ハワイ・キラウエア火山「水蒸気爆発 いつ起きても…」飛び散る溶岩 被害拡大
キラウエア火山の活発な活動が続くハワイ島では13日、新たに18番目の火孔ができているのが見つかった。レイラニ地区の北東に伸びる亀裂からは、溶岩が絶え間なく噴き上がる一方、火口の溶岩湖では、溶岩レベルが今も低下し続けている。米地質調査所(USGS)火山観測所は、「爆発的噴火がいつ発生してもおかしくない」として警戒を強めている。
キラウエア火山の北東に位置するハレカマヒナ地区を走る幹線道路132号線周辺では、数百メートルにわたって伸びる地面の亀裂から、溶岩の噴出が続いており、上空から見ると溶岩の進行方向に沿って、その部分だけが真っ黒な焼け野原が広がっている。
一方、ハレマウマウ火口の溶岩湖では、溶岩レベルが350メートル以上低下したことで、上部からは溶岩表面が見えなくなった。露出した火口壁から岩石がボロボロ崩れ落ちるたびに、衝撃で赤みがかった灰色の噴煙が立ち上り、大量の火山灰を飛散させている。
米国立公園局とハワイ郡民間防衛局は、キラウエア周辺への立ち入りを一切禁止している。ハワイ火山観測所(HVO)は24時間体制で観測を続けているが、火山学者ティナ・ニール氏は「溶岩が流出したことで、マグマの通り道に地下水が流れ込めば、膨張した蒸気で地下の圧力が高まり、いつ大規模な水蒸気爆発が起こってもおかしくない状況だ」と述べている。
キラウエア火山のハレマウマウ火口では、1924年5月にも大爆発が起こり、14トンの巨石が噴出して観光客が死亡している記録が残っている。