カラオケ

　お客さんがカラオケを唄うのでカラオケの本をくれと言った。

　私 「カラオケの早見表か?最近のんは曲数が増えたから分厚なって…、はい、これ」
　客H「え～、0123…サカイ引越センター・・・。マスター、これ、電話帳やん」
　私 「すまんすまん。今、カラオケの本、作ってないらしいわ。デンモクしか無いわ」
　客H「ほんだら、デンモクおくれ～や」
　私 「はいはい、デンモクね。はい、これ」
　客H「1＋5＋2＝・・・。これ、デンモクと違(チゴ)て、デンタクやんか。こんなんで曲が入れへんがな」
　私 「すまんすまん、はい、これ」
　客H「これやがな。ほんだらコブクロの“蕾”唄うわ。マスター、マイクおくれ」
　私 「あー、そうやったなあ。マイク無かったら唄われへんなあ。はい、これ」
　客H「マスター、これ、トイレットペーパーの芯やん。こんなんで唄われへんやんか」
　私 「あぁ、すまん。形がよう似てたから間違(マリゴ)うたわ」
　客H「形は同じ円筒状やけど色が違うがな。マイクは黒っぽいのんに決まってるがな」
　私 「あぁ、そうやったなあ。え～っと黒いのん…。はい、これ」
　客H「マスター、なんぼ黒や言うてもコーラの瓶では唄われへんで。怒るで、こーら！」
　私 「こーら、すまんのう。あせってるから間違うわ」
　客H「マスターはあせってるのんと違(チゴ)て、遊んでんねんやろ」

　一句：カラオケで　歌手の気分に　ひたる客
　謎かけ：カラオケとかけて、マラソンの練習に付き合うと解く。どちらも(伴奏・伴走)します