いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

逆襲の一派

2011年05月27日 13時46分42秒 | 政治って?
自民党の元総理である安倍議員がこの情報を初めに出した、ということのようだが、彼がどういう筋から情報を手に入れたのか、ということが気になる。

全くの推測を書いてみよう。
情報を出した人間は、中枢には近いけれども、内部情報を手に入れられる程の距離にはいない。あるのは、耳にする「噂話」程度ではないかと思われる。つまり、また聞き、という次元の情報ということである。

で、最も可能性が高いのは、経産官僚、ということかと思われる。どうしてかというと、NISAに割と近くなければならないはず、東電とのやり取りの一部を知る人間が傍にいるはず、ということだからである。
最も大きな要因としては、経済界を中心とした「東電救済スキーム」に関する不満や政権への圧力、という点である。例えばこれが財務省の人間、ということになりますと、保安院と経産省とのやり取りとか、官邸や内閣官房の動きとか、そういうのを把握するのは難しいのではないだろうか、と。


狙いとしては、菅政権への一撃と責任追及であわよくば退陣論を盛り上げてしまおう、というのが最大。そこに至らないまでも、「オレらのいうことをきけ」というのを通そうという為に、菅政権を弱らせることが必要。だから、何かネタがないか、というのを、霞が関内部の情報屋みたいな存在の人間に一報が行っていたのであろう。

初期の頃から言われていたのが、「ベントの遅れは菅総理のせい」というネタだったが、総理到着がベントを遅らせたという説はあまり有力なものではなかった。
そこで、情報屋の彼は別な話を探していた折、あることを聞き及んだ、ということでは。「海水を入れる入れないで、もめてたらしいぞ」みたいな話を。ここからは情報屋の本領発揮です。それとなく情報を聞き出し、NISAの情報も経産省に上がって来たものを仕入れ、東電側の情報についても東電幹部は人脈が豊富なので(財界は勿論、天下り経産官僚の省庁とのパイプも残されている)入手はそれほど困難ではなかったのでは。その辺はよく判らんが、(原発対応で)「もめた」という話としては、目の付けどころは悪くはなかったのかもしれない。


そうして、絵図が出来上がったわけだ。
この情報は早速有力筋に伝えられたのであろう。その対象者は安倍議員だった、と。誰かが手を回した風であると困るから、なるべくそういう形にはしないようにしたわけだ。マスコミを使いたいとも思ったのだが、マスコミ筋は既に「疑いの目を向けられている」ということで、今回は選ばれなかった。
官僚の習性なのかどうかは不明だが、早速の「ご注進」ということで、議員を動かすことに成功した。多分、受ける側の安倍議員も情報を流す側の官僚も、そういうのが通例通りということなので、素早く事が運んだということかもね。

ただ、情報屋の彼が知らないこともあったわけである。
一つは、東電側から「FAXが送られていたこと」だ。
東電側から「海水を入れる」という連絡はあった、ということは判っていた。だが、その連絡方法とか時間帯とかを詳しくは知らなかったのだろう。
もう一つは、「官邸=菅総理のせい」で海水注入を中断したらしい、ということは知っていたが、「官邸=菅総理のせい」ということの実態をよく知っていたわけではなかった、ということだ。「官邸=菅総理のせい」というのは、直接的な命令(指示)として、「海水注入を止めろ」と命じた事実があったとは確認できていなかった。

多分、本店と所長とのやり取りの経過についても知らなかったようなので、東電内部の中枢に近い人間であるという線は薄いのではないかな、と思う。噂話をかき集めてご注進に至った程度の人物であり、彼自身が情報の整理とかをできる能力を有してはいなかった、ということは言えるかも。

ま、これに踊らされている安倍元総理のお手柄、してやったりという感じなのも、残念ではある。追及したから出てきたんだ、よかったじゃないか、という強弁も、間違った指摘を行った可能性が高いことに変わりはなく、かつて前原代表が陥った「ガセネタ・メール騒動」と似てなくもない(当時の小泉総理が国会答弁で「ガセとは…、ネタとは…」とユーモア答弁を披露したあの一件)。
自民党が総力を挙げて取り組んだネタの割には、「ベントが遅れたのは菅総理のせいだ」説が敗退し、今度は「海水注入中断は菅総理のせいだ」説が敗退確定、ということになった、と(笑)。

引っ込みがつかないから、情報伝達のあり方がどうのとか、指揮命令系統がどうのという話を持ち出してくるわけだが、マスコミも含めて情報検証能力に欠ける部分は多いのは同じではないか、と思うわけである。自社の記事のアーカイブを辿れば、かなりのことが分かるはずなのだが、そうした検証を行わないということであろう。


落とし穴はどこにあったかといえば、「海水注入プラン」という話は、官邸ばかりではなくマスコミも含めて、割と早い時間帯からみんな知っていた、ということなのだよ、多分。その情報の出所としては、当時の時点だと東電かNISAとか官邸や内閣官房に詰めている記者たちということであり、だとすると東電からの連絡は行っていたであろうし知ってる人間の数もかなりいたはず、ということになるわな。

先日拙ブログ記事で紹介したsankei bizの記事では、おおよそ午後4時過ぎくらいにはマスコミが知ることとなった状態にあった、ということが推測されるわけですから。更に、官房長官会見の中身を振り返ると、そういえば「海水注入」に触れていたな、というようなことも確認できうるのでは(当方にはその確認手段がないので、判りません)。

やる予定です、みたいに政府会見で言ってるのに、それを政府自身が否定して「注入するな」という命令を出すというのも、やや考え難いことではあると思いますね。


情報屋はこうした経過を振り返るだけのアタマを持ち合わせていなかった、ということなのさ。
噂話みたいな、他人の失態なんかにはついつい飛びついてしまうタイプの人間である、ということだろうね。そして、こうした情報を流すとか利用することで、自分の役に立ててきたような人間である、ということなんだよ。いるんだよね、他人の失敗を利用して、自分の地位向上とかに勤しむようなヤツが。

漫画やドラマでも出てくるんじゃない?
行動原理としては、そういうのと一緒ということなのさ。人間なんて、そんなもんだ、きっと。厭らしい人間ではあるよな。友達にはなりたくないヤツだ。

ケッ。


こういう情報屋を動かせるだけの人間となれば、それは限られてくるわな。
表立っての「免責せよ」みたいな批判は劣勢に立ったから、今度は搦め手からの逆襲ですかな。

一派のヤツラもあの手この手をよく繰り出してきますな(笑)。

それにしても、政府内の防御態勢もあんまり良くはないわな。


当方としては別に誰を支持、というのもないわけだが、どちらも残念ではある。虚しい。
不利益は国民に、ということに変わりないので。



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