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いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

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詰んだか?厚労省

2005年06月05日 00時34分06秒 | 社会保障問題
どうやら、「詰み」となってしまったようです、厚生労働省。ほりえもん風に言えば、「もうどうやったって詰んでるんだから」。笑えます。少し気の毒な気もするが。本省の官僚諸君の、流した汗も、費やした時間も、全て徒労に終わりました(爆)。今までのツケが回ったのかな。やくざな年金行政、監修費、裏金、データ流用、社保庁問題、公益法人問題・・・色々やり過ぎたのさ(今まで色々書いてきましたから、過去の記事を読んでみて下さい)。いまどきは、カッコよくカタカナ語が多いから、「チェックメイト」とでも言ってみるか(笑)。今頃失意の週末を過ごしていることだろう。


昨年の年金改革の為に、自民党と公明党の年金改革案を受けて、膨大な資料作成の労務を授けられ、どうにかこうにか形にした。所々、矛盾を多く含みながらのプランではあったが。変数にしていた「出生率」(特殊出生率かもしれんが)とか、おバカな為に頭が回らなかった想定外の「未納率」(入ってこない保険料を「獲らぬ狸の皮算用」で算入した)とか、そういう無謀なプランでしたけれども。どうして誰もおかしいと思わなかったのかねえ。そして何より「国庫負担の2分の1引き上げの財源」の見通しも根拠もないまま、「政治決着」にほのかに期待を賭けて5年の「執行猶予」期間で(2年以内に解答を出すということだったよな?)何とかすることにしたが、未だに何の見通しも出ていない。当たり前。既に誰も去年の年金改革案を信じているはずがないのだ。

そんなプランを作る為に、厚労官僚諸君は夜も眠らず、ひたすら資料を作ったのさ。
選挙に間に合わせるために。
あの厚生委員会で繰り広げられた強行採決の暴挙の為に。
滑稽だろ?それも、もうすぐゴミ箱行きだ。
公明党の無能大臣に、踏み潰されたのさ、厚生労働省は。ペシャンコに。
政権与党の選挙戦略の為に振り回され、無能大臣の言いなりで下らん仕事を増やされたのだよ、霞ヶ関の諸君。

いい思いをした訳でもなく、何の得もしていないのに、厳しい状況に追い込まれた入省数年の若手は可哀想ではあるが。時間ばかり拘束されて、仕事は最低評価。これじゃ、惨めだろう。


ロイター

竹中担当相によると、会議では、「中長期的には身の丈にあったものにしていかなければならない」ことについても確認した。ただ、具体的な管理手法については、民間議員らが、名目GDPの伸びに高齢化要因を加味した高齢化修正GDPを提案しているが結論は出なかった。
これに対して、尾辻厚生労働相は、(1)医療制度の特殊性への配慮、(2)実現のための具体的な方策も議論する必要がある、と主張。「年末までに結論を出したい」と述べ、竹中担当相によると、具体的な管理手法も含めさらに議論することとなった。


Yahoo!ニュース - ロイター - 社会保障給付の伸び、経済成長に見合う程度に抑制すべき=財政審

「社会保障給付の伸びを経済成長に見合う程度に抑制していくべき」とし、こうした改革は、「2006年度から着手し、できる限り前倒しして進めていく必要がある」と記した。来年度予算でも、自然増を放置せず、「医療など個別制度の改革を進めていく必要がある」と訴えた。




挙句に、経済財政諮問会議で槍玉に挙げられた社会保障費については、民間議員達から出されたベンチマーク管理手法を突きつけられ、その対案を尾辻大臣から「厚生労働省独自のベンチマーク」を見つけ出すように厳命されただろうが(あくまで推測です)、未だに見つけられない。しかも、医療関係費(医療+介護)抑制策のプランを考えるのに、とりあえず何とか介護保険法改正にこぎつけた。しかし、医療費の方はいいアイディアが出なくて、とりあえず提出資料を必死に作ったが、会議ではまともに取り上げてもらえず、紙の無駄になってしまった(笑)。


財務省の政策圧力組織(建議を出す諮問機関なんだろうけど)となっている、財政審からも総額管理と言われてしまった。これで相当包囲網は狭まり、自民党内の旧厚生族たちも今ひとつ頼りなく(ドン・橋本があのような状況であり、旧橋本派の影響力の低落ぶりは・・・言うに及ばず。昔から共に旨い汁を吸ってきた仲なのだが)、与謝野さんの発言(NIKKEI NET:主要ニュース)があって更に包囲網は狭まりました。よって、八方塞がり、詰みだな(笑)。打開策は見出せないだろう、厚労官僚諸君には。だって、まともな行政・政策を考えたりしてこなかったからさ。過去のツケが一気に回ってきて、取立て屋に追われる心境だろうな。この切羽詰まった状況で、どうするのか。一縷の望みは、議論の余地が平ちゃん預かりとされていることだけだな。

参考記事:
困らせちゃったかな・・・奥田さん
遂にキャップ・・・と勝手に「クール・ビズ」ベスト選出


単なる政策立案という視点ではもう無理だな。議員さん達の年金改革議論が進展すれば、道も開けるかもしれないが、現行法制度の中だけでの社会保障費管理では、諮問会議の出した「高齢化修正GDP」の壁は高く、これを超えられる指標は出せないでしょうね。前から何度も言っているように、社会保障費の一体的見直しをしない限り状況は厳しいだろう。そんな窮状もおかまいなく、自民も民主も郵政にばかり目が行っていて、誰も年金改革議論を進めようとしてはくれないからね。まあ、これも「バチが当たった」のだろう。過去の行いの悪さが災いしたんだろうね。



若手医師の労働問題

2005年06月03日 18時23分46秒 | 社会保障問題
これは難しい問題である。本格的に労働者という扱いになれば、当然の如く社会保険関係や賃金問題、時間外労働の問題など、様々な問題が出てくる。しかも、病院側にこうした若手医師を雇っておける財政的余裕などなく、また、戦力にさえなりもしない医師を大量に抱える意味などない。人材育成は、人材流出のない特定の病院以外には無理だし、意味がないだろう。何処の世界に、金を払ってまで「仕事のできない人間」にわざわざ教育をしてくれるシステムがあるというのだろうか?

Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 研修医は労働者、最高裁が初認定…賃金請求訴訟


こうした過労死などの問題で、研修医にも一定の給与を支払うという目的で、国が給与を支給することになった(確か2年間だと思う。記事にある「研修医」とは厳密には異なるはずです。記事にある「研修医」とは病院内での身分というか呼び名であろうと思います。これが「レジデント」とか別な呼び名でもいいということです)。しかし、現実にはたった2年程度で戦力の「あたま数」に数えられるほど、現場は甘くない。せいぜい当直のローテーションに組み込める、という程度であり、一人前の仕事など到底出来ない。

参考記事:
医療制度改革5
医療制度改革7


この参考記事にあるような料理人で言えば、ようやく野菜の皮むきが出来るようになった程度の腕前しかない料理人に、懐石料理を作らせられる訳がないのである。しかし、国の政策・制度というのは、「免許を交付している以上、全員同じレベルで仕事が出来るはずであり、その通りやってくれ」ということなのです。ならば、今後は官僚諸氏の手術等は全件、医師免許取得後2年以上3年未満の人達にやってもらえば?そういう制度なんでしょ?法的にはやっていいし、何も問題ないでしょ?免許持ってるし、研修も終了しているから、いいんでしょ?笑えるね。もしも、そう言われたら自分ならどうするの?私なら、きちんと実績のある人にやって欲しい、って言うけどね。まあ毎度のことながら、厚労省官僚諸君は、自分がイヤだ、って思うことを国民には押し付けるのが得意なのかな。それか、本気で自分達はやってもらっていいと思っているか、だね(笑)。


若手医師だって人間だから、安月給で長時間働くのがいいとは思えないけれど、雇用関係が今まで以上に厳密に契約するということになれば、人件費の圧迫要因から、医療機関側が無駄な人員を置けなくなることは間違いない。労働条件の契約書みたいなものを発行したりしなけりゃならないんじゃないのかな?国で定める研修医期間終了とともに、雇用契約の締結が必要ですね。一人当たりで今までの3倍くらい経費が増加するなら、人数を3分の1に減らすしかないよね。そうなると、若手医師を育てようという場所が少なくなる。教育やトレーニングが必要な若手は、どこの会社でもあるように色々な雑用もあるのかもしれないが、そんなものをいくらやったところで診療収益には貢献度が低く、自分の人件費分を賄えるほどの稼ぎにはならないだろう。病院というシステムは、何人でやろうとも同じ売上で、有能な人が自分1人でやっても、教育の為に若手に教えながらやっても、稼ぎは全く一緒なんですから。誰がそんな足手まといにしかならない若手に教育する?おまけに金まで多く払わなければならないなら、敬遠されるに決まっている。


研修医療機関とそれ以外で反応は変わると思う。研修医療機関は大雑把に言って、大学病院とか特定機能病院などの基幹病院で、これらの病院では、正規の病院スタッフとして研修終了直後の医師は雇えず、大半が身分のない見学生とか研究生のような学生扱いとなってしまうであろう。当然、病院の医師数にはカウントされず、保険医登録もされないから診療行為を行うのは保険外のみ、ということになり、保険診療は行わせることが出来ない(保険医登録をせずに保険診療行為を行うことは原則無理だと思いますが、公式見解ではないので分りません)。つまり、いつまでたっても出来るようにはならない。国からの給与保障を受けた研修期間終了とともに、行き場のない医師が氾濫する。


研修機関ではない病院では、ある程度の経験・実績のある医師以外は雇用しない。見学生くらいなら在籍可能かもしれないが、やっぱり正規の病院スタッフではない。こういう病院では、特に教育しなければならない、という義務もなければメリットもないからである。一部民間病院では、若いうちから雇用して自前で教育・研修を行い、育てる所もあるのかもしれないが、それはごく限られた一部であろう。『白い巨塔』に見られたように、大学や教授の人事権は未だに大きいと思う。いくら大学だって、まるっきり何も出来ない人材を外に供給し続けることは出来ないだろう。大学の中である程度は教育・トレーニングをしてもらわないと、回された病院がえらく迷惑だと思うけどね。


こうして、国が定める研修期間を終了した若手医師は、身分がなくなり、研鑽・実績を積める場所がなくなる。よく過疎地などの無医村とか医者の少ない地域に行けばよい、って言う人がいるけれど、むしろそうした自分以外に頼れる人がいない、という場所ほど、優秀で自分だけでかなりの解決ができる、万能タイプの実力派医師でないと、全く意味がない。臨床経験なしの医師ならば、しょっちゅう「私には出来ない」「やったことない」「知らない」「専門外」などと何でも断られる結果になる。ただいるだけ。「カゼ」くらいなら、診られるかも。「あ~、カゼですね」って。それか、そこの場所が実地訓練の場所となってしまうか、ですね。


かつては給料もそれほど貰えず、労働時間の定めなどもなく、労働契約もないような世界であり、徒弟制度の最たるものであったと思う。何日間も病院に泊まりこんだり、長時間労働を厭わず、患者のため、そして自分のため、などと思って研鑽を積み重ねてきた医師達がいて、教育システムも機能していた。しかし、予想されたとはいえ、正規の雇用契約に基づく身分保障ということになれば、従来の医療経済の中に「研鑽・教育コスト」を取り入れる必要性が出てくるのであり、そういう戦力外の医師を雇用しておけるような医療費構造に変えないと、収益よりも教育コストが大きすぎて教育を避けるようになる。

こういう面を行政上の政策で、適正な方向へ誘導するのが行政の役割なのではないのか?使いものになるまで育ててくれる場所って何処にあるの?そんな業界はあるのですか?人件費は価格に添加されているのが普通だろうが、医療は価格を勝手に決められないだろう?もし、本格的に実績のない医師ばかり増えれば、ますます医療訴訟を恐れて「出来ません」「やりません」ばかりが増えるぞ。そんな医療行政でいいのか?国民はそれで安心して医療を受けられるのか?


「研鑽・教育コスト」を単純に医療現場に転嫁しても無理があると思うよ。大学だって昔みたいな余裕がないし。国立大学も独立行政法人化によって、経済原理だけはうるさくなっただろうしね。医療制度改革を行う以外にないと思う。


社会保障再構築

2005年04月15日 21時17分58秒 | 社会保障問題
先日の経済財政諮問会議の進捗度評価で、見事「落第」の栄誉に輝いた社会保障改革。とりあえず設置された衆参合同会議はスタートした。ここまで来るのに、えらく回り道したが、いよいよ本格議論へのテーブルは出来上がった。各党の年金改革の主張も提示され、何となく捉える形が見えて来たかもしれない。


あり方会議では、平ちゃんと谷垣君に攻められっ放しの尾辻さんが、「成長分野と考えることも出来る」と主張する気持ちはよく分りましたよ。私も以前の記事にそう書いたんですから。国家財政上の話で考えるとキャップ制とか歳出総額コントロールという方法は、もっともな意見でしょう。事実経済財政諮問会議の民間議員4名から、総額規制の話が出されていましたから、経済的視点からはそうなるのが普通かと思います。しかし、これは私は賛同できないし、尾辻さんが反対するのは当然だと思います。


年金部分が固定されているため、変動部分は医療関係費(医療+介護)となり、この給付コントロールはかなり難しいでしょう。財源が尽きてしまえば、「これ以上払えないので、医療機関か患者負担として下さい」ということを永続的にやっていくことになります。しかも、患者負担が現在3割ですが、将来予測値のカバーということになれば5割負担ということも起こってしまいます。これは、国民負担を一方的に増やすだけの、無責任行政ですね。「予算はこれだけ、あとの足りない分は自分達でなんとかしろ」という放置政策です。いくら何でもこれは出来ないと思います。


合同会議の方に話を戻しましょう。進行は記事のようなものであったようです。
Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 衆参合同会議 一元化、財源で対立 年金改革の実質協議開始

会議のイントロはこれくらいにして、次に進んだ方が宜しいかと思います。現状で、自己主張を続け、他党の方法をいくら批判しあっても、解決方法は見えてきません。今後は、そういった自党の主張はぐっと飲み込んで、現行制度の問題点をピックアップしていった方がよろしいかと思います。それぞれの方法をいくら見比べてみても、具体的に何が不足しており、何を優先して解決するべきか、といった事柄は出てきませんよ。それと、社会保障全体の中で考えるべきで、年金だけを見ると失敗しますよ。


1人の人間の人生の中で、どのような行政サポートが必要か、というような考えでもありますね。はっきり言えば、金持ちは年金が少なかろうが貰えなくなろうが関係ありませんね。また医療費が高くても困ることはありません。資産も沢山あるわけですし。そういう高額所得層については、社会的還元を役割として頂くとして、もっと低所得層の人がどういった生活となるのかに、思いを巡らせて欲しいと思います。例えば、何とか大学まで行かせてもらったが、正社員の道がなく、フリーターになってしまい、その人が35歳までフリーターで、その後正社員として60歳定年まで働き、その後ビル清掃の仕事に5年従事して、年金生活となる。この人はどういう行政サービスのサポートを受けてこられたか、その後どういう生活が待っているか、ということですね。

参考記事:
実態を考えない幹事長達
医療費の罠

訂正 4/16 19時ころ
参考記事に違うのが入ってましたが、直しました。最近gooの投稿は変に表示されたり、異常に時間がかかったり、画面表示が遅かったりと、トラブルが多いです。アクセスが混雑していて開けない時も多々あります。間違えた言い訳になってしまいますが、申し訳ありませんでした。


実態を考えない幹事長達

2005年03月28日 22時03分39秒 | 社会保障問題
ようやく社会保障改革についての協議が始まりかけたのに、とりあえず集まってみた幹事長連中はまともな会議や検討の仕方も知らないようです。これが本当に国会議員の集まりでしょうか?間抜けだ。政党の代表者なのに、重要な課題をどのように処理していったらよいか、道筋を考えることも出来ないとは。真に嘆かわしいですね。「党利党略」は捨て去って下さい。今のレベルでは何も決められないな。

次のような報道がありました。
NIKKEI NET:政治ニュース


公明党冬柴幹事長 「今、本当に全部やらないといけないのか。遠い先の目標だ」

こいつは日本の将来を潰す気か?日本の10年後でさえ相当のピンチだというのに、何を暢気なことを言っているのだ。こういう議員が、今まで問題を先送りして、適正な政策や対処をせずに過してきた。昨年の「百年安心年金」が全くダメなことを批判されるに及び、意固地になって「公明党の考えた年金改革は正しいんだ」って具合に主張しているとしか思えませんが。冬柴君は、10年後の財政予測を考えていないのですか?遠い先でもなんでもないだろうが。無知は罪である。こいつは改革の抵抗勢力のA級戦犯かもしれん。


自民党武部幹事長 「納税者番号制の導入に国民の合意が得られるのか」

何の為の国会議員なんですか!何のための政権与党です?国民に真実を伝え、その対処について最も有効と思われる方策を提示するのが義務でしょうよ。そのための政治力でしょ。何言ってるんですか。確かに国民には「痛い」かもしれないが、国は「火の車」なんですから。皆で何とかしなくちゃいけない。その為に理解を求める最大限の努力をするべきでしょう?政治生命を懸けてもやる覚悟が必要でしょう?それくらいの大きな課題なんですってば。


共産党市田書記局長 「負担を高い方に、給付を低い方に合わせるような一元化には反対だ」

最大の大ボケだな。負担を低い方に、給付を高い方に合わせたら、明日にも破産だろう。よく考えてから言え(産経新聞風、笑)。もしも、防衛費を全部カットとかいう現実的ではない財源論なら、聞く必要なし。真剣にそういうことを言いそうなので、イヤなんですが。どこのどういう財源をどの位制限すると社会保障財源が捻出できるか、ベースを考えてから言え。そうでなければ、ただ「自民党や民主党は、社会保障を犠牲にして、自衛隊の海外派遣や米軍にお金を注ぎ込み国民から搾取している」とかの思想的反対論だけになってしまいますから。共産党は「社会保障や福祉を充実します」みたいな公約ばっかりで、机上の空論は誰でも言えますから。


社民党又市幹事長 「まず制度間格差を埋める努力をすべきだ」

国民年金と被用者年金の格差は永遠に埋まんないんですよ、馬鹿モンが!年金制度の根本的違いが全然理解出来ていない。国民年金の不足財源は、他の被用者年金の保険料から基礎年金に拠出されている、って何遍も言ってるでしょうが。制度間格差が最も少ないのが「一元化」だろうが。格差ゼロだろ?本当に考えて発言しているのか?格差を埋めるって、何をどうするの?保険金額?公経済負担?基礎年金拠出分?何を変えるの?何処をどう変えたら、制度間格差は縮小しますか?端的に言ってみて。国民年金も給与天引きにするとか?(爆)そんな無謀なことを考えているんじゃないだろうな。もっともらしく発言するなよ。解決には程遠いご意見ですね。議員失格のため、議員年金没収、って言いたいとこだけど、無理ですから、もっとまともな意見を披露して下さいよ。自前の職員の人員整理で、手一杯なんでは?不当解雇とか言われるくらいなら、君達の秘書として雇ってあげたら?雇用問題が先決かもしれん。


民主党川端幹事長 「ほかの年金を先に統合したら、国民年金は永久に放置される」

いいこと言うね。その通りだ。年金改革に関しては最もまともな意見だと思う。経済財政諮問会議議員で経団連会長でもある奥田氏は、「基礎年金の財源は税方式」には賛成している。唯一の頼りが民主党だけ、ってのも冴えない政界だね。他はやくざな(役に立たないという意味です)政党とか議員さん達ばっかりなのかな・・・?国民としてはかなり心配。民主党内でも、小沢・鳩山連合軍?(小鳩と呼ぼう)が怪しげな動き、発言をしているからね。小鳩チームは少し黙ってた方がいいよ。「コバト」はいつまでたっても鷹にはなれないからね。執行部に矛先向ける前に、政権与党を締め上げろよ。そういうところが、前から期待ハズレなんだよね。物事をなすには当然「異体同心」でなければできませんよ。ましてや、政権を獲るというなら、「甲子園初出場初優勝」なみの勢いとチームワークが必須ですから。そういう戦い方を考えるべきですね。それが出来ないと永遠に与党の「失策待ち」で、万年準備政党で終わるかもね。店なら潰れるぞ、いつ行っても「準備中」だったら。


会議での普通の取り組み方を考えてみますから、よく聞いてくださいね。

まず、現状の問題点を全てピックアップしていきます。そのためには、現行制度を続けた場合の、将来予測を見てみます。これは財務省と厚生労働省が作成しており、かなりの確度で信頼できる資料であると思います。参考までに、どこだったか民間の経済研究所みたいなところ(野村総研だったかな?そんなようなところ)で作成した資料と、経済団体など(医師会も)が作成している資料などを併せて活用してもよいでしょう。おバカな議員さん達は、国のバランスシートとかよく判らないはずですから(私もそうですが、一般国民も同じです。議員さん達が十分理解できる説明を受けて下さい。自分達がよく判らなかったり、疑問に思うところが多ければ、国民にうまく説明できません)、そういうレクチャーを受けて下さい。国会議員全員でなくともよろしいです。少なくとも党幹部は全員の方がいいでしょう。それを各党員にレクチャーして下さいね。

社会保障費以外の歳出については、増加を成長率以下に抑えるか若しくは厳しい削減計画で年1~2%カットで10年過すとかの計画でもいいでしょう(10年後には1割以上の歳出カットが達成できます)。まあ、大勢に影響はないでしょうけど。それほど社会保障給付は伸びるということですよ。ここまでで、各議員・政党の共通認識が出来上がると思います。資料も同じですから。ここまでは、文句も何もないですから。方法論も関係ない。あるとしても、他の歳出制限をどの程度に設定するか、とか、経済成長率予測とか、人件費伸び率とかの変動要因をどの程度に設定するか、くらいの違いでしょう。これも、大勢に影響ないくらい微々たる問題でしょう。ですから、数字の「根拠が曖昧だ」とか因縁つけるのは止めて下さい。それ以上に社会保障費の伸びの方が圧倒的に大きいですから。大体2050年くらいまでの10年単位ごとに数字の推移が頭に入れば、それがどういう意味か理解できるでしょう。

こうして、全員一様な認識が出来たら、そこから問題点を見つけます。例えば、「少子高齢化」「総人口減少」「若年者の未納率」「未納回収率と回収コスト(千円回収に必要なコストとかですね)」「フリーターやパートの未加入部分」「管理・運営コストの無駄」「運営主体の人件費率」「公務員共済の追加費用」「受給権資格」「生活保護と社会保障給付」「自治体独自の医療給付制度」「介護保険給付と年金」「恩給制度」「各年代の金融資産残高」「各年代の平均生涯賃金」・・・等々思いつく限り出してもらいます。これを仮に3段階くらいに分類して、優先順位をつけます。絶対に解決が急務・解決が必要・解決が望ましい、くらいでもいいです。これによって、当面”絶対に解決が急務”の事項について考えることにします。それが出来たら、次のランク、最後に各論的に残りのランクについての検討をすることにします。

この検討の時に、年金ばかりに目が向くと、本体である社会保障全体の収支バランスを忘れてしまいますから、注意して下さい。全体の負担と給付のバランスについて考えることが必要です。

例で考えてみましょう。「少子高齢化」は解決不可能なことです。既に確定していますね。ここから出てくる問題が、「医療・年金保険料納入者の減少」「受給権者の増加」「高齢人口比率増加による医療費増大」という風に色々出てきますから。解決策としては、今挙げた順に、「支払い者を増加させる(これには、保険料徴収対象を増やすか間接税等の税方式とするか)」「受給年齢を上げる(しかしいずれ追いつかれるだろう)、受給権者見直し(配偶者のみに限定)」「高齢者医療費の自己負担を増やす、高齢者から医療保険料の一部を徴収する、高齢者医療費の高額医療費基準を変える」・・・という具合に出していきます。これによって、最も適していると思われる解決方法が少し見えてくるでしょう。方法として適していれば、おそらく多くの事項についてクリアできる解決方法として挙がってくるでしょう。

これをやって、その方法を導入した時のバランスシートの概算を出していきます。これで社会保障全体がカバーされる見通しが立てば、その方法は選択可能となりますね。こうした作業を積み重ねていくしかないと思います。当然、取りうる方法がいくつかあれば、どちらの方が望ましいか検討することになりますから、そこでは政治的判断も必要になってくるでしょう。また国民側からその過程を見ていて、世論形成がなされるかもしれません。もし導入するのがベストだという判断になれば、納税者番号とか社会保障番号について、国民に理解を求めたり丁寧に説明したりすることも所属政党に関係なく行っていく必要があるでしょう。そういう意味での政党を超えた議論が必要になってくるのです。反対だからということで、一方的に非難してばかりではダメです。「この方法で」という選択を各政党自らが行うことが必要です。他政党の選んだ方法にただ反対して「俺は反対だから協力しない」というような姿勢であったり、多数決で否決されたからといって、国民に向かって「絶対に~~を許してはいけない。断固反対」という姿勢もご法度です。この両院会議には日本の未来がかかっているのですから。

特に共産・社民は、例えば「消費税には絶対反対」とか無謀な意見で対抗するのはいいですが、それに変わる財源案を必ず示して下さいね。主張するのは、消費税を0%、医療費自己負担を一律1割、とかでもいいですよ。それとも全国民一律に国民年金保険料で国家公務員共済の退職年金と同様の給付達成でもいいですよ、市田さん、実現できるならば。そういう討議・議論の場であるということを、各政党は自覚して下さい。もし、これが否決されて仮に消費税20%と決められたとしても、共産党も社民党もこの議論の意味を考えて、「日本の将来を救うにはこの税率が必要です」って説得して回るんですよ、お願いしますね。これが出来ないなら、最初から参加するべきではない。学校で遠足に行くのに、海がいいですか、山がいいですか、ということで、クラス会で海に決めたら、「俺は反対したから海には行かない」というおかしな奴と一緒だぞ。ましてや「絶対に海に行くのを阻止せよ。海への遠足、断固反対」とかも異常だろう?


国民が一致協力すれば、きっと厳しい環境であっても乗り切れるはずです。よき解決策が見出せると思います。かつての戦後復興からは何も学ばなかったのですか?まさに焦土と化した中から、日本は復活したではありませんか。当時の苦しさや無残な状況から見れば、今の生活水準や今後の展望など天国のように”甘い”でしょうよ。私は実際に見た訳ではありませんが、「生きるのが精一杯」「日々食べるに困る」というような厳しさの中から、全てを作り上げてきた先人達が存在したことを思えば、今後の多少の我慢など比べものにはならないでしょう。ただ、それを国民に求める以上、議員さんや行政側にもそれ相応の覚悟をして取り組んでもらいます。


協議にならない協議機関ほどやくざなものはないからね。こんなこと、言われんでも考えりゃわかるだろうに、幹事長諸君。


401kの「投資教育」は誰の仕事?

2005年03月24日 22時10分26秒 | 社会保障問題
官僚の考えることは、本当によくわかりません。頭がいいのに、どうしてこういう制度を思いつくのでしょう。厚生労働省は、他にやるべき業務はないのかね?これは、東京などの大都市圏に存在する一部上場の大企業だけを中心に考えた制度ですか?まあ、余裕がある大企業ならできるかもしれませんが、日本全国の大多数の中小企業の福利厚生は何倍もの補助を貰う公務員とか大企業並みということはありませんから、事業主が従業員に「投資教育」などできるような環境にないでしょうね、多分。

Yahoo!ニュース - 時事通信 - 加入後も投資教育継続を=401kで事業主向け指針-厚労省

厚生労働省は24日、加入者が自ら運用先を指示する確定拠出年金(日本版401k)で、事業主が従業員を対象に実施する投資教育の指針を作成した。指針は特に、加入後の継続的な投資教育の重要性を強調。「(加入者が)運用を経験しているため、実践的、効果的な知識の習得が期待できる」として、事業主が計画的な実施に努めるよう求めている。 





日本版401kは導入されましたが、今ひとつなんでしょうね。でもね、何でも事業主に役割を押し付けるのは無理があると思うけどね。私は公的年金と確定拠出型個人年金(概ね401kと似たような制度で、というように書いてしまいました)を推奨していますから、その点で考えると、関係があるのです。結論的には、事業主に「投資教育」を計画的実施させることは反対です。事業主は「年金」や「投資」のアドバイスができるような人材とは限らないだろう。従業員個人の投資判断とか運用成績に影響するのに、雇用主が従業員に「投資教育」するのって、ある意味「コワイ」。私がその立場だったら、勘弁してくれ、と思うだろうな。どこかの証券会社とか保険会社とかの人に詳しく教えてもらえば、って思うけど。本来、専門家が教育するんじゃないの?


まず今の日本できちんとした長期運用に耐えうる評価を得られる運用会社が少ないだろうし、ファンドマネージャーにしても当てにできる人なんて殆どいないだろう。従業員への「投資教育」も必要かもしれないが、やるべき順序としては運用会社の充実とか運用担当者への厳しい教育・育成とかファンドの成績・結果重視の制度だろう。無知な投資家にでさえ年金原資として、確実に運用してあげられなければ殆どがまともな成績なんて残せないだろう。そういう運用会社をまず育てるような努力を業界に求めるのが先決ですね。厚生年金運用基金の連中を見ろよ。役人のボケかすどもが大穴あけちゃって、大損しているでしょ。そういう連中に教育しなかったくせに、今後は従業員に計画的投資教育なんて、笑わせるな。ちんけな中小企業では、あれこれ手が回らないだろう。この制度を考えた奴は、労務管理とか福利厚生とか多くがきちんと整った制度を持つ大企業の話しか聞いてないだろう。官僚の考えることなんて、所詮こんなレベル。


「投資」は、官僚が得意でしょ。先日も経産省で有名になった投資家がいたでしょ?逮捕されちゃったけれど。他にも注目を集めた某ファンドの方も、そこのOBでしょ?官僚は結構投資好きが多いんだね。まあ、「経済」を背負っているらしいから、投資が得意でも不思議はないけどね。厚労省に乗り込んで、「何バカな政策を作っているんだ!」って教えてやれよ。「下らねー制度を作るな」って怒ってやれば?こういう一つひとつが怪しいんだよね、厚労省は。


また、何かの組織でも結成しようとしてるんじゃないだろうね?日本版401k対応の「研修・教育機関」として「~~協会」とか「○○センター」とかを作ろうって魂胆なんじゃないの?そこで、各企業に「投資教育計画」を策定させる(もっともらしいけどね、出来レースなんだろうよ。多分基準をクリアできるのは官庁と仲良しの企業だけさ)。計画が公益法人に認められたら、計画策定費として補助金を給付するのと、教育研修を受ける従業員に1人あたりいくらか補助金を出す。そうして、この元締めになる公益法人には、国庫から補助金を入れてるのと、天下りポストを抱えてるって、いつものお決まり通り。もっともらしく作る動機はあるんだけど、何か怪しい。何度も書くけど、従業員への「投資教育」なんて大きなお世話なんだよ。自己責任が基本だろう。教育を受けるなら、金融とか証券とか保険とかそういうところの専門家にしてもらえ。今時そんな情報はどこでも手に入れられるし、通常の生活をしていても向こうから(そういった投資商品の勧誘など)やってくるだろう。なんでそんなご時世に、「投資教育」を厚生労働省がそれほど頑張るんだ?元来他の省庁の仕事だろう?やっぱりかなり怪しいな。変だよ、こんなに「投資教育」にこだわるなんて。裏があるような気がするが・・・・・・。

薄汚い企みだけは、一丁前だからな、官僚は。信用できん・・・


基礎年金高騰へバク進中

2005年03月22日 13時14分30秒 | 社会保障問題
原油じゃないんだから!バカで間抜けでのろまな(『スチュワーデス物語』で流行したセリフみたい)厚○労○省のお役人が考えるレベルというのは、この程度ってこと?でもね、入る時にはみんな難しい試験に合格したんだよね・・・本当なの?それとも、ここは掃き溜めみたいな所で、「ショムニ」のような人が送り込まれる所なの?そんな奴らがあちこちに天下りしたり、公益法人の役員になったり、裏金溜め込んだりして国民の金を掠め取るのか?

以下に記事を。

NIKKEI NET:経済ニュース

すべての年金受給者が受け取る基礎年金を賄うために必要な額が、2004年度と05年度は1人当たり月1万5000円強に達していることが厚生労働省の調べで明らかになった。自営業者や学生が加入する国民年金の保険料(月1万3300円)を2000円近く上回る。国民年金の未納の増加なども影響しており、厚生年金に加入する会社員への負担のしわ寄せに拍車がかかっている。




結論から言えば、調べるまでもなく予想通りだろう(年金議論の呪縛)。データがある方が信憑性が高く、多くの人が信じてくれるから望ましいけどね。だいたい調べる時期が遅すぎ。それに、昨年の年金改革案を立案する時の、考えるべき対策とか予想される収支の検討が甘すぎだ。ポイントが外れているんですよ、厚労省官僚諸君。入ってこないお金を当てにして、計画を立案しているということだ。官僚に金を預けるというのも、本当に困りものだ。経済学とか色々難しい勉強を沢山してきたんだろうよ。その頭を使えばすぐに判りそうなもんだがな。

一体誰が考えたか、公表してほしいものだな。どこの課の誰と誰が考えました、法案作成するときにも誰も気にせず、チェックもせず、そんな計画に基づいて、何十兆円という大金が絡んだ年金制度を作ってしまいました、ってね。だが、官僚達はたぶんこう答えるだろう。「自分達は悪くない。法律を決めたのは国会議員だ。その議員を選んだのは、国民だ」と。確かにそうですね。統治のシステムとしては、法的にそうなっている。本当に、これは危険だ。「~に刃物」とか言うが(差別的表現に該当するのでピーです)、「官僚に金と法」だな(これは差別的表現として、訴えられる可能性がある?)。


年金事業団の惨状も酷かったが、何をやらせてもまともに出来ない連中が、行政の中枢にいるのを何とかしてほしい。省庁は国民側にきちんと説明することくらいは守ってほしい。ずっと待っているが、省庁からは返事が来ない。おまけに、今まで官僚が間違えたり、正しく業務を行わなかったことがあっても、絶対に自ら認めようとはしない。変えようという姿勢もない。何なんだ、この組織は。トップ(総理とか大臣とか)が変わっても、霞ヶ関の組織体質は全然変わらない。考え方も職業倫理も変わらない。綱紀粛正も永遠に達成されない。自ら変わろうという気が全くない。


社長が変わっても、社員がダメならば、その会社は永遠にダメということだな。経営権の問題ではない、ということだ。残るは完全な組織解体と、新たに組織編制するくらいしかないのかな。いい加減に目を覚まして、まともな組織を作ってくれ。


年金議論の呪縛

2005年03月14日 21時31分15秒 | 社会保障問題
今回の記事の調子は、産経新聞の社説なみに厳しくいってみます。

「まず年金から」――これは実施段階では、そりゃそうでしょ、という話だ。自民党も民主党も全然分ってないな。何遍も言っているように、「年金改革」の制度論のみに囚われていてもダメですから。やるべきことは「社会保障の一体改革」ですから。これは、いきなり年金制度から見た、「税制のあり方」とか「徴収方法」とか「技術論」とかを考えるのではない、ということです。考え方の根本的な部分から改めるべきだ。

与謝野さん曰く、「厚生年金と共済年金は一元化し易い」と。そんなこと、当たり前。ド素人が考えても気付きますから。制度的に最も似てるんだし。小泉さんと一緒じゃねーか。岡田さんや仙石さんもね、「消費税は3%以上、いや、5%以上だな」っていう話、順序が違いますから。そうじゃないんだってば。いきなり、数字とかに入ってしまっても、しょうがないんですよ。それぞれの思惑で各論突入、最初から詳細比較じゃダメなんですよ。国民はそこに入っていけないでしょうが。もっとね、本で言えば「目次」とか「大見出し」くらいから始めろよ。そこが理解されてはじめて消費税論議とかでしょ。初めから「上げなけりゃ」って言ったらね、誰だって反対したくなるよ、ホント。頭使ってくれよな。


まずね、普通の人がどう考えるか、その道筋を思い浮かべてみて欲しい。ごく普通の国民、まあ有権者の1人でいいですから。自分の(或いは我が家の)社会保険料(負担)がトータルでどの位かかるのか?でしょ。それと将来、得になるかどうか?でしょ。共働きは、税金もいっぱい払って、尚且つ保険料でも騙されて多くとられ、ってね、女性は怒るよ。働く女性が不利な制度はおかしい、って大声で言ってるでしょう。こんな制度では、女性の就業や出産が不利。今時の人はね、そういう発想だと思うけど。それに、国民年金の保険料支払い拒否はね、「全然当てにならない、得にならない」と考えるから、絶対に払おうとしないんですよ。そんなの当然でしょ。


未払いが多い若年層では、おそらく「どうせ今払っても、将来それより少なくしかもらえねーんだってよ」とか、「真面目に払っている奴がバカを見るんだよ」とか、そういう感覚があるのでは?勿論収入が少ないから、払えないという場合もあるでしょうが、優先順位が違うんですよ。携帯電話の料金は必ず払うけど(電話を止められるから)、保険料はパス出来る。彼らは「携帯がないと生きていけない」などという、私(もっと年長者の方々もそうでしょう)とは全く異なる感覚を持っているんですよ、きっと。そういう若年層は結構存在すると思う。まずね、そういう人達の基礎年金分も将来必要だってことを考えていますか?生活保護にするにしても、保険料を納めてこなかった人々を、将来その他の国民が「養わなければ」ならないんですよ。その時点で、保険料の何分の一かは、他人に回す為に失われる。おまけに、滞納を回収する為に莫大な費用をつぎ込んで、「払った人のお金」が「払わない人」の為に、何十億か失われているんですよ。これらを放置しますか?この不公平をどうやって是正しますか?


社会保障制度の行き詰まりの最大の原因は、少子高齢化と総人口減少社会です。これが、将来長きに渡り続くんですよ。これも、どのように考えるかですね。年金と医療・介護(両者を併せて医療関係費と呼ぶことにしています)の総額が、どのくらいの規模で必要か考えりゃ分るでしょうが。医療保険だけ考えてみても(診療報酬・人件費の伸びや経済成長率が全てゼロであっても)、総額が大きくなりすぎて財源がないんですよ。医療関係費は、自己負担を4~5割とか、老人医療費も同様の自己負担とか、保険料率が20%くらいになるとか、そういう「大ナタ」が必要になるでしょうよ。大増税時代の到来だな。今のありさまで、単に増税は受け入れられんだろう。


その時に保険料方式だと、若年者の負担割合が増大する一方だから、余計に「払わねーよ」という人の割合が増えるでしょう。だって、今の水準でさえ払えない人が、もっと値上げした時に払えるわけがないんですよ。年金は今後保険料上がっていくけど、料率が上がれば上がるほど、未払い分が大きくなるんですよ?それに健康保険も、ってこれは無理だろ。


今国民年金は40%くらい未払い者がいて、これがこの先ずっと一定だとしましょう。今の保険料は13300円、今後16900円まで上がります。この差が、3600円ですから同じ未納率であっても不足額は約27%増加します。
分り易く100%完納で133億円集められるとしましょう。でも未納分を引くと、133億円×6割=79.8億円で、不足分は53.2億円です。最大まで上がった時は、169億円集まるはずですが、未納4割ですから不足分は67.6億円です。今と同じ保険料水準なら、50%以上(67.6/133=0.51くらい)もの未納が発生することになるのですよ。こんなに増加してしまうんですよ、特別なことをしなくとも。分っているのかね、この意味が。この不足分は、他から拠出金を増やす以外ないんですよ!もし、保険料が最大まで上がっていったら、もっと払わなくなる人が出てくるかもしれないんですよ!去年から騒いでいて、あれ程未納問題が社会的に騒がれたのに、大きく改善しないでしょうが。これはね、根本的なシステムを変えるしかない、ということなんですってば。これも理解できんかね?議員さんは。徴収システムの大きな欠陥なの!サラリーマンの払った保険料は、未納穴埋めに吸い取られるんですよ?いいんですか、全国のサラリーマン諸君!


今は未納の人々も、将来は医療費はかかるし、たとえ年金受給しなくても生活保護にしなけりゃならない。野垂れ死にさせられないでしょう?医療も年金も保険料を払わなかったのに、社会保障給付はしなければならないんですから。現実を考えてみろよ。今の生活保護費の伸び率はどうですか?千億円単位で増加するでしょ?もう2兆円規模でしょ。今後も増大する可能性が大きいだろう。だって、一生フリーターとかニート暮らしの人かもしれないんだよ。そういう税金も保険料もほとんど払わない人達を社会が養うんだよ?何十万人か下手すりゃ百万人以上になるかもしれないんですよ?


でもね、保険料方式ではなく、間接税方式なら、お金を使えばその分負担が発生する。例えば、ニートな人(仮にAさんとしよう)が働かずに親に養ってもらっていたとしても、ネット接続したりすればその料金に税金がかかる、ゲームたくさん購入したら税がかかる、食費がAさんの分だけ増えれば税がかかる、Aさんが携帯持って使えば税がかかる、・・・つまりAさんの分だけ少しは増えて税金として入ってくる。将来生活保護で養う結果になったとしても、Aさんの分として幾らかは負担されていて、それまでに国にお金が入っている。でもね、保険料方式だと、全然入らない。まるまま、Aさんを誰かが養うことになってしまう。本当に出来るの?何十万人かの所得税も保険料もほとんど払わなかった人を養えるの?


また、高齢層は若年層よりも消費意欲は旺盛で、所有する金融資産も段違いだ(当たり前だけど)。勿論苦しい世帯もあるに決っているが、あくまで比較の問題だから、若年層の苦しい割合よりも高齢層で苦しい割合の方が少ないだろう。これは、どういうことか。貧乏が多い人口層が、より金持ちの多い人口層を養うという「世代間扶養」になっている、ということだ。これは、社会的に見て適正か?これから退職していく人達と、今から就職して行く人達の賃金総額比較でもいいようにも思う。団塊世代は、高校や大学を卒業して直ぐに就職でき、高度成長時代には順調に昇給し、晩年はリストラにあったり能力給で昇給がストップもしくは減給された人もいるかもしれない。だが、その世代で見ると、まずまずの給料と退職金を持って退職し、第二の人生を歩める人が相当いるだろう。一方、今学校を卒業した若者は、正社員になれない人の割合がかなり多いから、給料が安いか就職さえ出来ない人達が、リストラされた団塊世代の人より圧倒的に多いだろう。世代間の給与総額比較では、間違いなく団塊世代が有利だろうと想像がつく。同じ20歳とか25歳の時の一人当たりの給料は今の方が安い(価値として)ということだ。そういう貧乏世代が、お金をたくさん持って辞めていった世代を養わなければならない、ということになる。


こういう不公平を是正するためには、間接税で緩和するしかないでしょう、と私は思っているのです。


単純に「一元化」って、お題目みたいに言ってもダメなんですってば。世代間扶養の矛盾(資産・生涯賃金不均衡)、徴収制度の無駄や欠陥、少子高齢化+人口減少社会への対応、運営コストの大きな無駄(社保庁が象徴的、組合・共済などの無駄とか)、これらをどのように解決していくべきか、というところから考えないと、今の制度で単に合体とかの発想では全然ダメだ。まず、問題の解決に繋がる方策や考え方というのを組み立てて、国民にだいたい「公平」で「やる気」や「勤労意欲」に繋がる説明をしてからでなければ、国民理解は得られんだろう。そういうシステムを考えなけりゃ、昨年の馬鹿げた「百年安心の年金改革」みたいなものしか出来上がらんだろうが。


一年も経たないうちに、百年後が既に見通せないでしょう?もうダメになっちゃってる、って最初からおかしいんだよ、厚生労働省も政府与党も。考えた人達は、何処を見て、何を考えたのよ?手当ての思いつかない国庫負担2分の1は、どこから引っ張るおつもりで?どうせ増税ぐらいしか頭になかったんだろうよ。厚労官僚ならさ、頭いいからどうすりゃいいか分るんでしょ?三悪の一つとまで言われてるらしいからね。霞ヶ関の「悪の枢軸」かよ(笑)。それとも「ならずもの省庁」か?まあ、犯罪の温床だからね、なんたって。
もともと自民党は今年度と言ったくせに、クソ官僚どもはとりあえず来年度以降と決めたんだろうが、17年度の上乗せはたった1.1%だ。来年度予算案には相当乗っけられるんだろうな。絶対に乗せろよ。増税して乗せるのは、ド素人でも出来るぞ、バカ野郎。まさか、出来もしないのに法律作ったりはしないだろう?新たな法案が出来るまでは、今の法律が生きているんだからね。


まず、出て行くところを厳しく絞りましょう、無駄をなくしましょう、次に公平負担をどう考えましょうか、それが達成されるにはどのような税制が必要でしょう、税収を年金・医療関係費にどう配分しましょうか、財源に合った給付はどういう制度にしましょうか、という枠組みを説明してみろ、っての。いきなり数字並べるんじゃない!統合の技術論でもない。個人間の格差をどう緩衝するか、地道な努力に報いる制度にするにはどうするか、将来像の見える制度はどんなのか、ということが最初に必要でしょ。今のままだとね、将来不安が大きすぎて、将来設計が成り立たないの。計算ができないの。そういうことが分ってないから、数字や技術論が先行するんだよ。払わなくてもいいや、っていうのは「約束」がないからなんだろう(未納議員はもっといい加減な理由かもしれんが)。1万円渡したのに、何に使ってるか分らないで消えちまって、自分の金じゃなくなってしまい、最後にゃ8千円位になって返ってくるかもしれない、と思えば、普通1万円を渡さないだろうが。今の年金制度はそういうシステムだってことだよ。影でこっそり、役人どもや利権集団が、ピンハネしてんだからさ。


社会保障改革こそ、「そもそも論」で丁寧に説明しろよ。普通、年金制度の違いとか、税制の意味とか分りにくいんだから。郵政のことなんかより、こっちの方こそ、「そもそも」何故一元化か、「そもそも」何故税制改革が必要か、「そもそも」何故番号制(納税者番号は片手落ち、社会保障番号の方がよっぽど必要)か、そいうことの議論の過程を明らかにして、国民に示すべきだろう。


厚生労働省の取立て?

2005年03月11日 14時07分24秒 | 社会保障問題
雇用保険関係について読売新聞が精力的に記事にしている。今日の朝刊の記事もその流れである。
YOMIURI ON-LINE より一部抜粋します。



雇用保険、71億円不正受給…返還・回収進まず

雇用保険は、保険料を労使双方が支払う「失業等給付」と、企業だけが負担する「雇用保険3事業」に分かれる。3事業では、失業の未然防止などを目的とした助成金事業を02年度は46種類、03年度は35種類実施したが、厚労省などの調べでは、このうち26種類の事業で不正受給があり、02年度が約20億1000万円、03年度が約7億円に上った。中でも、新規事業に進出して従業員を雇った中小企業を助成する「中小企業雇用創出人材確保助成金」を巡る不正受給が突出して多く、2年度分を合わせて計約17億5000万円と、全体の約65%を占めていた。

この助成金は「緊急雇用開発プログラム」として、1999年に導入された直後から、審査の甘さを突いた虚偽申請が相次ぎ、各地で不正受給が表面化した。大阪府警が04年1月に、暴力団組長ら6人を逮捕した一連の事件では、1人の暴力団組員が2つの事業所の従業員と経営者を装って、一人二役で申請を繰り返すなどの手口で、助成金と失業等給付で計2億円以上を詐取したとされる。

不正に受給された助成金の返還・回収業務は、厚労省のほか、独立行政法人「雇用・能力開発機構」など、厚労省から補助金を受けている団体が行っているが、回収できたのは昨年3月現在で、02年度分が約10億円、03年度分が約3億7000万円。この2年間の不正受給額の半分にすぎず、残りの13億円余りについても、順次回収を進めているが、焦げ付いているものもある。一方、不正受給は、失業等給付でも相変わらず多く、02年度が23億9000万円、03年度が20億5000万円に上っていた。

 ◆雇用保険3事業=失業手当などを支給する「失業等給付」とは別に、民間企業が支払う雇用保険料などで実施されている事業。「雇用安定」「能力開発」「雇用福祉」を目的に、企業向けの各種助成金支給などを行っている。多額の補助金などを受けて事業を行う公益法人には、多くの厚生労働省OBが天下りしている。




雇用保険の不正受給については以前に少し触れた(法と正義 4新社会保障の重要因子2)ことがあります。当然の結果ですね、これは。お役所仕事、そして天下り先の公益法人はまともな業務がきちんとできていない、ということでしょう。元来給付決定の仕組みや審査に「大穴」が開いていて、職員達は「自分の腹が痛まない」ので、それを問題だとも感じることなく、単純に本庁からの補助金交付金額の規模とかだけを考えているんだろう。業務というのは、常に効率よくするにはどうしたらよいか、もっとうまく出来る方法はないか、確実性を上げるにはどうしたらよいか、とか、色々な工夫や改善を意識しながらするものである。ところが、おバカなお役所仕事というのは、大甘であるばかりか向上心が少なく、漫然と業務を行っているのである。こういう体質はやはり改めるべきであるし、なぜ不正が発生するのか、とかその対策はどうしたらよいか、といった視点が全く欠けているのである。問題解決指向がない、というべきであろう。


業務評価が不適切、且つ、評価に基づくフィードバックが全然ない、ということが大きく影響しているであろう。この何十億円かは、有効に使われることもなく、国民へ還元されることもなく、単に闇に消えてしまったのである。こんなおかしな話はあるまい。こうした体制、組織体質を改善しない限り、よくなることはないだろう。元々不正の温床なのだから、厚労省は本格的に改善策を策定するべきである。このままいけば、厚労省そのものの「解体論」が出ても不思議ではないでしょう(折角一緒に統合されたのにね)。より巨悪に成長したなどということは、絶対に許しませんよ。


厚労省の迷走―権勢確保の年金庁?

2005年03月08日 22時53分27秒 | 社会保障問題
社会保険庁は、有識者会議から解体を言い渡され、自民党内でも解体論が浮上していました。独立行政法人等の別組織を作り運営することも考慮したようですが、新たに「年金庁」を作る構想のようで、「国家公務員が管理を行う」ことと「国家の信頼が必要」ということが大きな理由ということです。尾辻大臣がそう述べていたそうな。本当かよ?と思うような理由を挙げていますね。


本音で申しますと、私は年金保険料を払いたくはありません。だって、本当に貰えるかどうかわからないし、払った額よりも少ないかもしれないですからね。年金に「国家の信頼」なんて、とうの昔に消えていますよ。信頼があると未だに思う感覚が異常だ。おまけに「国家公務員が管理を行う」ことの方が、民間保険会社との契約よりはるかに信用ならないですね。今までの経験では、保険料を大幅に目減りさせてしまったり、自分達の浪費に回されたり、おかしな事業運営資金に回されたりと、最も信頼できないですね。自分の腹が痛まなければ、損しようが庶民が困ろうが関係ないような考えで業務に従事する国家公務員どもになど、大切なお金を預けたくないです。民間の契約なら、契約に基づく保護がありますから。でも国には文句の言いようがない。文句を言っても弁償もしないし、責任もとらないし、正しく説明や回答もしない。そういう連中に何故大切な金を渡さねばならないのだ?保険料未払い者の気持ちが少し理解できるよ、ホント。だって払いたくないもん。税金だって同じようなものだ。


社会保険庁がただ「年金庁」てのれんを変えただけだろ。省庁再編や特殊法人再編の時の手法と同じだよ。どうせ、こそこそ汚い事を考えているに決っている。そういう連中ばかりが、考えるからだろうな。それ以外の人材がない、というのもあまりに悲しいけれど。公益法人のからくりを読売新聞にガツンと叩かれたので、似たような手法が使えなくなったんだろう?本当は、ごっそり天下りポストを確保して、公務員じゃなく民間人に変身したふりをして、よろしく経営でもしようかと算段していたんだろうよ。だが、別法人のポストを多数確保すると、また嗅ぎつけられ「相当叩かれる」と予想されたので、思い直して「年金庁」構想ぶち上げときた。「国家公務員じゃなくっちゃあ」って、それが一番危ないんだろ。


たとえ官僚が普通に改革しようと考えていたとしても、何だか信じられないね、あなた方のやることは。本当に厳密な第三者の監査とかを受けてもらって、報告を見てからじゃないと正しいことを考えてるかどうかはわからんね。それ程、信用が全くない、ってこと。これをよく理解しておいて欲しいですね。自分達の所業を思い起こせばわかるでしょ?不正の温床だから、君達の所は。恐らく全省庁で1、2を争うだろうね。今度ね、歴代逮捕者ランキングを出してみてよ。不正とか横領とか収賄とかで逮捕されたお役人が最も多かった省庁は、どこでしょう?って具合に。逮捕じゃなくても発覚した不正ランキングでもいいですよ。



医療制度改革7

2005年03月04日 20時43分04秒 | 社会保障問題
昨日の医道審議会の決定を受けて、「時間がかかり過ぎる」「監督官庁である厚生省の対応が遅い」などの批判が出ています。処分を受けた医師達への批判は当然として、制度の問題もありそうです。25年後の行政処分では遅きに失したと言えましょう。

以前医療過誤について記事に書きましたが、医療過誤を防ぐには教育が一番大切です。ミスとはどのようにして起こってしまうか、どのようなことに気を付けなければならないか、起こしてしまったらどのように対処すべきか、最終処理はどうするのか、といったことを、事例を通じて知ることが先決です。どのような職種でも、概ね共通する部分と、各専門分野ごとに知っておかねばならないこと、などの違いはあるかもしれませんが、「ミス」や「事故」というものの性質や成り立ちを理解するだけでも十分意味があると思います。


話はちょっとずれますが、料理の世界は医療の世界に少し似ているように思います。聞いた話でしかないので、正確とは言えないかもしれませんが。でも、個人的にはそういう印象を受けました。

料理人でも、きちんとした教育を受けた者と、そうでない者がいます。通常は、独自に頑張ってみてもなかなか難しく、やはり一流所で修行して技術を磨かなければ、客を呼べる料理人にはなれません。中には人の何倍も努力して、独自の技術や料理法などを作り上げている人もいるかもしれません(ラーメン屋さんとかにはそういう未経験者でも成功されている人もテレビなどで紹介されたりしますが)。ですが、そういう人は、センスもよく、勉強熱心で、相当の努力家でしょうし、滅多にいないでしょう。普通は、どこかのお店に勤めて修行していくのではないでしょうか。ある種の徒弟制度のようなものですね。

皿洗いから始まり、次に下ごしらえをさせてもらい、段階を踏んで仕事を覚えていくのでしょう。実際に料理を作ったりできるようになるまでには、相当の年数を経なければならないとも聞きます。しかしながら、それ程の年数を修行しなくとも、割と早くに作らせてもらえる場合もあります。一流の店では無理ですが、それよりも格式が落ちて、求められているものが違えば、十分やっていけるからでしょう。一流の店の出身者達は、基本から厳しく叩き込まれるため、ベースがしっかりと作られています。そのベースが通常よりもはるかに高いレベルにあれば、その後独立したり別な店で働いても大きな失敗は少ないように思います。ところが、ベースがしっかりと出来ていなければ、見かけ上同じように料理を作っているように見えますが、出来上がったものが全然違うということになります。経験年数が20年であっても、きちんとした料理が作れない料理人というのがたくさんいるのです。少し昔、貧乏な潰れかけの店の建て直しをする番組がありましたが、そこに出てきた料理人に共通していたのは、基本が全く出来ていない料理人で考え方の根本から間違えているような人が殆どでした。基本がダメな人は、経験年数が何年になろうが無関係にダメなのです。


医療もこれと似ていると思います。若い時に、相当厳しく基本から叩き込まれている人は、その後どのような技術を身につけようとも間違いが少ない。ところが、ベース部分がきちんと作られていなくて、でも先へ進む(例えば手術の執刀医になるとか)ことができてしまったりすると、その後に「試行錯誤」を実際の患者で行ってしまったり、「ちょっとうまくいかなかった」り、「いい加減な結果」であったりするのです。これは、若い時代の厳しい修行以外成功の道はないようです。


医療過誤についても、これと似た現象が見られます。昨年の腹腔鏡手術後の死亡例もそうですね。「やったことがない」という手術は、必ずどのような医師でもあるでしょう。しかし、それを行うにはそれが可能な体制や準備が不可欠です。そういうことに思い至らないというのは、医学を学んでいるかどうかではなくて、基本的な考え方が備わっているかどうかでしかありません。事前に考えれば、素人でも判断がつくようなレベルなのですね。ですから、経験年数が10年あろうが20年あろうが、きちんとしたベースを作り上げる教育を受けていなければ、いつまでたってもダメなのです。不幸にも、若かりしころの過し方に問題があったとしか思えませんね。


このような医師に本当に必要なことは、刑事罰ではなく、教育です。更生プログラムのようなものに基づいて再教育を受けることが大切ではないかと思うのです。ミスをした医師に診てもらいたくないという方もいるでしょう。私もそうです。しかし、医療の本質的な部分は、「失敗を意図しなくとも」不幸な結果となることも有り得るのです。フジテレビの『白い巨塔』が面白くて、ずっと観ていましたが、そこに登場する「財前教授」や「里見先生」のような場合にも(観てない方は分らないかも)、少なからず「ミス」が存在しているということです。ドラマですから、事実とは一致しないかもしれませんが、どれ程腕が立つとか患者想いであるとか優れた医師としての素養を持っていても、判断が完璧ということは有り得ないのです。生体への判断が難しいとか、予見できないことが存在する、ということであろうと思います。自分の判断の適否について治療結果を考えると悩み苦しむ医師がきっと存在するでしょう。ですから、ミスが出にくいような体制、ミスをしないような教育、ミスの報告と再教育が望ましいと思うのです。行政処分は、当然厳しいものも必要でしょうが、必ず刑事罰を与えるというのも、過酷な気がします。それほど医療にだけ絶対を求めるのは難しい面があるのではないか、と思うのです。


一元化の常識

2005年03月03日 21時37分04秒 | 社会保障問題
一元化する理由とは何か、よく考えてみるべきだ。個別の収受システムは効率が悪いし、未納者が多い仕組みにも問題がある。回収率アップに使われる費用の無駄も多い。また各組合や共済などの組織が別個に存在することにより、同様なポストや高給取りポストなどを生み出していることも、保険料の無駄になっている。いってみれば、社長ポストがごまんとある、ということで、これが一元化されればコストの安いポストが相対的に多くなり、社長ポストは相当減らせる。


しかしながら、一元化について、国民年金は別じゃないか、というご意見が出ている。小泉さんもそう言っている。今までの制度に立脚した改革でなければならない、というご意見でもあった。これは、所得の追跡が出来ていないから、と。これが所謂常識なのだろう。本気でそう思うなら、一元化は完全に止めるべきだな。永遠に別個に運営したらよい。昨年の年金改革で十分という意見なら、このまま続けるべきだ。厚生労働省は、今のシステムで百年安心ということのようですから、今のまま続けて下さい。公務員共済もこのまま運営したらいいよ。厚生大臣経験者の小泉さんですから、もう少し視野が広いかと思っていましたが、やはり現政権では抜本改革は望めないということでしょうか。


国家公務員共済組合連合会(以下、国家公務員共済)は、前から述べているように国庫からの追加費用が5千億円以上つぎ込まれている。通常の雇用主負担分や公経済負担以外に、だ。とんでもない額が年金の名でばら撒かれている。組合員一人当たり、50万円以上だ。おかしいだろ?何で、公務員のやつらだけこんなにもらえるか?法律で決っているからなんだと。ほうー、だったらその法律どおり続ければいいんだよ、君達だけで。破綻するまで続けろ。自分達が法律で決めたんだろう?国会で決めたとかぬかすなよ、条文作ってるのは官僚だろう?こんな、ちんけな法律をさ、国民に知らせたりしないだろう?こっそり都合よくやってきたんだから、これからもやっていけよ。そういうシステムで。だったら、完全破綻まで、その法律通りやれよ。官僚諸君、君達の考えてきた制度は、こんなレベルということだ。今さら、仲間に入れて、などとほざくなよ。


国家公務員達の不都合を、何故他の年金支払い者が背負わなければならないのだ?地方公務員共済とも統合せずに(地方公務員共済も同じような構造で、いずれ負担が大きくなるだろう)、自分達の中だけで運営したらよい。だいたい、保険料が5千億円ちょっと、雇用主負担がこれより少し多く、何で追加費用がこれよりも更に多いのだ?一番多いのが追加費用、そんなおかしな制度をよく作るな。途中でおかしいと思わないのか?思うなら、改革すべきだろ。おかしいと思わないならば、このまま運営していればよい。勿論、雇用主負担以上の公費負担は増やさないからね。


改革論議の前進

2005年03月01日 12時55分46秒 | 社会保障問題
今まで社会保障改革の提言(過去の記事(カテゴリー:社会保障問題)を読んでみてください、一部参照記事を入れておきます。社会保障改革への道1社会保障改革への道2医療制度改革4)を続けてきましたが、いよいよ前進する兆しが見え始めました。政府与党は民主党の要求している年金一元化の先行討議の受け入れを示唆したようです。民主党も変な意地を張らずに、「誰の為の議論か」を考えるならば、譲歩する姿勢を見せてよいと思う。


前から述べているが、社会保障の抜本改革は制度設計もさることながら、税制改革との関連もあるため、枠組みの段階が非常に重要となってくる。その検討材料としては、厚生労働省や財務省が作成している現状の基礎的データや将来推計・見通しなども重要な意味がある。これらをよく検討した上で、「総論」としての大枠を作らねばならない。まず、全体像を国民に示すことだ。目に見えない「将来の不安」を払拭し、意識の中にある「破綻懸念」とか「失望」を取り除くことが最も重要だ。しかし、これが非常に困難な作業なのである。何故なら、各制度の積み上げを行いながらも、財政面の裏付けを確認し、税制モデルも作り、国庫の収支予測も作成し、ということになるので、省庁はもとより民間の研究機関などによる「総力戦」が必要になるかもしれない。それくらいの意気込みでやらなければ、到底社会保障改革は進んでいかないだろう。


枠組みが出来上がれば、(議員さんたちの得意用語である)”ロードマップ”を作成し、あとは個別制度の細部について詰めていくことが可能である。現在、最も早く取り掛かれる年金については、他の改革に先行して行う方がよい。これは民主党の意見と同じだ。今後10年間での年金受給者は、相当の伸び率で増加していくことと、金額的規模で見た国家財政への影響が最大だからである。それ故少しでも早く先行して改革に取り掛からなければ、財政圧迫要因を軽減できない。


同時に、国民の覚悟も必要である。不満が出る部分は必ずあるということを念頭に置くべきである。自分にとって都合のよい、百点満点の制度はできっこない。多くが賛成しても、一部には不満が出ることはある。その時に、最大公約数的な妥協点を見出せるように考えておくべきである。また、国民自らも意識改革に取り組むべきである。何でも行政が解決してくれる、というのは、有り得ない時代なのである。地方自治体も人員削減や給与水準の引き下げに取り組まなければ、破綻する可能性だってある。今までのように、行政のお金を当てにはできないことを認識すべきである。地域社会に貢献するシステムを、自分達で作り上げるように工夫するしかない。例えば、町立図書館の職員の半数を、町民ボランティアにするだけでかなりの人件費が浮かせられる。そういうシステムを自分達で作っていく心構えが必要、ということだ。家庭の節約と同じで、小さな一つひとつを積み重ねていくしかない。これには行政も国民も一緒になって皆で知恵を絞り、改善努力を重ね、創意工夫するしかないのだ。地域社会には、そこに合った仕組みがきっと出来てくるはずで、自分が参加者であることを自覚し、そういう地域作りを目指すならば、地方の財政危機を乗り切れるかもしれない。


人事院勧告では、国家公務員の給与の一律引き下げを検討しているようであるが、これも時間があれば個別に検討するべき問題であろう。何故なら、殆どの真面目な職員達はそれ程の高給取りばかりとも言えないであろうし、重要な政策や決定に携わる人が薄給でもよいとも思わないからである。ある程度の重要ポストについては、加給制度を設けるとか何かの工夫も必要であろう。まあ、公用車まで必要とも思えない人達も存在するのは確かなのであるが。国会職員給与が国会議員よりも高いというのも変だし、国会図書館職員の高給ぶりも槍玉に挙がっているようで、職種とか業務内容による金額のバランスも大切ですね。一律カットは、頑張っても空しくなるので、少し可哀想だな、特に末端が。必要な部門に人員不足で深夜まで残業が続き、その一方で不必要な補助金事業とか天下り先への資金供給とかで無駄に食い尽くされているのだ。ごく少数の人の利益を得る為に、残りの職員達は一律カットに見舞われるというのは理不尽だな。そういう「おかしい現状」に気付くなら、もっと内部から改革を進められるはずなのだが。


天下った先で回収しようとするから、無駄に消えるお金が増えるんじゃないか。10億円の補助金出して、その一部分、仮に1億円が人件費として使われたとしても、実質的に自分達の首を絞めることになる。無駄な補助金をカットして10億円を残し、ダイレクトに自分達に3~4億円貰えば、国庫金を6~7億円浮かせられる上に、自分達が3~4倍多く貰えるという、簡単な算数なのである。これに気付かないバカ官僚達が多すぎなのだ。


結局財政が苦しくなれば、「一律カット」で自分達に跳ね返ってくる。こういうことを長年に渡り、あちこちで続けてきたから、今さら直ぐに止められないかもしれないが。自業自得だな。でも、いつの時代も、多くの真面目な末端の職員が迷惑を被るのだ。

医療費の罠

2005年02月16日 12時11分15秒 | 社会保障問題
厚生労働省は、以前政府管掌健康保険の都道府県単位の再編を発表していたが、今度は国民健康保険の都道府県別保険料導入を打ち出してきた。YONIURI ON-LINE (2/16)より以下に一部抜粋します。



厚生労働省は15日、2006年度の医療制度改革に伴う医療費抑制策の全体像をまとめた。

 自営業者などが加入する国民健康保険(国保)の運営主体を市町村から都道府県に移し、保険料を都道府県ごとに設定することで、高齢者比率が高いなどの理由で医療費がかさむ市町村の国保破たんを防ぐ。 その上で、都道府県ごとに、治療成果などの数値目標を盛り込んだ医療計画を策定させて無駄を省くことで、医療費抑制につなげる。ただ、一部の市町村では国保の保険料がアップする可能性もあり、反発も出そうだ。 全体像は、16日の細田官房長官の私的懇談会「社会保障の在り方に関する懇談会」で厚労省案として提案する。同懇談会や経済財政諮問会議で議論した上、今夏の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」に盛り込み、2006年の通常国会での医療制度改革関連法案の成立を目指す。

 厚労省案によると、国保は当面、複数の市町村からなる「2次医療圏」ごとに保険料設定や保険運営を行う形に移行させる。将来的には、運営主体を都道府県に移す。 現在は市町村が運営している国保は、少子高齢化や過疎化の進行で、赤字の市町村が全体の3分の2を占める。都道府県ごとの運営で、財政力に余力のある市町村が、財政基盤が弱い同都道府県内の市町村をカバーする格好となり、国保財政の破たんを防ぐのが狙いだ。 国が一元的に管理する政府管掌健康保険(政管健保)の業務も都道府県単位とする。これにより、国保と政管健保はいずれも、地域の実情に応じた保険運営が可能になる。

 昨年の国と地方の税財政を見直す3位一体の改革で、国保に対する国庫補助の一部を2005年度から都道府県が肩代わりすることが決まっている。保険の主体が都道府県に移ることで、都道府県によっては保険財政維持のためにさらなる追加負担が必要になる可能性もある。 ただ、厚労省としては、医療費の抑制策を併せて実施することで、保険料負担の増加を抑えたい考えだ。




厚生労働省は、市町村単位よりも都道府県単位で管理した方がよい、との判断であろうが、運営主体の自治体の財政に大きく左右されるということを容認するようだ。政府管掌を都道府県単位にすることも同じ流れである。医療費の増大を地方に押し付けようとする、まさに改悪だ。愚かな官僚たちの、目先しか考えない政策だ。管理・運営を全国にばらして、一国一城の大名を47に増やすということのようである。介護保険もそれに伴って同様の制度に乗せられるのだ。

苦しい市町村は確かに存在し、その苦しみを少しは軽減できるかもしれない。だが、全国的に社会保障サービスの負担格差が存在することは、望ましくはない。一人当たりの医療費の地域差は、人口構成、医療保険の審査レベル、保険解釈の不一致、徴収率、等の変動要因があるはずである。これらについて十分検討し、まずやるべきことを優先すべきだ。医療制度改革に向けて、前から提言しているように、標準化の作業を進めるべきである。全国的な統一性のない、審査や解釈が横行していること自体おかしな話なのだ。また、医科・歯科・薬科で、分野別に医療費の支出を検証する必要があるだろう。全て一律に、1人当たりの額では、傾向が見えないであろう。


そして、経済財政諮問会議で暴論が出た。YOMIURI ON-LINE (2/15)から抜粋。



政府は14日、今後の社会保障給付費の増加を名目国内総生産(GDP)の伸び率程度に抑制する目標を定め、目標達成のための5か年計画を今年中に策定することについて、本格的な検討に入る方針を固めた。

 少子高齢化で増大する医療・介護給付費の総額を抑制する中で、社会保障制度の抜本的な見直しを目指すもので、経済財政諮問会議の民間議員4人が15日の諮問会議で正式に提案する。 提案の文書は、社会保障給付について「総額の目安を決め、制度改革や効率化を図ることが重要課題だ」と指摘した上、「経済規模に見合った水準という意味で、名目GDPを指標にすることが妥当だ」と強調している。 抑制策については、2010年度までに新制度を完成させることを前提として、医療、介護給付費の伸び率について5か年計画を今年中に策定し、診療・介護報酬の次回改定に反映させるよう提案している。




総額目標を設定、ってそんなことが可能なわけないだろう!GDP成長率に抑制できるなら、誰も苦労しないだろうが。企業負担の回避を狙っているだけで、公共の福祉という視点がまるで抜けてる。単純な算数ができないような、バカな民間議員がいるということだ。

高齢者の人口比率が約20%の現在は、数でいうと約2400万人だ。医療費と介護関係費の両者を併せた総額(以下、医療関係費とします)は、主にこれらの人々にたくさんかかっている。高齢者の疾病罹患率が一定ならば、今後高齢者人口が増加すると、それに比例して増えていくのである。実数で言うと、20年後には約3500万人が基礎年金受給者だ。今と同じコストでも、医療関係費が単純に約46%増加する(診療報酬の増加で、さらに増える可能性が高い)。それまでに、保険料支払者は1千万人減少しているのだ。収入が大幅に減少するのと、総額が大きく伸びるが、20年間のGDP成長率がこれほど確保できると言うのか。年平均2%程度の成長率が必要だ。


大バカ野郎だな、こいつらは。因みに過去9年間の名目GDP成長率は平均で0.2%(日銀統計が1995年からのデータで、それ以前がありませんでしたから、9年間の平均としてます)しかない。実質成長率でも1.1%だ。算数の出来ないような連中が、「経済財政」を語るのか。単なる数字あわせの、暴論だ。こんな突飛な発案をする前に、実態と単純な算数を学べ。予測される数字を見ろ。その意味を考えろ。20年間、全員今と同じ給料でやったって、カバーされないだろうが。そんな事業計画があるか、っての。
医療に株式会社参入が阻止されたことの報復か?(介護保険を見ろ。株式会社参入で、不正請求が多いし、認定基準も大甘だし、ケアマネージャーとつるんでる会社へ誘導されて、必要かどうかわからんような介護プランが横行してるだろ。株式会社は、株主の利益、会社の利益を優先するから、そういう事態を招きやすいのではないか。介護保険の伸び率が物凄い勢いなのは、そういう側面があるだろう。)


こんなことは、感覚的にわかるぞ。いちいち計算してみなくとも、昨今の「景気がよい」という時だって成長率は年率換算で2%程度がせいぜいで、景気動向が悪い時期なら、ごく当たり前にマイナスとなるのであるから、総額規制をかけたところで、その意味がないことくらい分かるだろう。医療制度改革と補助金やその他支出を見直し、運営業務の効率化が必要であるが、総額規制は医療機関の経営破綻を招くだけだ。

旧国公立病院や国家公務員共済組合連合会保有の病院で、どれほどの経営改革ができるか見せてから言えっての。全ての補助金をカットして、まずそれで経営させてみろ。それで、健全経営ができ、先日の国家公務員共済組合連合会三宿病院で起こったような医療過誤もなく、患者満足度の高い医療機関モデルを作ってくれよ。国民にそういう見本をみせてほしい。こういう所に、無駄に補助金を突っ込んでおいて、総額規制、ってやるべきことがおかしいんだよ。他の歳出の抜本的見直しもせず、構造的問題も解決しようとせずに、単純に増加する数字だけを取り上げて、「総額規制」って大バカ者の考えることだ。

大リーグの給料じゃないんだから。




所得捕捉率

2005年02月04日 13時17分57秒 | 社会保障問題
今までの社会保障制度についての議論の中で、幾つか問題になる点があった。それは、諮問機関や検討委員会のような所で出てくる、「給与所得者と自営業者の所得捕捉率が違う」というもっともらしい意見だ。一元化の議論では、最大の障害になっていると言えよう。
(以前の記事を読んで下さいね。カテゴリー:社会保障問題)


これは、既存の保険制度に依拠している限り、一元化を考慮する場合には避けては通れない問題である。確かに給与所得者はほぼ百パーセント近く捕捉される(勿論監修費のようなおいしいお金は捕捉されず、大阪のようなヤミ手当ても課税所得からは思いっきり抜けていると思う)が、自営業者は昔から収入は全て捕捉されていないと考えられてきた(所謂「クロヨン」などと呼ばれ、サラリーマン・自営・農家の捕捉率が9・6・4割ということらしい)。現在の実態がどうなのかは不明であるが、所得総額に大きく影響される制度設計を変えることを考えればよく、私が以前から提唱している年金制度は間接税方式であるから、所得捕捉率には影響されない。他は確定拠出型個人年金であるから、所得水準や個人のライフプランに応じて自己責任で行えばよいのであるから、これも捕捉率には関係がない。このように考えてもらうことはできないのだろうか。


この方式の利点は多いものの、欠点はさほど多くないはずだ。問題となるのは低所得層の負担であろう。これは、公的扶助についての制度を考えることによって、緩和されるであろうし、源泉される所得税や住民税について軽減措置をとることによりある程度カバーされる。取る分を減額したり、不足分を補う考え方でよいと思う。所得水準の非常に高い層は、直接税の課税強化によって社会的負担を多くしてもらうことでバランスがとれるであろう。保険料徴収という非効率的な制度を止める方が、メリットは大きいと思っている。


本来国民年金や国民健康保険に加入し保険料を支払わねばならない人々が、その義務を果たさず未納が非常に多くなっている問題についても、現行方式を続けてもそれが大幅に改善される見込みはないであろう。回収にかかる費用が大きくなりすぎて、効率が悪すぎなのである。現状は10億集めるのに5~6億もかけて回収し、保険料の半分を失ってしまう状況で、もし未納が40%だとしたら、全額回収しても元々の80%しか回収できないという愚かな制度なのである。これは明らかに制度の欠陥である。NHKの受信料の徴収業務も同様である。こうした無駄なシステムは改めるべきであるし、正直者が不利なだけである。きちんと収めた人のお金が、そういう無駄な費用に投入されていくのである。


厚生年金と共済の一元化を行えばよい、というのは、自分達が企業や国からお金を投入できるから、その方が有利に決まっている。国家公務員共済は受給者と加入者の比率がほぼ1:1となり、今後現状のままでは支えきれないのだ。国家公務員達は自分達が苦しんでもいいから、このまま存続させて、共済を破綻させてみたら本当の年金制度が体感できるであろう。国庫からの追加費用と雇用主負担があっても、破綻するような制度設計なんですから。自分達の責任は自分達で払うのが当然なのではありませんかね。官僚の考える自分達に都合のよいシステムは、愚かしいということだ。地方公務員共済と統合後にでさえ受給者1人につき、加入者が1.56人程度(推測値)だろうから、今後団塊世代の退職が加速していけば、こちらも1:1.5を直ぐに切ってくるだろう。今後公務員の削減は進んでも、今まで以上に増員することなど有り得ないからだ。そんな事情で、共済と厚生年金を一元化しよう、という腹なのはお見通しだ。自分たちさえお金を貰えればよいという、薄汚い利己的な思想でしかない。


自営業や農家の人には退職金などない。それに、本当に儲かるなら、みんな農家をやりたがるだろう。そんな簡単なことも判らないのか、日本の官僚や有識者たちは。所得が捕捉できるとかできないとかの議論ではなく、もっと切実な「暮らしていけるかどうか」という次元なんですよ、多くの人は。農家が減少していってるのは、国から農政族が補助金を引っ張ってきても焼け石に水で、経営的に成り立たないから辞めるんですよ。これが日本の大幅な自給率低下を招いたんですから(先進国中最低ですね)。儲かって大金持ちになれる人が続出したら、人気職業になるし、補助金もいらなくなってるでしょうが。そんなこと当たり前でしょ?八百屋や魚屋のオヤジが相当頑張っても、大企業を勤め上げたサラリーマンの生涯賃金より全然少ないに決まっているでしょ。床屋のオヤジは、息子に「床屋になれ」と言う前に、「いい大学に行け。いい会社に入った方がいいぞ」と言う方が、断然多いんだって。


儲けられる自営業者なんざ限られてるっての。普通ある一定以上の規模になったら、法人化してるから厚生年金と政府管掌だしね。諮問機関の有識者というのは、今まで給料の高い仕事しかしてこなかったような、お偉いさんばかりが集まっているんですよ。今度ね、八百屋、農家、漁師、日雇い労働者、床屋、クリーニング屋などの「実践的有識者」を集めて、率直な意見を聞いてみた方がいいですよ。お金のたくさん貰える人が、国や企業から退職金や年金を一杯貰って、それほど貰えない非給与所得者の方が圧倒的に多いんだってば。調べてみたら?市町村に実態調査してもらうんですよ。サンプル世帯を幾つか見るの。自家用車はどのようなのか、所有資産はどの位あるか、食費にどのくらいかかるか、ブランド品の総額とか、本当に見てみたら?2千世帯くらい調べればだいたいわかりますよ、きっと。


おまけに、3号被保険者の問題もある。払ってないのに基礎年金もらえるし、配偶者がまるまる2人分納めているかといえば、そうではない。共働きが損してしまう。このように、制度が複雑な割りに、矛盾点が多すぎるし不公平感ばかりが多くなる。間接税でフラットにしてしまえば、それは大幅に緩和される。社会保障一元化の障害となっているのは、所得捕捉率などではないし、生活保護でもない。自己利益にしがみついて離れようとしない、利権者たちだ。国家を省みることのない、亡国族だ。そういう連中が日本をダメにした。




社会保障改革への道2

2005年01月30日 18時41分56秒 | 社会保障問題
社会保障改革の推進で間接税比率が高くなることによって、公的扶助が必要な低所得層があると考えられます。これらについて検討してみます。


現在の生活保護の実態から考えてみましょう。
主に身寄りのない独居老人等で、年金以外収入がない(もしくは何も収入がない)ような方が多いのではないかと思われます。自己所有の家に住んでいる場合もあるし、公営住宅や賃貸住宅の場合もあるでしょう。或いは、介護福祉施設に入所されている方も多いかもしれません。

生活保護費(約2兆円弱)の大半は医療給付費となっており、直近の統計数値が出ていないので正確には分りませんが、支出の伸びから考えて医療・介護給付が非常に多いと考えられます。以前の検討でも約7割が医療給付でしたので、現在は概ね4分の3程度が医療給付と考えられるでしょう。残り(約5~6千億円程度)が純粋な生活保護給付金ということになるのではないかと推測されます。この水準は概ね大きな変化はないと考えられます(そういう特殊な世帯が全世帯に対して急激に増加するとは考えられないからです)。結局高齢者が増加することによって、その人の医療関係費の伸びが生活保護費の増大に直結していると考えられるでしょう。

現在は国庫負担となっていますが、昨年の三位一体改革の時に地方へ移す案がありましたが、これは医療関係費の切り離しを目論む官僚たちの姑息な罠です。地方財政の圧迫要因となりますから、実施主体は自治体でよいと思いますが、国庫負担としておくべきです。


新たな社会保障制度になると、基礎的年金のみ(現在の基礎年金と同レベル、一人当たり月額約63000~65000円と想定しています)支給されますから、それ以外は確定拠出型個人年金で用意する必要があります。これでは生活できないという世帯について生活保護の給付を考えるということになりますね。


まず、自己所有の住宅がある場合に、自治体はこの不動産の扱いについてはどうしているのでしょうか。売りに出して、処分をさせたりできるのかな?現状ではそのような措置をとっていないと思いますが、どうなんでしょうか。正確には分りません。しかし、新制度導入後には、生活保護を受ける場合には、このような不動産所有者に対して費用請求権を自治体が持つこととします。
例えば生活保護開始時点で、所有する不動産の評価額を算出します。仮に4百万円であったとします。生活保護給付金の累計総額がこの額に達した場合には、自治体がこの不動産の所有権を得ることとします。その額に到達する前に支給打ち切りや死亡となった場合には、相続権がある遺族がいる場合、その人に相続される不動産に対して支給した累計総額を請求することにします。相続財産が請求額に満たない場合にはやはり自治体がその不動産の所有権を得ます(老夫婦の場合には、1人が死亡してその配偶者が相続することもあるので、その人が住まない状態になった時に自治体の権利行使ができることとします)。自治体は、競売等に出して現金化してもよいし、他の用途に用いてもよいことになります。このようにしないと、個人年金に掛金を入れずに、生活保護決定の少し前に不動産を購入し、その不動産を誰かに相続させることが可能になってしまいます。


次に自己所有の不動産がなく賃貸住宅等に入居している場合には、基礎的年金のみ現金給付されますから、他は公的住宅の費用助成(以前の記事を参照して下さい)、水道料金や訪問看護・介護等の医療関係費の給付により相殺することにします(医療費がそれ以上かかってしまう場合には、勿論全額給付します)。原則的には、現金で貰えるのは年金分だけです(長期的な介護施設入所者等は、一部を除いて年金からも払って頂き、残りの払いきれない分は給付します。そうでないと、年金分が丸々貯金できてしまい、一財産になる場合があるからです)。とても元気で、医療関係費がほとんどかからないような人の場合には、自治体ごとに一定上限まで(例えば、「年金と併せて10万円まで」とかですね)地元の町営温泉利用券とか交通機関利用チケットとか他の行政サービスで給付したりしてもよいでしょう。利用しなければ、勿論自治体の費用負担はありません。出来るだけ現金給付を避けることとします。これは非常に厳しいシステムですが、このような制度にしなければ、「年金なんかなくても平気」と思ってずーっと過す人が必ずいるからです。若いときに使いたいようにお金を使ってしまって、高齢になった時に困るというのは自分の責任だからです。


間接税が高い水準ですから、低所得層には住民税減額、公的住宅の助成金給付や水道料金割引等の工夫が必要なことは確かです(これも以前から書いていますが、自治体は現金給付をなるべく避けて行政サービスで相殺するような形が望ましいですね。現金を渡すと何の考えもなく遣ってしまう人達は大勢います。例えて言うなら、生活保護を受けながら一家全員が携帯電話を持ち、無駄に浪費してしまうとかですね。今までの日本政府の財政事情と似てるかもね)。そうした助成を生涯に渡って行ってきているわけですから、それにもかかわらず自己の資産が全くなく、個人年金も無理ということになれば、当然その人の生き方に見合った生活をして頂くことになります。何でも行政を当てにするという悪しき考えは改める必要があります(現在でも生活保護を受けながら、パチンコ屋に入り浸っている人が存在するそうです)。


ここまでは年金を受給している場合について考えましたが、こうした高齢者単独世帯とは異なり、特別の事情(重い病気により就業できない等ですね)があるような世帯では生活保護となるでしょうし、扶養しなければならない子供(学童・生徒等)がいる場合にその公的扶助が必要です。通常の生活保護費の給付の他に扶養分の加算が必要でしょう。公立小中・高校の費用についても免除規定等によって、子供達が教育を受ける権利は守られるように配慮する必要があります。また障害者世帯では、障害年金以外に公的扶助や医療関係費の減免が受けられるように配慮すべきでしょう(現在の介護サービスについても、年齢に関係なく利用可能とするのが望ましいでしょう)。いわゆる母子家庭、今はひとり親世帯というようですが、この場合にも所得水準や養育費の額によっては、公的扶助が必要ならば現金給付する場合があります。


その他の理由によって生活保護となる事態があまり分りませんが、失業中に雇用保険給付が終了してしまい、その後なかなか再就職が出来ず、蓄えが底をついたような場合でしょうか(?)。もしも病気等の理由がなく就業可能な状態ならば、元来生活保護を受ける以前に、どのような仕事でもよいので就業してもらいたいと思います。しかし、社会的環境によっては困難な場合があると考えられますので、自治体で何か考える必要があります。

例えば、市庁舎の清掃業務の委託等があれば、その人員を予め削減しておき(10人必要ならば5人とかにしてもらう)、生活保護世帯から人員を出して頂きます(働ける人がいるのですから、普通はおとーさんでしょうか)。その清掃業務の日当分として生活保護費の支給をします。日数には制限が必要ですが、「タダでお金が貰える」ということではなく、労働で払って頂きます。自治体は委託費の代わりに生活保護費を支給するという形になりますから、節約になりますね(恒常的にこの形で働くというのは困りますので、自分で仕事を探してもらうか自治体の相談員とかが就業斡旋するなどが必要ですね。この場合、現ハローワークとの協力も必要です)。


このように、自分達でできることはある程度やって頂くという形にすることによって、住民自身も市政にかかわり、社会のサポートへのお返しができるという意識が芽生えるかもしれません。仕事の内容は複雑な訓練等の必要ないもので、人員の調節がつきやすい業務をいくつか用意するべきですね(主に外部委託するもので、単純労働作業に該当するもの)。労働の対価として費用を受け取れるという考え方を、徹底して頂きます。きちんと決められた日に出てこないとか、真面目に仕事をしなかった場合には、費用を払わないことにします。住民1人ひとりが地域社会を支えるんだという気持ちが必要です。保護を受ける方々にも、そういったところを理解して頂くようにします。