先日インドのムンバイで発生したテロだが、これについて言えば米国を直接標的としたものとは違っていた。インドはパキスタンに非難を出していたが、アフガンに大勢いるらしいテロとの関連などは不明のままだ。
犯行声明は「デカン・ムジャヒディン」というマイナー組織から出されたもので、インド国内の過激派組織ではないかと見られている。
今年起きたパキスタンの「マリオット・ホテル」爆破テロと、今回のタージマハルホテルやトライデントホテル襲撃という高級ホテルを標的とする点では、「外国人狙い」ということで言えば似てなくもない。
が、周到に計画された犯行だ、という割りには、そうでもないように思える。
もし本当に英米人を狙うとしたら、自分がテロの立場にある時、どうすると思うか?
街中を、銃を乱射しながら走りまわるか?
タクシーに乗って、手榴弾をばら撒く?
ホテルの調理場に向かって銃を乱射する?
何の為に?
これまで判明した死亡者数をみると、英米人は少ない方だ。それ以外の外国人の死亡者数の方が断然多いのである。イスラエル人が最も多いようだが、これはユダヤ人施設などが狙われたせいなのかもしれない。イスラム教徒が不当に扱われている、という主張を全世界に知らしめようとするなら、ユダヤ人をいくら憎んでも解決されない。インドはイスラエルではないからだ。
それに、心底ユダヤ人を憎んでいたなら、ユダヤ人施設に立て籠もるというのも、あまり意味がない。即座に全員殺すからだ。死をも恐れない「自爆的テロ」なのであれば、迷わず全員殺す。ユダヤ人を憎んでいるのでしょう?自分が死んでもいいから、1人でも多く殺すはずなのだ。
インド国内のテログループで、インドに来ている英米人を最も多く殺そうと思うなら、英米人の多く集うオフィスとか空港を狙う方が確実だ。米国か英国路線の発着便ならば、かなりの数が多分その国の人間だろうと思われる。大型機ならば、数十~百人といった数がいるだろう。ロビーに固まって存在しているのだし。探す手間もいらない。
空港警備の警官たちがいるとしても、人数的にも武装のレベルも上回れるのだから、そこにメンバーを集中しておけば済む話だ。急襲されたら、警官といえども即座に撃ち殺されるだろう。だって、まさか自動小銃や手榴弾で襲ってくるとは思ってないのだから。拳銃を抜く間もなく、終わるだろう。
それをわざわざ大型ホテルにわずか数人で乗り込んで、人体改めを客の1人ひとりとか一部屋毎に行っていこう、というのがどれほど困難な作業か。警護がつくほどでもない、ちょっとした要人(どこかの知事クラスとか政府役人とか)を狙ったわけでもない。ホテルに来ることさえ判っていれば、ホテルのフロント係をちょいと脅して締め上げれば、部屋を割り出すことだって直ぐにできる。
つまり、そういったことを一切やらず、ただ「外国人が居そうな場所」目がけて走り回り、「オイ、英米人はいるか」と呼びかけ、行き当たりばったりの「出たとこ勝負」みたいに乱射してみました、というだけだ。こういうのを「周到な計画」とは多分呼ばない。単に殺害人数を多くしたいなら、列車爆破の方がはるかに簡単。しかも大惨事。インドでは異常なくらいの過密乗車だったと思うし。
インド人は殺したくないが、英米人とユダヤ人だけはたくさん殺したい、ということなら、もっと狙いを絞ってそういう場所を襲撃するはず。街中で適当に銃撃をやったりする必要性はない。
この事件から判ることというのは、単なるデモ効果だけ。
「こんな風にテロが起こせるんですよ」ということを、示威的に世界中に知らせたことは確かだ。「思いっきり目立つようにやりました」、「人々を怖がらせる為にやりました」ということは言える。インド国内のイスラム教との地位向上とか、カシミール地方の独立云々を求めるなら、それは体制側に向けて行われるべきものだ(実際、これまでインド国内ではそうしたテロが発生してきた。犠牲になったのはヒンズー教徒のインド人だ)。今回のように外国人やユダヤ人を何人殺したとしても、変わりようがない。もしあるとすれば、英米がインドに対して「独立させろ」と強硬に求めることを期待する、というようなことくらいだ。
パキスタン国内のISIからの支援を受けたテロ組織との繋がり云々とも言われていたりするが(名指しされたラシュカレ・タイバは関連を否定したらしいが)、仮にそうだとして、パキスタンを苦しい立場に追い込むのに、それを安易と行うというのもちょっと解せないのだ。自分がその立場ならば、絶対に身元が割れないように行わせると考えるだろう。時代劇で、裏で糸を引いているのが加賀屋さん(あくまで架空の話です)なのに、捕まって「どこの手の者だ?」と問われ、「へい、加賀屋です」って、そりゃただの間抜けじゃないですか。たとえその組織の人間だとしても、普通は全くの別組織の身元を用意しておくのが当たり前では。
「さてはお前、CIAだな?」「ええ、そうです」じゃ、映画も作れないよー。
要するに全体的にお粗末な作戦だったように思えるのです。
若年男子の、ひょっとすると特徴的とも思えるような純粋性、理想主義的な部分や染まり易さということを利用するなら、事件を唆すことができるかもしれません。まるで「何とかギャング」っぽい派手な行動も判るような気がします。
この事件は、事件の存在そのものを認知させる、ということが最大の目的であったのなら、全てがよく理解できるのですよ。狙ったのがインド人じゃないこと、デカン何とかみたいな未知の名前の組織だったこと、やたらと目立つ派手めな行動をするグループだったこと、パキスタンに圧力となったこと、インド・パキスタン・アフガンという地域に焦点化させることに成功したこと、世界中の目を「テロ」に向けさせることができたこと、というようなことかな。
その背後にいるのが、インドの反体制勢力なのか、パキスタンの情報組織なのか、友達の友達のテロ組織なのか、はたまた「テロの脅威」が薄れると困る誰かなのか、それはよく判りませんが。
犯行声明は「デカン・ムジャヒディン」というマイナー組織から出されたもので、インド国内の過激派組織ではないかと見られている。
今年起きたパキスタンの「マリオット・ホテル」爆破テロと、今回のタージマハルホテルやトライデントホテル襲撃という高級ホテルを標的とする点では、「外国人狙い」ということで言えば似てなくもない。
が、周到に計画された犯行だ、という割りには、そうでもないように思える。
もし本当に英米人を狙うとしたら、自分がテロの立場にある時、どうすると思うか?
街中を、銃を乱射しながら走りまわるか?
タクシーに乗って、手榴弾をばら撒く?
ホテルの調理場に向かって銃を乱射する?
何の為に?
これまで判明した死亡者数をみると、英米人は少ない方だ。それ以外の外国人の死亡者数の方が断然多いのである。イスラエル人が最も多いようだが、これはユダヤ人施設などが狙われたせいなのかもしれない。イスラム教徒が不当に扱われている、という主張を全世界に知らしめようとするなら、ユダヤ人をいくら憎んでも解決されない。インドはイスラエルではないからだ。
それに、心底ユダヤ人を憎んでいたなら、ユダヤ人施設に立て籠もるというのも、あまり意味がない。即座に全員殺すからだ。死をも恐れない「自爆的テロ」なのであれば、迷わず全員殺す。ユダヤ人を憎んでいるのでしょう?自分が死んでもいいから、1人でも多く殺すはずなのだ。
インド国内のテログループで、インドに来ている英米人を最も多く殺そうと思うなら、英米人の多く集うオフィスとか空港を狙う方が確実だ。米国か英国路線の発着便ならば、かなりの数が多分その国の人間だろうと思われる。大型機ならば、数十~百人といった数がいるだろう。ロビーに固まって存在しているのだし。探す手間もいらない。
空港警備の警官たちがいるとしても、人数的にも武装のレベルも上回れるのだから、そこにメンバーを集中しておけば済む話だ。急襲されたら、警官といえども即座に撃ち殺されるだろう。だって、まさか自動小銃や手榴弾で襲ってくるとは思ってないのだから。拳銃を抜く間もなく、終わるだろう。
それをわざわざ大型ホテルにわずか数人で乗り込んで、人体改めを客の1人ひとりとか一部屋毎に行っていこう、というのがどれほど困難な作業か。警護がつくほどでもない、ちょっとした要人(どこかの知事クラスとか政府役人とか)を狙ったわけでもない。ホテルに来ることさえ判っていれば、ホテルのフロント係をちょいと脅して締め上げれば、部屋を割り出すことだって直ぐにできる。
つまり、そういったことを一切やらず、ただ「外国人が居そうな場所」目がけて走り回り、「オイ、英米人はいるか」と呼びかけ、行き当たりばったりの「出たとこ勝負」みたいに乱射してみました、というだけだ。こういうのを「周到な計画」とは多分呼ばない。単に殺害人数を多くしたいなら、列車爆破の方がはるかに簡単。しかも大惨事。インドでは異常なくらいの過密乗車だったと思うし。
インド人は殺したくないが、英米人とユダヤ人だけはたくさん殺したい、ということなら、もっと狙いを絞ってそういう場所を襲撃するはず。街中で適当に銃撃をやったりする必要性はない。
この事件から判ることというのは、単なるデモ効果だけ。
「こんな風にテロが起こせるんですよ」ということを、示威的に世界中に知らせたことは確かだ。「思いっきり目立つようにやりました」、「人々を怖がらせる為にやりました」ということは言える。インド国内のイスラム教との地位向上とか、カシミール地方の独立云々を求めるなら、それは体制側に向けて行われるべきものだ(実際、これまでインド国内ではそうしたテロが発生してきた。犠牲になったのはヒンズー教徒のインド人だ)。今回のように外国人やユダヤ人を何人殺したとしても、変わりようがない。もしあるとすれば、英米がインドに対して「独立させろ」と強硬に求めることを期待する、というようなことくらいだ。
パキスタン国内のISIからの支援を受けたテロ組織との繋がり云々とも言われていたりするが(名指しされたラシュカレ・タイバは関連を否定したらしいが)、仮にそうだとして、パキスタンを苦しい立場に追い込むのに、それを安易と行うというのもちょっと解せないのだ。自分がその立場ならば、絶対に身元が割れないように行わせると考えるだろう。時代劇で、裏で糸を引いているのが加賀屋さん(あくまで架空の話です)なのに、捕まって「どこの手の者だ?」と問われ、「へい、加賀屋です」って、そりゃただの間抜けじゃないですか。たとえその組織の人間だとしても、普通は全くの別組織の身元を用意しておくのが当たり前では。
「さてはお前、CIAだな?」「ええ、そうです」じゃ、映画も作れないよー。
要するに全体的にお粗末な作戦だったように思えるのです。
若年男子の、ひょっとすると特徴的とも思えるような純粋性、理想主義的な部分や染まり易さということを利用するなら、事件を唆すことができるかもしれません。まるで「何とかギャング」っぽい派手な行動も判るような気がします。
この事件は、事件の存在そのものを認知させる、ということが最大の目的であったのなら、全てがよく理解できるのですよ。狙ったのがインド人じゃないこと、デカン何とかみたいな未知の名前の組織だったこと、やたらと目立つ派手めな行動をするグループだったこと、パキスタンに圧力となったこと、インド・パキスタン・アフガンという地域に焦点化させることに成功したこと、世界中の目を「テロ」に向けさせることができたこと、というようなことかな。
その背後にいるのが、インドの反体制勢力なのか、パキスタンの情報組織なのか、友達の友達のテロ組織なのか、はたまた「テロの脅威」が薄れると困る誰かなのか、それはよく判りませんが。