釣り人の間でようけ交わされる話の一つに、トラウト類は赤い色を好むというのがあり、やたらにネット上を騒がしておるようだが、是非にも考えてみねばならん問題である。しこうして…
というのは冗談ですけれども、これなどはタケダなどもいぶかしく思っていて、確かにルアーなど赤に変えた途端に飛びついてきたという経験もあるのですけど、むしろ散々嫌という程思い知らされた経験は、すれて来るとシルバーとホワイトしか反応 . . . 本文を読む
夜7時頃だったでしょうか。辺りはすっかり闇です。1匹のコウモリが、音もなく傍らを飛び去って行きました。
コウモリが飛び込んだ軒先を見ると、ただしーんと静まり返ったプレハブ小屋があるだけで、件のコウモリは、再びいずこかへ狩に出ていく様子はありません。
軒下に目を凝らしてみると、ちょうどコウモリが飛び込んだ辺りに、黒い塊が確かに見えます。ひとつこのコウモリがどんなコウモリなのか確かめてやろうと近づ . . . 本文を読む
前の記事の続きです。
学習システムが個体の内部において完成する、発達を完了するというのはどういうことなのでしょう。
それは日常の些細な行動、たとえば家具や電化製品を購入するとか、車で目的地に行くといったことにまで、「うまくやれたのか、それとも不成功に終わったのか」学習システムが逐一チェックを入れてくるということです。
水中の生物は陸上の生物に比べると原始的です。また「眼」を発達させた動物ほど . . . 本文を読む
人間が「アッ!」と思うことっていろいろあると思うんですけど、「アッ!」と思うことには実は共通点が一つあります。何でしょう。それは予測とのズレです。このズレをどこかに認めると、人間は「アッ!」と思うわけです。歳をとればとるほどそうなります。これは実に不思議なことです。
人間というのはいつでもどこでも何かしらのきっかけで「アッ!」と思うものです。テーブルから物を落とした時とか、道を間違えた時とか、大 . . . 本文を読む
パソコンで仕事をしすぎるとストレスを受けるとよく聞きます。実際に胃をやられたり、理由もなく会社に行けなくなったり、若くして突然死した人もいます。
それで、コンピューターから出ている電磁波が悪者扱いされるわけですけれども、電磁波はテレビからも(もちろん携帯電話からも)出ているわけでして、電気を使っている以上、逃れることは出来ないわけです。電化製品以外でも、ラジオのアナログ放送を聞いていると、スクータ . . . 本文を読む
このところなかなか釣りに行けません。で、先週やっと釣友とシーバスに行ったのですが、見事に玉砕しました。ポイントと潮回りを読むことの難しさを痛感します。あ~メッキの方が全然楽だなあ~。
というわけで、お約束の桿体と錐体の話をしますね。
以前、日本の「相撲」というスポーツが、「はっけよい」でスタートするのではない、ということを書きました。
まあ、これには異論もあるでしょうけど、基本的には、向かい . . . 本文を読む
先週に引き続き、かぜで休釣しました。
さて、ちょっと前に、魚や動物の脳の中に学習システムが備わっているということを書きました。
眼を持った生き物は「眼」と、それに付随する大掛かりな装置を維持するために、より質の高い餌を確保しなくてはならず、そのために、眼を持たない生き物に対して生態的優位を保つために、眼を積極的に活用した行動戦略を展開するでしょう。そしてそのため主として「予測」を取り入れて捕 . . . 本文を読む
ジャンクフードと聞いてすぐにピンと来た方もおられると思うんですけど、最近、食べるラー油の人気がすごいですね。一部の商品は現在でも品薄状態なんだとか。
ところで「ネイチャー」という雑誌に掲載(論文は3月29日)された記事によると、高カロリーのジャンクフードに依存性があることが科学的に確認されたのだそうです(日本語サイトは「ネイチャーアジア」)。まあ、自分の経験から身をもって分かっていたことです . . . 本文を読む
保健体育の授業で「人間は欲求に従って行動する」というふうに教えられてきました。まあ、言われてみれば確かにそうです。ネコなどの動物も、やっぱり食欲などの欲求に従って行動していることが分かります。だから人間は欲求に従って生きているのだと。
それはそうなのかもしれません。
けれども、よくよく考えてみるとそれはおかしいということが分かります。仮に自分の欲求のためには、他人を犠牲にしても構わないという極悪 . . . 本文を読む
潮干狩りは楽しいです。けれども何度か行くと飽きてしまいます。魚釣りの方は何度行っても、「また行こう」という気になります。この違いはなんなんでしょう? 考えてみれば不思議ですね。
アサリは逃げないので同じ場所に行けば同じように獲れますけれども、魚の場合は移動しているので今どこにいるのかを予測しなければなりません。こうしたことが関係しているのでしょうか?
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さて、眼を持った生物は脳がで . . . 本文を読む
ちょっと前に、柳田国男の本の中から、帰国した上山草人さんが東京人の眼が怖くなっていると語ったという逸話を紹介したわけですけれども、そこには何かヒントが隠されていないでしょうか? ちなみに上山草人さんが帰国したのは1929年(昭和4年)ですから、時代的には支那事変の少し前ということになります。
注意深く読んでみると、次のようなくだりが見つかります。
今まで友人ばかりの気の置けない生活をしていた者 . . . 本文を読む
釣り道具屋さんに行くと「サシ」と称して人工的に飼育したハエの幼虫を手に入れることができるんですけれども、こいつをもてあそんでいると、とても面白いことが分かります。
ハエの成虫は手を近付けると逃げてしまいますが、幼虫は逃げません。けれども光を嫌がることから幼虫にも眼があることは明らかです。幼虫は成虫に比べて眼や筋肉が発達していないのは当然ですけれども、一番の違いは神経系の違いだと思います。
カエ . . . 本文を読む
もうずいぶん昔から、「ストレスを溜めないように」ということが繰り返し言われて来ました。もし溜まってしまったら早めに解消しないと病気になる。「ストレス=悪」という図式です。
ですが、神経科学ふうに言えば「ストレス」は「代謝モードを切り替える要因(刺激)」ですから、ストレス自体は善いものでも悪いものでもないわけです。
ところが現代では、「ストレス」と「快・不快」を直接関連付けて考えることが当たり前に . . . 本文を読む
生物学的に「目的」について説明するという、ユニークな説が書かれていた先日の「唯脳論」ですけれども、その前節(242ページ)に次のような一節があります。
運動ないし行動には、始めから「間違い」が許されている。〔中略〕知覚系にも同じようなことがある。しかし、視覚とくに擬態について述べたように、感覚系が自身の判断を訂正するためには、異質の感覚(1)にしばしば頼らざるをえない。少なくとも感覚器の末端は . . . 本文を読む
「唯脳論」では、目的意識の発生について、視覚系と聴覚系、それに運動系を対比させて、以下のように説明しています(242ページ)。
「運動系は別である。間違った行動をして、餌をとり損なった動物なら、行動を訂正する必要がある。しかし、たとえば行動全体は間違っていても、筋肉は言われたとおり動いている。その点で筋肉を叱るわけにいかないとすれば、運動系はその都度の運動全体の適否の判断を、どこかに預けざるを得 . . . 本文を読む