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続・森友学園の土地売却問題に関する無責任なコメント

2017年04月03日 20時10分56秒 | 社会全般
高橋洋一元財務官僚の言い分は、かなり偏りがあるものと思う。端的に言えば「安倍総理は悪くない」に終始している。件の三浦某の意見にも共通する。忖度が犯罪ではなく、安倍総理の関与が犯罪ではないなら、何ら悪くない、といった風ではないかな?
そうした思考が全く理解できない。賛同できない、というのもあるが、思考の道筋のようなものが、全然分からないということである。


仮に財務省が何かヘマをやらかして、それを隠しだてしたいということから、(高橋氏曰く)学園に「弱味を握られ」てしまい、不当に安値をつけてしまったとか、財務省が総理夫人等を忖度して勝手に不当な土地売買をやった、ということがあるとして、これを安倍総理自身が庇いだてする理由はないだろう。


安倍総理が「(財務省の)忖度はなかった」と国会答弁していることから見ても、分かる。

このこと自体が、安倍総理と財務省は共犯関係(話題の共謀罪チックな「共謀共同正犯」のような関係性?)を窺わせるものであろう。


恐らく拙ブログの考え方が理解できないであろう両名の為に、もっと簡単な例で示そう。


自動車燃費データの偽装事件というのがあったので、それを例題としよう。

ある自動車会社が燃費データについて、おかしいのではないかという外部の指摘を受けた。
CEOは言った。「私は何ら関与していない」
すると、マスコミは「開発部門と営業部門の人たちにデータを改竄した疑いがかかっている」と追及。
CEOは「会社ぐるみの偽装ではない、私は一切関知してない」と強弁。じゃあ取締役社長はどうなんだ、と追及しても、社長も同じく「私は指示してないし、忖度もしていません」と。
で、マスコミは「燃費計測の方法を開示せよ、データ作成の基になった資料を出せ」と追及するも、「データは残ってない、全て捨てた」の一点張り。開発部の責任者が出てきては「計測方法は違法ではなかった」と言うだけで、どのような計測方法を用いたか答えよ、と求められても、「方法を教えることはできません、企業秘密ですので」と。
全マスコミはお手上げ(笑)。


今の森友学園は、こういった状態のようなものです。社会の常識からすると、ちょっと異常ではないのかな、と思えるわけですが、普通の社会であると、このような自動車会社は不買などの制裁を受け、倒産したりすることになるでしょう。つまりは、「信頼、支持を失う」というしっぺ返しがあるわけです。

けれども、報道される支持率というのは、大きな変化がないと言われているようですが、果たしてそうなのでしょうか?(笑)
こんなインチキくさい企業を支持していいですよ、と言ってくれる奇特な人はかなりの少数派ではないかと思うわけですが。


で、普通のCEOの取るべき対応とは何でしょう?
ごく当たり前に、開発部門と営業部門に「データの偽装について、精査するよう命令する」ということですね。
CEOがデータ偽装に関与してなかったら、何ら責任がない、何も悪くない、などと主張するのは、あまりに幼稚でしょう。どこにそんな会社がありますか?こんな無責任なCEOが株主総会などで問題視されないとでも?


開発部門の担当は社長であれば、社長に「開発部門の内部資料を全部出せ、詳しく調べろ」と指示するのが、CEOの役割でしょう?
最終的に全責任を負うのも、CEOの役割なんじゃありませんか?
しかも「CEOは悪くない、一切関与してない」の一点張りを主張しているのが、誰あろう社長と開発部門の責任者なんですよ?
誰がどう見たって、おかしいでしょう?


けれども、日本の政治家も、識者ぶってる多くの連中も、これを「正しい」って言うわけですわ。もうね、何を言ってるんだろうか、と思いますね。

CEO=安倍総理
社長=財務大臣
開発部門=財務省
営業部門=国交省

と見れば、容易に理解できるでしょう?
安倍総理に責任がない、なんてお説が出されるということ自体、本当に理解の限度を超越した意見なのですわ。


行政庁に何らかの疑義が発覚したら、それを監督する責任者が責任を負うわけですよ。なので、安倍総理が自らの「何ら問題がない」ということを示すには、少なくとも財務大臣に対し「財務省内の徹底調査をすべし」と厳命するのが筋であって、これをやらない時点で、CEOと開発部門は「ああ結託してるな、組織ぐるみだな」ってバレバレでしょう?


ましてや、開発部門(財務省)が資料を滅失と隠蔽をしていることが疑われているのであるから、社長に厳しく命令するのが最高責任者の使命でしょうに。
総理も、財務大臣も、局長級も揃って「調査を命じる気はない」と頑強に拒否しているだけですわ。それは、会社ぐるみの偽装工作がバレるから、に他ならないのでは?

少なくとも総理の関与がない、という潔白を証明したいと思っており、財務省とは経済政策面で犬猿の仲で、財務省が安倍総理降ろしを狙って情報をリークしたのではないか説を言うのであれば、安倍総理が財務省に対し厳しい姿勢で臨むのが当たり前なのだわ。だって、社会常識だもの。

それが一切ない、という時点で、安倍と財務省ぐるみの共犯関係というのは、かなり推定されるわけですよ。CEOが潔白なら、開発部門か営業部門のいずれかの仕業だな、ってことで、真相解明して、再発防止策を打ち出して謝罪した方が、CEOのクビが繋がる可能性が高いもの(けど、不祥事で引責辞任に追い込まれるのも通例ではあるよね)。


どこまでも知らぬ存ぜぬを貫き通せるのは、自動車会社がその1社しかなく独占企業であると、他の自動車会社の選択の余地がないので、不買という報復をあまり受けない、ということになるかな。自民党内でさえ、安倍降ろしが出来ない状況、そういう独裁的体制こそが、元凶なのであるということである。党内野党が存在しないことにより、国会と政府の緊張関係が皆無となっている、ということでもある。


まさしく統治の重大問題なのに、安倍は悪くない、って、愚かな思考パターンしか出てこない識者気取りには困ったものである。
今のマスメディアの言論の多くは、そういう連中が跋扈する程度に低水準なのだということであろうか。



ああ、追加ですが。

高橋洋一の「地中ゴミ」の話って、あまりに胡散臭いよね。
大阪航空局が調査した結果で、埋設物アリというのは工事前から発覚していたし。音大との売買交渉過程でも、大学側が見積もった撤去工事費用が約2.5億円程度だったわけだ。これは、妥当性のある数字と考えられよう。森友学園が1期工事で中道組が施工した際、土壌汚染対策工事を含めやった時の交渉経過で、約2億円という数字が出されていたはず。

なので、当該土地の地中埋設物及び土壌汚染の対策工事費用というのは、2~2.5億円というのが「相場」であろう。


杭打ち工事の際に、地下9.9m地点でゴミが大量に見つかった、という説ね。これをもって8億円値引きという話になったとされるが、これはどの程度信憑性があるのか?


1)「池沼」という登記情報

少なくとも、ここには大型建築物は存在してこなかった。池沼だったらしいので。
その後に、バラックみたいな長屋が存在していたようであるが、それは小型建築物なので、深い基礎工事は必要ない。故に、大型ビルの解体工事現場みたいに、地中深くに残るコンクリート等の構築物は考え難い。水深の点から見ても、池の底が10m程度の場合だと、かなり大型になるはず。どちらかと言えば、湖に近くなる、ということである。農業の灌漑用池程度のものは、水深が5mとかを超えることはまずないだろう。ため池でも同様。なので、池の底にばら撒かれていたゴミが残っていた、という説明は、採用し難い。
(因みに、不忍池は、水深が比較的浅いようで、1mもないくらい、らしいです)

「動物死骸やゴミが大量に捨ててあったんだから埋設ゴミは不思議じゃない」論を唱える、アベ擁護派は多くいるが、現実を知らないか地形条件を無視しているか、ということではないかな、と。


2)杭基礎という工事

杭打ちをやっていたら、ゴミが約10mの深さから発見された、と。
この建物の基礎は、杭基礎であり、その深さがゴミの発見された深さということになろう。すると、支持地盤が約10mで、その直上に「大量のゴミ」が存在、という話らしい。

さて、支持地盤というのは、日常的に露出している面なのだろうか?地盤のすぐ上にゴミが置いてある、って?
なら、それは、本当に支持地盤なのか、という別の問題が生じるだろう。常識的には、あり得ない話では?
「支持地盤とほぼ同じ深さに、ゴミが大量に置いてある(=埋まっていた)土地」って、実例で示せる?どんな地形・地層なの?どんな条件?
出鱈目なり、嘘というのは、言うのはタダだからな(笑)。


恐らく、客観的に見て、杭基礎工事の際に、支持地盤と同等レベルの深さに大量のゴミが存在、ってのは、ほぼ不可能だろうね。



もう一つ。

安倍と官邸は、検察捜査を大喜びで望んでいる、って話があるらしいが、色々とあるかもな。

利点としては、「マスコミから籠池を隠す」という、完全遮断効果が期待できることである。その場合、「籠池の自供」とか「でっち上げ捜査情報」とか「ありもしない証拠の捏造」とかが、法務・検察を顎で使う連中にとっては非常に便利だ、ということがあるだろう。
具体的には、清原や飛鳥の逮捕事件みたいなものだな。


しかし、欠点もある。
それは裁判が行われてしまう、という点である。
できれば、インチキ略式起訴とか、嫌疑不十分で不起訴とか、検察の胸算用一つでいかようにもコントロールできる方法を選びたいだろうが、社会の関心が高まっているせいで、そう簡単に終わらせられるかどうか、という危惧もあるかも、と。

開廷されると、傍聴人がせっせと情報を拡散するかもしれず、良からぬ波紋が生じる危険性とか、そういうのもある、と。
不起訴なら不起訴でいいが、マスコミが食いついているから、理由を示さねばならず、やや面倒かも、と。なので、只今、鋭意検討中、ってところでしょうかね。



森友学園の土地売却問題に関する無責任なコメント

2017年04月03日 19時22分53秒 | 法関係
世の中には、口喧嘩が強いとそれが正論であると錯覚する人々が大勢いるらしい。識者風の連中が、さも正しそうな解説なりコメントを繰り出すと、それが正論であると誤信させるには効果的なのだということ。

例えば、橋下徹などがその代表格であろう。
事実ではないことであろうと、テレビで堂々と発言すれば、それが「事実」とされてしまうとか、いかにも法律上で正しいかのような雰囲気を作り上げるということである。必ずしもそうではない。


典型例に遭遇したので、取り上げたい。

>http://b.hatena.ne.jp/entry/hosyusokuhou.jp/archives/48789494.html

実際の番組内容は不明だが、三浦瑠麗という女性論者が『忖度は犯罪ではない』と発言したようである。国際政治学者とかいう肩書らしいが、まずは普通の法律を勉強してから、解説するようにすべきであろう。定かではないことを、何故そんなに自信満々で断言できるのか、謎である。自分の考えを口にするなとは言わないが、「出鱈目を言うのは慎む」くらいの配慮があってしかるべきかと。


このような事例は、専門的な知識に乏しい人が、あたかも専門家のような振舞いで出鱈目を断言するのに似ている。ニセ医者がまさしくそれである。それともインチキ健康食品の販売営業みたいのも似てるかも。

しかも、こうした「分かり易い結論」に飛びつく、思考力に乏しい連中が大勢いるというのがポイントで、煽動効果は抜群と言えよう。デマの典型的な手口と言えるかもしれない。


拙ブログも例に漏れず、全くの法律素人である。法曹でもサムライ士業でも何でもない。法学部卒でもない。なので、三浦女史と大差ないわけだが、当方の知り得る範囲においては、間違っているものと判断したので、以下に書いておく。


『忖度は犯罪ではない』

これは一見すると、正しいように見えるだろう。文脈を無視すれば、例えば忖度という語の項目の例文として見れば、大した問題はない。しかしながら、森友学園の土地売却を巡る問題としての、各省庁職員等の「忖度」となると、単純に犯罪ではないと断定できない。


具体的に言えば、例えば財務省の事務次官・局長級以下財務省職員が、「総理夫人が深く関与する学校法人なので、小学校設置を何とか実現させたい」といった忖度をしたとする。
忖度だけなら犯罪ではないかもしれないが、それに伴う行為の結果が問題ろなろう。例えば土地売却価格の問題である。それとも補助金交付その他予算執行の問題である。


忖度の結果、実際に行われた行為が「違法な事務」であった場合には、これは犯罪となる可能性がある。

背任罪というのは、犯罪であろう。それに該当しないと言えるか?
財政法、予算決算及び会計令、会計法などに違反していないと確信を持って言えるか?
「予算執行職員等の責任に関する法律」でいう、処分の対象ではないと言えるのか?


そもそも開示された情報だけでは、「違法な事務」かどうかを判断できる根拠足り得ないのだから、「違法でない」「犯罪ではない」と強弁できるわけがないのだ。

例えば、「予算執行職員等の責任に関する法律」によれば、次のように定義される。
>http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO172.html


第2条第2項
この法律において「法令」とは、財政法 (昭和二十二年法律第三十四号)、会計法 その他国の経理に関する事務を処理するための法律及び命令をいう。


「法律及び命令」なので、命令違反は懲戒処分対象である。
命令は「通達」を含むものと解されるはずだから、通達に反する賃借権契約や売買契約の締結は命令違反を構成しうる。命令違反を回避する、特別の根拠なり合理的理由を必要とするだろう。


従って、忖度の存在とか内容といったことが直接的に違法性を意味するとは限らず、忖度によって実際に行った結果が「違法な事務」であるなら、処分対象となるのである。

こうしたことを、ものの30秒か1分以内で説明したり、理解してもらうのは、かなり困難であると当方は思っているが、プロパガンダに踊り易い傾向の人々は単純な言語と説明で満足したいのであろう。



もう一例が高橋洋一元財務官僚の論である。

>http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51362?page=4

(一部引用)

こうした経緯の後、賃借契約が売買契約に変更される。鑑定評価額は9.32億円。例の8億円値引き話は、この経緯から見れば、ある意味で自然だろう。むしろ筆者は、8億円がかなり人為的に作られたものかもしれないと推測している。

つまり、まともにゴミの処理費用を算出すれば、10億を超える可能性もあった。それでは近畿財務局のメンツが丸つぶれである。そこで、近畿財務局も顔が立ち、しかも小学校建設を急ぎたい森友学園としても大幅値引きになる「8億円引き」となった可能性がある。

もっとも、これは8億円の値引きが妥当といっているのではない。本来であれば、近畿財務局は処理費用が10億を超えてもゴミ除去を行って、その後まっさらな土地として入札を行えばいいのだから。その結果、仮にゴミ除去費用をまかなえなくても、国有地の売却としては仕方ない。実際、豊中市への売却でも、実質的な国の手取りはほぼゼロだからだ。

または、近畿財務局はゴミを除去せずにゴミが埋まっていることを明示したうえで入札してもいい。その結果、売却価格が安くなっても仕方がなかったはずだ。

筆者の推測は、近畿財務局がそうした手順をサボった上で、ゴミの事実を隠して随契したので、森友学園に弱みを握られてしまった。だからその後、近畿財務局が森友学園を厚遇せざるをえなくなったである。


========


財務省の元エリート官僚をもってしても、この程度の論説しか吐けないわけです。しかも古巣の財務省のことを、一般人よりもずっと詳しく知っているであろうはずの人間でさえ、このありさまですから。日本がいかに法を無視した行政を執行するようになってしまったのか、ということの証左かもしれません。


財務省の実務では、どういう処理が想定されていたのか?
通達を見てみましょう。


○財務省所管一般会計所属の未利用国有地等の売却促進について

(H21年2月27日 財理第814号、改正 財理第5479号、第1066号、第1190号)

>http://www.mof.go.jp/about_mof/act/kokuji_tsuutatsu/tsuutatsu/TU-20090227-0814-14.pdf



(3)地下埋設物がある財産
イ 現に地下埋設物が確認されている財産(蓋然性が認められるものを含む。)については、以下の方針により処理するものとする。

(イ) 財務局長等は、原則として平成 21 年度中に試掘調査を行い、撤去後の売却見込額(X)及び撤去に必要な費用(Y)をそれぞれ算定する。なお、売却見込額等が既に算定されている場合は、改めて算定する必要はない。
(注)調査の結果、土壌汚染物質が確認された場合には、下記⑷の「土壌汚染がある財産の取扱い」に従い処理する。

(ロ) 算定結果に基づき、次の分類に従い、処理するものとする。

A 撤去後の売却見込額が撤去に必要な費用を上回る場合(X-Y>0)
  原則、撤去工事は行わずに現状有姿で売却を行う。

B 撤去後の売却見込額が撤去に必要な費用を下回る場合(X-Y<0)
(A) 下回り額が小額(撤去後の売却見込額の1割程度)で、かつ、撤去に必要な費用が小額(概ね 500 万円以下)となる財産
  国において撤去工事を行ったうえで、売却を行う。

(B) 上記(A)以外の財産
個別に理財局と相談のうえ、処理方針を決定する。


=======


お役所仕事なんだから、基本的にはこうした通達に従って、定型的な処理を心がけるものなのでは?

(イ)に従い、大阪航空局では地下埋設物の調査を実施したのでしょう?そして土壌汚染も明らかになっているので、形質変更時要届出区域の指定を受けたわけでしょう?

見込額は算定されているはずで、国有財産台帳に価額記載があるはずだし、路線価等も参考に価額算定がされるのが、「普通の事務」では?
少なくとも、大枠で上記通達のX、Yを算定後、AかBのいずれに該当しているかを当該土地において判断していなければおかしいでしょう。


高橋洋一元財務官僚の言うような、ひょっとしたら撤去工事費用が云々なんて思いつきレベルではなしに、行政庁として「現状有姿で売却」というのがどのような場合なのかというのは、ある程度の機械的判断基準が適用されるということでしょう。

そして、撤去工事費用が土地代金を上回る場合の少額以上は「理財局と個別に相談」ということですので、個別な処理が必要であったことの証明は財務省側にしかできないということになる。


こうした命令に違反している処理を行ったものは、違法な事務であろう。何も脱藩官僚の人が新たな通達なり、内部処理方法を発明せんでも、既に作られていたと考えてよさそうなのでは?

元からこうした通達があるのだから、それに則して処理していれば書類は保存されてるはずで、その処理に係る書類等を開示することが、それほど困難であるとは思われない。


長くなったのでとりあえず。
続きは次の記事で