アトリエ ここるぴあ

和紙作家 佐治直子のブログです。キンカチョウのことりたちと、工房『アトリエここるぴあ』での出来事を綴ります。

大切な本をお届けに

2017年01月07日 | 作品について
半年前に書いた記事 大切な本を作るために

その後もこのブログで何度か書きましが、このお正月にやっと完成し、
昨日、オーダーをいただいた方へお届けに行ってきました。
今回は作品の撮影もしたかったので、たまたまお約束の日時を決める時に
ドゥ・セーヌ八事に来ていたワイヤーアート作家の水谷一子さんに、急遽、
撮影お願いします!と同伴していただき、2人で豊田市花園町の静楽舎まで。

今日の記事の写真は、すべて一子さんが撮影されたものです

オーダーしてしてくださった方にお渡しすると、とても喜んでくださって、
私も本当に安心しました

箱に入れると

後姿は


本は、楮の黒皮入りの楮紙をベンガラで着色したものを表紙に、
本文はすべてミツマタ紙で。今まで使っていらしたという文庫本の
小説と同じかなづかいと振り仮名をうって、文章の入力もしました。


綴じは紺色の製本用糸で麻の葉綴じに。
そして、初めて本の箱も作ってみました。箱の表は表紙と同じ
紙を使い、中は友禅紙を使いました。夜の雰囲気が出るように。
箱に本がぴったり入って、開閉がいい感じ出来た時は感動しました!
本のタイトルは十三夜の形をイメージして白い楮紙をちぎりました。

2月に『十三夜』の朗読会をされる予定だそうです。
朗読会では私のパネルの作品「満ちる少しまえ」も展示されます。
その作品も築230年の古民家・静楽舎の縁側で撮影しました。
この月もほぼ十三夜の形。


一子さんにたくさん撮影をしていただいた後、お昼をみんなでいただき、
ゆっくり楽しいお話をして、とてもいい時間を過ごすことができました。

その会話の中で、私が作ったその本を誰かが褒めてくださった時、
私は嬉しいのはもちろんですが、ご注文くださった方が私よりも
嬉しそうに微笑んでいらっしゃるのを見て、感動を覚えました。
自分では全力を尽くして作ったかわいいかわいい作品ですが、
それを私以上に愛でてくださることは、この上なく嬉しいことです。

本当にありがとうございました
コメント
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