先週の腹掛かり山女魚とのやりとりで破断してしまった真田紐…
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10年以上持ちましたか…
やはり柿渋で処理しておくと水濡れに対して格段に強くなるようです。
なんで腰に付ける活かし魚篭なんだ!重いじゃないか!水替えるのが面倒じゃないか!「ふぉっとっと」じゃダメなの?って声が聞こえてきそうですが、これが山女魚の食性と関係があるんです。
「虫盛り」といって水生昆虫のハッチや流下には特定のピークがあるんです。海釣りで言う「地合い」と同じようなものですね。
普段水生昆虫を食べている魚達は虫盛りになると一斉に捕食モードに入ります。これは、群れの中の数尾が捕食時の特有の動きをすると、周囲の魚がそれを察知し、中層、カケアガリ、浅場などの捕食しやすい場所に定位するわけです。
古来、餌釣りでもテンカラでもフライでも、はたまたドブ釣りでも、「虫盛り」を演出するためのテクニックが重要視されてきたわけで、それを可能にするための道具立て(これがなかなか奥が深い!)が珍重されてきたわけです。
(※私見:ビーズヘッドの毛鉤釣りは正反対の釣りのように思います。)
ところが、せっかく「虫盛り」を演出できたとしても、釣り人が大げさな動きをしたり、歩いたりすれば「捕食モード」はピタリと止んでしまいます。たとえバラしてなくても、足元の流れにリリースなどすればその後の食いに影響があるのは言わずもがな。
理想を言えば、餌づけ、振り込み、流し、取り込み、魚篭に移す、という一連の動きを直立不動のまま行うことです。概して、捕食モードに入るのは小さい個体ほど早く、大物ほど周囲の魚の動きを見てからスジに出てきます。実際、この釣り方では、小型が先に釣れ、大型は後から釣れて来る傾向にあります。
(しかも短い竿でも釣れる)
ですから、釣り人が無駄な動きをしなくて済む道具立てを使えば、なかなか捕食スイッチの入らない大物に出会える確率も高くなるということになります。あくまで、方法論の一つという意味ですが。
腰に付けるタイプの魚篭というのは、可能な限り釣り人の動きを最少化するアイテムなのであります。
ところが、このテの魚篭は通常竹やアケビの蔓で編んであり、当然のことながら魚篭に入れた魚は死んでしまいます。これではリリースすることができません。
そこで腰に付けられる活かし魚篭ということになるわけです…
まあ、こういう情報も本当は公開してはいけないのですが、近年のマナー向上で小型をリリースするのが当たり前になってきていますので、思い切って公開することにします。
(昔は「テンプラネタ」と称して10数センチの山女魚岩魚をこっそり持ち帰る人がすごく多かった。もちろん違反ですが)
また、山女魚岩魚を絞めるタイミングですが、帰る直前まで活かしておいて、クーラーに入れる際に一斉に絞めるのがベストなようです。
腹ワタも、焼くのに時間がかかりますが抜かないで塩焼きし、焼き上がってから出すやり方が、脂がよく回るので理想的な食べ方と思います…。
さて、新しい真田紐と柿渋を用意します。
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染める前に真田紐は水洗い・脱水しておきます(今回はマグちゃんを使いました)。
真田紐はバックル付きタイプ(銀座東作)。だいたい釣りしてる間半分程度の水を入れてることが多いんですが、バックルがあると多少重量があっても比較的軽い力で腰に付けることができます。しかも結ぶのと違って締める/緩めるが簡単。この、バックルの付いた真田紐なんて気の利いたアイテム、普通じゃ手に入らないと思います。長さもちょうどいいし。釣りの途中でズルズル緩んでくるようなトラブルもこれまで起きていません。
柿渋は現時点で東急ハンズやユザワヤには良いものがなく、やむなく通販で購入しました。
綿棒の容器でちょうどぴったりでした。
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(綿棒の入れ物、使い古しの釣り針とカッターの刃を捨てる時に使ってます。多少は危険防止になるかなぁ、と。昔はフィルムケースという便利な物があったのですが。綿棒ケースも中身が見えて良いです)
余った柿渋はこんなふうに空気を抜いて冷蔵庫で保管しておけば、しばらく使えます。
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以前使ったものよりかなり濃ゆい感じです。匂いもほとんど気になりませんでした。
軽く絞り、ピンと張った状態で陰干しします。必ず園芸用手袋をはめてください。
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また、滴り落ちる柿渋を受ける容器も必要です。
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干し上がった状態…
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デジカメの肌色補正が掛かっちゃってますが、実際にはもうちょっと黒ずんでいます。
霧吹きで湿らせてさらに2〜3日干せばさらに黒くなるんですが、今回はこのまま実戦投入とします。
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魚篭・腰当てへの真田紐の装着がかなり面倒そうに見えると思いますが、水を入れると目方が2〜3キロほどになりますので、移動の際の歩きやすさを考えるとだいたいこんな構造になると思います。身体の動きにある程度追従してくれるので腹に食い込むという心配もありません。腰当ては熱伝導を考えて桐で作ってあります。
活かし魚篭の過去記事はこちら。
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10年以上持ちましたか…
やはり柿渋で処理しておくと水濡れに対して格段に強くなるようです。
なんで腰に付ける活かし魚篭なんだ!重いじゃないか!水替えるのが面倒じゃないか!「ふぉっとっと」じゃダメなの?って声が聞こえてきそうですが、これが山女魚の食性と関係があるんです。
「虫盛り」といって水生昆虫のハッチや流下には特定のピークがあるんです。海釣りで言う「地合い」と同じようなものですね。
普段水生昆虫を食べている魚達は虫盛りになると一斉に捕食モードに入ります。これは、群れの中の数尾が捕食時の特有の動きをすると、周囲の魚がそれを察知し、中層、カケアガリ、浅場などの捕食しやすい場所に定位するわけです。
古来、餌釣りでもテンカラでもフライでも、はたまたドブ釣りでも、「虫盛り」を演出するためのテクニックが重要視されてきたわけで、それを可能にするための道具立て(これがなかなか奥が深い!)が珍重されてきたわけです。
(※私見:ビーズヘッドの毛鉤釣りは正反対の釣りのように思います。)
ところが、せっかく「虫盛り」を演出できたとしても、釣り人が大げさな動きをしたり、歩いたりすれば「捕食モード」はピタリと止んでしまいます。たとえバラしてなくても、足元の流れにリリースなどすればその後の食いに影響があるのは言わずもがな。
理想を言えば、餌づけ、振り込み、流し、取り込み、魚篭に移す、という一連の動きを直立不動のまま行うことです。概して、捕食モードに入るのは小さい個体ほど早く、大物ほど周囲の魚の動きを見てからスジに出てきます。実際、この釣り方では、小型が先に釣れ、大型は後から釣れて来る傾向にあります。
(しかも短い竿でも釣れる)
ですから、釣り人が無駄な動きをしなくて済む道具立てを使えば、なかなか捕食スイッチの入らない大物に出会える確率も高くなるということになります。あくまで、方法論の一つという意味ですが。
腰に付けるタイプの魚篭というのは、可能な限り釣り人の動きを最少化するアイテムなのであります。
ところが、このテの魚篭は通常竹やアケビの蔓で編んであり、当然のことながら魚篭に入れた魚は死んでしまいます。これではリリースすることができません。
そこで腰に付けられる活かし魚篭ということになるわけです…
まあ、こういう情報も本当は公開してはいけないのですが、近年のマナー向上で小型をリリースするのが当たり前になってきていますので、思い切って公開することにします。
(昔は「テンプラネタ」と称して10数センチの山女魚岩魚をこっそり持ち帰る人がすごく多かった。もちろん違反ですが)
また、山女魚岩魚を絞めるタイミングですが、帰る直前まで活かしておいて、クーラーに入れる際に一斉に絞めるのがベストなようです。
腹ワタも、焼くのに時間がかかりますが抜かないで塩焼きし、焼き上がってから出すやり方が、脂がよく回るので理想的な食べ方と思います…。
さて、新しい真田紐と柿渋を用意します。
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染める前に真田紐は水洗い・脱水しておきます(今回はマグちゃんを使いました)。
真田紐はバックル付きタイプ(銀座東作)。だいたい釣りしてる間半分程度の水を入れてることが多いんですが、バックルがあると多少重量があっても比較的軽い力で腰に付けることができます。しかも結ぶのと違って締める/緩めるが簡単。この、バックルの付いた真田紐なんて気の利いたアイテム、普通じゃ手に入らないと思います。長さもちょうどいいし。釣りの途中でズルズル緩んでくるようなトラブルもこれまで起きていません。
柿渋は現時点で東急ハンズやユザワヤには良いものがなく、やむなく通販で購入しました。
綿棒の容器でちょうどぴったりでした。
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(綿棒の入れ物、使い古しの釣り針とカッターの刃を捨てる時に使ってます。多少は危険防止になるかなぁ、と。昔はフィルムケースという便利な物があったのですが。綿棒ケースも中身が見えて良いです)
余った柿渋はこんなふうに空気を抜いて冷蔵庫で保管しておけば、しばらく使えます。
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以前使ったものよりかなり濃ゆい感じです。匂いもほとんど気になりませんでした。
軽く絞り、ピンと張った状態で陰干しします。必ず園芸用手袋をはめてください。
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また、滴り落ちる柿渋を受ける容器も必要です。
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干し上がった状態…
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デジカメの肌色補正が掛かっちゃってますが、実際にはもうちょっと黒ずんでいます。
霧吹きで湿らせてさらに2〜3日干せばさらに黒くなるんですが、今回はこのまま実戦投入とします。
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魚篭・腰当てへの真田紐の装着がかなり面倒そうに見えると思いますが、水を入れると目方が2〜3キロほどになりますので、移動の際の歩きやすさを考えるとだいたいこんな構造になると思います。身体の動きにある程度追従してくれるので腹に食い込むという心配もありません。腰当ては熱伝導を考えて桐で作ってあります。
活かし魚篭の過去記事はこちら。