理由として「引く力が強いからだ」ということがTVでもよく言われていたように記憶しています。 「引く力が強い」それはそれで結構なことなのですが、筋肉の構造からすると「引っ張る . . . 本文を読む

「負け犬の遠吠え」という現象

2010年03月08日 | 竹田家博物誌
柳田国男は人と人がすれ違う際に勝ち負けのようなものがあったということを書いていたわけですけど、ちょっとそこで、ある思いつきを試みることにしました。書店で、熱心に本を探している男性の前をわざと邪魔するように通り過ぎてみるのです。その時にゆっくり堂々と通り過ぎれば大抵の人は腹を立てず、何事も起こらないということはすでに分かっていました(理由は不明)から、あえて少々大袈裟に、身体を縮こまらせながら不器用 . . . 本文を読む

視覚系言語と聴覚系言語

2010年03月07日 | 兵法書・鍛練編
養老孟司先生は「唯脳論」の中で、人間が使っている言葉には「視覚系言語」と「聴覚系言語」があると言います。これはものすごく興味深い話しです。人間の頭の中に、2つの言葉が共存しているというのです。そしてそれらは、協同して働いているのではなく、まったく別々に動いていると言います(リチャード・ファインマンは数を数えながら喋ることができ、友人は数を数えながら本を読むことができた…)。 ということは、これら . . . 本文を読む

では人間の場合は…

2010年03月05日 | 竹田家博物誌
人間の脳は、大脳が異様にでかい。生きていくのに必要な容量をはるかに越えています。どうみても進化論的におかしい。これは人間の脳だけが異常なのでしょうか? 養老孟司先生は「唯脳論」の中でこう言っています。 それ(人間が意識を獲得したこと)が人間を生み、この地上にとことんまではびこらせたというのは、一つの答えかもしれない。しかし、それを目的として脳が大きくなったというのは、どう考えてもおかしい。ほとん . . . 本文を読む

ストレスを利用する哺乳類

2010年03月04日 | 竹田家博物誌
一昨日の哺乳類の優劣に関連して。車同士でもこっちが優先道路を来てるのに、向こうが大きい車だと思わず反射的に譲ってしまうとか、信号機のない横断歩道でも、車が来てるとなんとなく横断するのをためらってしまう(これは「車は歩行者が横断するのを妨げてはならない」)という具合に、交通法規がなかなか守ってもらえないという現象があるわけですけど、これも動物的な本能のなせる技なのかなあと、思い出した次第です。 . . . 本文を読む

ストレスとコミュニケーション

2010年03月02日 | 竹田家博物誌
シロギスやハゼの餌に使うイソメは,針に付けようとして指でつまむとそれまで死んだように静かだったのが急にムニュムニュ身体をくねらせてうごめきます。これを気持ち悪いといって嫌がる人もいるのですが,まあ,確かに「えっ,こんなに元気だったの?」とびっくりさせられるということはありますねえ…。自分はどちらかというと気持ち悪い餌よりも臭い餌の方が苦手ですね。 さて,泥の中で生活しているゴカイ類は普段はおと . . . 本文を読む

脳の中のスイッチの説明

2010年03月01日 | 竹田家博物誌
昨日、一昨日の脳の中のスイッチですけど、そんなものがあるのかという人のための簡単な補足説明です。 睡眠、覚醒というモードが明瞭に分かれていることの説明は以下のイラスト(1)を見ていただければ分かると思います。電気のスイッチには必ずバネがあるように、気の利いた、さり気ない仕組みが睡眠と覚醒のシーソーを支えているのではないでしょうか。そうすれば“バネ”のおかげで、揺れ動いたり目覚める途中でコケたりし . . . 本文を読む