周縁から中心への逆転の例
文学:マイノリティーや外部、周縁という視点の設定は重要
漱石の『吾輩は猫である』はその嚆矢と言える
哲学:周縁からの視点で書かれたもの=フーコーの一連の著作
ディアスポラ
「撒き散らされたもの」という意味のギリシャ語に由来する言葉で、元の国家や民族の居住地を離れて暮らす国民や民族の集団ないしコミュニティ、またはそのように離散すること自体を指す。難民とディアスポラの違いは、前者が元の居住地に帰還する可能性を含んでいるのに対し、後者は離散先での永住と定着を示唆している点にある。歴史的な由来から、英語で民族等を指定せず大文字で単に Diaspora と書く場合は、特にイスラエル・パレスチナの外で離散して暮らすユダヤ人集団のことを指し、小文字の diaspora は、他の国民や民族を含めた一般の離散定住集団を意味する。
ある意味で、ディアスポラは、断片的な今を生きる現代人にとっての比喩である。
フランツ・カフカは文学史上どこに位置するのか
カフカが生きた時代の中に位置づけた場合は、ドイツ文学の周縁的な位置にいた作家だったと言えるが、19世紀までの伝統から離れているという点で、新しい時代の文学の創始者
ディアスポラのアイデンティティとは、移動と変容と差異化によってたえず自分自身を再誕生させつづけるような自己意識のこと(マリーズ・コンデ)
マリーズ・コンデ
小説『デジラーダ』(1997):三人の女性は、隔離された定住から移民を経てついには遊動民となって新しい世界を創造してゆく=カリブ海の人間の進化の過程を描き出している
彼女の作品は、しばしば異なる時代の交錯と異なる空間の交錯によって特徴づけられる
=西欧によって規定されてきた近代の「歴史」と「地図」をその根元にさかのぼって更新しようとする彼女の深遠な世界観の産物
「外形的には単一言語で書かれているようにみえる作品でさえ、その内部に異なる言語や文化のハイブリッド(混成的)な交通の痕跡を読みとることができます。作家は母語によって書かねばならないという必然性はありません。」
文学:マイノリティーや外部、周縁という視点の設定は重要
漱石の『吾輩は猫である』はその嚆矢と言える
哲学:周縁からの視点で書かれたもの=フーコーの一連の著作
ディアスポラ
「撒き散らされたもの」という意味のギリシャ語に由来する言葉で、元の国家や民族の居住地を離れて暮らす国民や民族の集団ないしコミュニティ、またはそのように離散すること自体を指す。難民とディアスポラの違いは、前者が元の居住地に帰還する可能性を含んでいるのに対し、後者は離散先での永住と定着を示唆している点にある。歴史的な由来から、英語で民族等を指定せず大文字で単に Diaspora と書く場合は、特にイスラエル・パレスチナの外で離散して暮らすユダヤ人集団のことを指し、小文字の diaspora は、他の国民や民族を含めた一般の離散定住集団を意味する。
ある意味で、ディアスポラは、断片的な今を生きる現代人にとっての比喩である。
フランツ・カフカは文学史上どこに位置するのか
カフカが生きた時代の中に位置づけた場合は、ドイツ文学の周縁的な位置にいた作家だったと言えるが、19世紀までの伝統から離れているという点で、新しい時代の文学の創始者
ディアスポラのアイデンティティとは、移動と変容と差異化によってたえず自分自身を再誕生させつづけるような自己意識のこと(マリーズ・コンデ)
マリーズ・コンデ
小説『デジラーダ』(1997):三人の女性は、隔離された定住から移民を経てついには遊動民となって新しい世界を創造してゆく=カリブ海の人間の進化の過程を描き出している
彼女の作品は、しばしば異なる時代の交錯と異なる空間の交錯によって特徴づけられる
=西欧によって規定されてきた近代の「歴史」と「地図」をその根元にさかのぼって更新しようとする彼女の深遠な世界観の産物
「外形的には単一言語で書かれているようにみえる作品でさえ、その内部に異なる言語や文化のハイブリッド(混成的)な交通の痕跡を読みとることができます。作家は母語によって書かねばならないという必然性はありません。」