NASA研究者も首ひねる「北極圏の氷に謎の穴3つ」正体わからず
北極海に浮かぶ海氷に、正体不明のアメーバのような穴が3つ空いているのが見つかり、米航空宇宙局(NASA)の北極海探査チームが「10年間の観測で初めて見た」と頭を悩ませている。
この画像は今月14日、カナダ北部から80キロ沖のボーフォート海上空で海氷を観測中のNASAの「アイス・ブリッジ」チームがとらえたもの。
アメーバみたいな不定形の渦巻きの中心に穴が空いたものが3つ並んでいる。上と中央の2つの穴の左側には、波の動きでできたと思われるしま模様が刻まれているが、なぜこの部分にだけあるのだろうか?
画像の右側にはずいぶんクネクネと折れ曲がったミミズ腫れのような線も見られるが、この現象は簡単に説明できる。プロジェクトチームの科学者ネイサン・クルツ氏によると、「フィンガーラフティング」といって、2つの氷の塊同士が衝突した際、結合部分がファスナーのように絡み合うと、この模様ができる。「finger rafting」とは両手の指を絡めたときに、左右どちらの指も上側になることを意味する言葉だ。
NASAはさまざまな専門家の意見を聞こうと、地球観測所のホームページに写真を公開。ダーツマス大学の地球海氷学者ドン・ペドロヴィッチ氏は「穴の周りの波模様から、氷はかなり薄く、柔らかいものだ」と指摘。
メリーランド大学の氷河学者クリス・シューマン氏は「カナダ沖では、陸地の山から流れる地下水や温泉が湧き出す可能性があるぞ」と夢のある回答を送ってきた。
また米軍寒冷地研究所のクリス・ポラシェンスキー氏からは、「タテゴトアザラシかワモンアザラシが呼吸するために顔を出した穴に似てるようだ」という意見も寄せられている。
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