漢方学習ノート

漢方医学の魅力に取りつかれた小児科医です.学会やネットで得た情報や、最近読んだ本の感想を書き留めました(本棚3)。

「子どもの体が危ない」

2008年10月06日 23時54分18秒 | 食育
幕内秀夫著、PHP研究所、2007年発行.

「粗食のすすめ」の著者、幕内さんの本です.「子ども」というキーワードに引かれて読んでみました.
内容は基本的に同じようなもので、目新しさはありませんでした.

読み終わって感じた事は・・・
日本って、明治時代から堕落の一途を辿っているような気がします.
江戸時代は鎖国状態でしたから、外国から食料も燃料も輸入せずに生きていた日本人.
しかし、今は食料自給率は40%を下回り、エネルギーも外国に依存している情けなさ.
どうしてこんな風になってしまったのだろう.

著者の主張の基本は「米を食べよう」に尽きます.

女性はダイエットが大好きで、サプリとか食物繊維とかにこっているけど便秘に悩む・・・無関心な中年男性は便秘に悩むなんてついぞ聞いた事がないのは何故なんだろう.
女性は主食の米を少ししか食べないから、食間に体が甘いものを欲しがる.またカタカナ食(パン、パスタ、ピザなど)は油たっぷり.野菜にしてもマヨネーズやドレッシングをひたひたと絡ませてはカロリーが上がるばかり.
一番問題なのは準主食のパン.
パンに合う副食・おかずは高カロリーと相場が決まっている.
パンには小麦は少ししか入っていない.日本の食パンを握って固めれば卵一個分くらいの大きさまで小さくなる.
食パンの原材料を見てみると・・・砂糖、油脂、バターなど、添加物だらけでお菓子と変わらない.
パンが主食の国々では日本のような真っ白でフワフワしたパンを食べていない.
精製した小麦ではなく、未精製の全粒粉を使った硬くて黒いパンを食べている.
日本の小麦ではグルテンが少なくパンは作れないので、輸入小麦が中心(だから今値上がりしている!)だって知っていました?

一方、米をお腹いっぱい食べると、腹持ちが良いので間食をしなくなる、便通が良くなる、油まみれのおかずをとらなくてよくなるので太らない.
長寿国日本を支えている現在の70代、80代の人たちがどんな食生活をしていたか、見直すべきであると書いています.

「子どものおやつには菓子ではなくおにぎりを!」とも提唱しています.
「おにぎりは食べなくて・・・」という子どもは本当にお腹がすいているわけではないのでおやつ抜き!
お菓子は砂糖と油で口当たりを良くしているのでお腹がすいていなくても食べられてしまう・・・これが肥満の原因.

などなど、現在の日本の食生活が歪んでいる事を思い知らされました.

コメント
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