昨今、ダイエット目的や糖尿病食として「ロカボ(低炭水化物食)」あるいは「糖質制限食」が注目されています。
そういう私も、厳格ではありませんが、主食の穀物を食べないというプチ糖質制限を実施しており、体調は?ですが体重は現状を維持しています。
糖質制限関係の資料を読んでいたら「人類全体が糖質制限食(=高蛋白・高脂質食)を採用すると、現状の家畜数では蛋白質が足らなくなる、将来は昆虫食が必要になる」という衝撃的なことが書いてありました。
昆虫食というと、私の頭に浮かぶのはイナゴの佃煮くらい。
そんなところに、こんな記事が目にとまりました;
■ 昆虫食は地球を救う?記者が体当たりレポート 第4次「食」革命
「地球少年」が選んだ「おいしい昆虫トップ5」
(2017年5月15日:日経ビジネス)
連載第1回は「昆虫食」だ。日本では昔から、イナゴや川虫を佃煮などにして食べる文化がある。それが今、オシャレなライフスタイルとして、復活しようとしている?
「次世代の食」を特集で取り上げることになり、まず記者が担当することになったのは「昆虫」だった。調査を始めると、何やら「地球少年」と呼ばれている、昆虫食愛好家がいるという。慶應義塾大学の学生である、篠原祐太さんだ。ラーメン店とコオロギでだしをとった「コオロギラーメン」などを企画しているという。そこでまずは、篠原さんに会ってみることにした。
篠原さんが昆虫に興味を抱いたのは3、4歳の頃だという。好き過ぎて、その頃から昆虫採集や育成だけでなく、食べ始めた。本格的に昆虫食を研究し始めたのは大学に入ってからだ。世界の人口増加によって将来、食料資源が不足し、必要なタンパク質を供給するために昆虫食が注目されているということも知った。そうした将来の可能性を見越してビジネスにしようと、欧米でスタートアップが立ち上がっていることも学んだ。(「世界の食糧危機はコオロギが救う?」)
◇ 「トノサマバッタの酸味に、この虫の一生を感じる」
記者の目の前に置かれたのは2つのタッパー。取材のために、昆虫を使って料理をしてきてくれたという。そこまで言われると、昆虫嫌いの私も断ることができない。
「まずはこっちの方が食べやすいかな」という言葉とともに、篠原さんが蓋を開けたタッパーの中には、乳白色のプリンのようなものが入っている。よく見ると、バニラビーンズのような小さな黒い粒が全体に混じっている。見た目だけでは昆虫が入っているとは気づかない。
「これは何ですか?」(記者)
「まあ、まずは食べてみてください」(篠原さん)
何が入っているか知らされないまま、箸で小指の先ほどの量をすくい、一口食べてみた。少し温くなっていたので、生クリーム特有のまったりとした風味が舌に広がり、ほんのりと紅茶の風味が香る。普通の食べ物と思いながら、味わっていると、最後の方に普通のスイーツにはない酸味を感じた。
記者の怪訝な表情を察知したのだろう。篠原さんは「これはトノサマバッタの粉末を混ぜ込んだパンナコンッタです」と打ち明けてくれた。
◇ トノサマバッタの粉末が入ったパンナコッタ
黒い粒はすべてバッタ粉末だった。記者が感じた酸味の正体は草。バッタは草を食べて成長しており、餌として食べた草の風味が酸味としてパンナコッタの隠し味となっていたのだ。
「この酸味に、バッタが草を食べて生きていたんだという一生を感じることができませんか。これが昆虫食の醍醐味の一つです」(篠原さん)
続いて、蓋が開かれたタッパーには衝撃的な光景が広がっていた。長さ4cmほどのミールワーム(ゴミムシダマシの幼虫)がそのままの姿で入っていたのだ。
「ミールワームのキャラメリゼです」(篠原さん)
あまりの衝撃に篠原さんの説明が耳に入ってこない。先ほどのパンナコッタと比べ、幼虫そのままの姿で今にも動き出しそうだ。思わず箸を持つ手が震えた。しかし、女は度胸、仕事だと心を奮い立たせ、箸でミールワームを1匹つかみ、目を瞑ったまま口に放り込んだ。
キャラメルで表面をコーティングしているせいか、表面は少し硬い。幼虫のような見た目から、中は柔らかいだろうと想像していたが、乾燥していた。2度ほど噛むと、口の中にナッツのような香ばしさが広がった。さらに噛み続けるとエビのような香りに変化した。
正直、ミールワームを口に入れるまでは、飲み込むことができず、吐き出してしまうのではないかという不安を感じていた。なぜなら、テレビ番組で昆虫食に挑戦したタレントが飲み込めず、吐き出す映像を数多く見てきたからだ。
しかし、食べてしまうと、臭みや苦味などはなく、見た目を除けば普通の食品だった。篠原さんは「昆虫食の課題は先入観やネガティブな印象をもたれていること。非常においしいものなど突き抜けたものが出ない限り、ブレークしない」と指摘する。
◇ 記者が感じた「罪悪感」
食べるまでは恐怖を感じていたが、食べ終わった後に感じたのは、意外にも罪悪感だった。牛や豚などの肉では感じたことのない「生き物を食べた」という罪悪感に襲われたのである。
おそらく、スーパーで買ってくる肉を食べても罪悪感を感じないのは、既にカットなどの加工がされており、「生き物」としてあまり意識することなく購入し、食べているからだろう。だが、記者が食べたミールワームは、生きていた時の形がそのまま残っていた。もちろん、キャラメルでコーティングされているとはいえ、「小さな命を丸ごと食べた」という感覚がある。
ちなみに食べた直後は罪悪感を感じるくらいで体調に変化はなかったが、30分後に胃が音を立てながら激しく動き出した。食べ慣れないものを胃に入れたせいか、それとも見た目が衝撃的なものを食べたことを脳が認識したのか、原因はわからない。ただし、その日は大事を取って夕飯を食べずに就寝した。
篠原さんには、食べて美味しい昆虫のトップ5を上げてもらった。そのリストは以下のとおりだ。
篠原さんのような昆虫愛好家を除けば、昆虫はその見た目からそのまま食べることに抵抗を感じる人は少なくないはずだ。記者も、取材前と比べれば昆虫食に対するイメージは良いものに変化したとはいえ、昆虫を日常的に食べるにはまだまだ、精神的にも身体的にも負担が大きくかかりそうだ。
そういう私も、厳格ではありませんが、主食の穀物を食べないというプチ糖質制限を実施しており、体調は?ですが体重は現状を維持しています。
糖質制限関係の資料を読んでいたら「人類全体が糖質制限食(=高蛋白・高脂質食)を採用すると、現状の家畜数では蛋白質が足らなくなる、将来は昆虫食が必要になる」という衝撃的なことが書いてありました。
昆虫食というと、私の頭に浮かぶのはイナゴの佃煮くらい。
そんなところに、こんな記事が目にとまりました;
■ 昆虫食は地球を救う?記者が体当たりレポート 第4次「食」革命
「地球少年」が選んだ「おいしい昆虫トップ5」
(2017年5月15日:日経ビジネス)
連載第1回は「昆虫食」だ。日本では昔から、イナゴや川虫を佃煮などにして食べる文化がある。それが今、オシャレなライフスタイルとして、復活しようとしている?
「次世代の食」を特集で取り上げることになり、まず記者が担当することになったのは「昆虫」だった。調査を始めると、何やら「地球少年」と呼ばれている、昆虫食愛好家がいるという。慶應義塾大学の学生である、篠原祐太さんだ。ラーメン店とコオロギでだしをとった「コオロギラーメン」などを企画しているという。そこでまずは、篠原さんに会ってみることにした。
篠原さんが昆虫に興味を抱いたのは3、4歳の頃だという。好き過ぎて、その頃から昆虫採集や育成だけでなく、食べ始めた。本格的に昆虫食を研究し始めたのは大学に入ってからだ。世界の人口増加によって将来、食料資源が不足し、必要なタンパク質を供給するために昆虫食が注目されているということも知った。そうした将来の可能性を見越してビジネスにしようと、欧米でスタートアップが立ち上がっていることも学んだ。(「世界の食糧危機はコオロギが救う?」)
◇ 「トノサマバッタの酸味に、この虫の一生を感じる」
記者の目の前に置かれたのは2つのタッパー。取材のために、昆虫を使って料理をしてきてくれたという。そこまで言われると、昆虫嫌いの私も断ることができない。
「まずはこっちの方が食べやすいかな」という言葉とともに、篠原さんが蓋を開けたタッパーの中には、乳白色のプリンのようなものが入っている。よく見ると、バニラビーンズのような小さな黒い粒が全体に混じっている。見た目だけでは昆虫が入っているとは気づかない。
「これは何ですか?」(記者)
「まあ、まずは食べてみてください」(篠原さん)
何が入っているか知らされないまま、箸で小指の先ほどの量をすくい、一口食べてみた。少し温くなっていたので、生クリーム特有のまったりとした風味が舌に広がり、ほんのりと紅茶の風味が香る。普通の食べ物と思いながら、味わっていると、最後の方に普通のスイーツにはない酸味を感じた。
記者の怪訝な表情を察知したのだろう。篠原さんは「これはトノサマバッタの粉末を混ぜ込んだパンナコンッタです」と打ち明けてくれた。
◇ トノサマバッタの粉末が入ったパンナコッタ
黒い粒はすべてバッタ粉末だった。記者が感じた酸味の正体は草。バッタは草を食べて成長しており、餌として食べた草の風味が酸味としてパンナコッタの隠し味となっていたのだ。
「この酸味に、バッタが草を食べて生きていたんだという一生を感じることができませんか。これが昆虫食の醍醐味の一つです」(篠原さん)
続いて、蓋が開かれたタッパーには衝撃的な光景が広がっていた。長さ4cmほどのミールワーム(ゴミムシダマシの幼虫)がそのままの姿で入っていたのだ。
「ミールワームのキャラメリゼです」(篠原さん)
あまりの衝撃に篠原さんの説明が耳に入ってこない。先ほどのパンナコッタと比べ、幼虫そのままの姿で今にも動き出しそうだ。思わず箸を持つ手が震えた。しかし、女は度胸、仕事だと心を奮い立たせ、箸でミールワームを1匹つかみ、目を瞑ったまま口に放り込んだ。
ミールワームのキャラメリゼ。ナッツとエビのような香りのハーモニー
キャラメルで表面をコーティングしているせいか、表面は少し硬い。幼虫のような見た目から、中は柔らかいだろうと想像していたが、乾燥していた。2度ほど噛むと、口の中にナッツのような香ばしさが広がった。さらに噛み続けるとエビのような香りに変化した。
正直、ミールワームを口に入れるまでは、飲み込むことができず、吐き出してしまうのではないかという不安を感じていた。なぜなら、テレビ番組で昆虫食に挑戦したタレントが飲み込めず、吐き出す映像を数多く見てきたからだ。
しかし、食べてしまうと、臭みや苦味などはなく、見た目を除けば普通の食品だった。篠原さんは「昆虫食の課題は先入観やネガティブな印象をもたれていること。非常においしいものなど突き抜けたものが出ない限り、ブレークしない」と指摘する。
◇ 記者が感じた「罪悪感」
食べるまでは恐怖を感じていたが、食べ終わった後に感じたのは、意外にも罪悪感だった。牛や豚などの肉では感じたことのない「生き物を食べた」という罪悪感に襲われたのである。
おそらく、スーパーで買ってくる肉を食べても罪悪感を感じないのは、既にカットなどの加工がされており、「生き物」としてあまり意識することなく購入し、食べているからだろう。だが、記者が食べたミールワームは、生きていた時の形がそのまま残っていた。もちろん、キャラメルでコーティングされているとはいえ、「小さな命を丸ごと食べた」という感覚がある。
ちなみに食べた直後は罪悪感を感じるくらいで体調に変化はなかったが、30分後に胃が音を立てながら激しく動き出した。食べ慣れないものを胃に入れたせいか、それとも見た目が衝撃的なものを食べたことを脳が認識したのか、原因はわからない。ただし、その日は大事を取って夕飯を食べずに就寝した。
篠原さんには、食べて美味しい昆虫のトップ5を上げてもらった。そのリストは以下のとおりだ。
篠原さんが選ぶ美味しい昆虫トップ5
篠原さんのような昆虫愛好家を除けば、昆虫はその見た目からそのまま食べることに抵抗を感じる人は少なくないはずだ。記者も、取材前と比べれば昆虫食に対するイメージは良いものに変化したとはいえ、昆虫を日常的に食べるにはまだまだ、精神的にも身体的にも負担が大きくかかりそうだ。