日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

「玄米せんせいの弁当箱」

2009-09-29 21:33:05 | マンガ
作者:魚戸おさむ、北原正紀

一言でいえば「食育マンガ」でしょうか。
大学講師を務める結城玄米(通称「玄米せんせい」)が生徒達に「食べることの意味」をいろんな形で教えていきます。
といっても堅苦しい内容ではなく、ぼくとつな雰囲気の彼が、大学内の畑を生徒と共に耕して作物を作るとか、そんなところから毎回始まります。

目指すべきはシンプルな和食。
私が読んできた食物関係の書籍と同じ方向です。

食物自給率や農薬問題にはフムフムと頷けるのですが、食物を作る・料理を作る段になると、私自身縁がないもので話がわからなくなってしまうのが残念です。
「家の手伝いより勉強しろ」と言われ続けた歪んだ家庭内教育の弊害でしょう。
え? 今からでも遅くないから作れって?

目から鱗が落ちた場面5つ。

■ 幼稚園児が自分たちで作った人参を食べるとき「ニンジンさんがかわいそうだよ~」と泣く子どもに対して「ニンジンの命は君の体の中で生き続けるんだよ」と諭すところ。

■ 母乳の味は母親の食生活がダイレクトに反映されるお話。お母さんは自分で味見をしておいしくなる食事を心がけましょう。
・・・お父さんも味見してましたね。

■ コメを食べましょう。白米より玄米が栄養価・食物繊維多量という点でよいでしょう。便秘も解消します。
・・・これは私も外来で便秘の患者相手に毎日言っていることです。

■ 何でも丸ごといただきましょう。キャベツの芯やタマネギの皮は栄養価に優れており、上手に調理すればおいしくいただけます。捨てるなんてもってのほか。
・・・エスキモーはトナカイを全部食べます。野菜のない食生活でも栄養バランスが崩れない理由がそこにあります。内臓(特に肝臓)は野菜の栄養価と似たところがあるそうです。

■ 家族揃っての食事は家庭愛を育むところ。

ただ、「玄米せんせい」というネーミングの割には玄米の蘊蓄はサラッとしか書かれていませんでした。
魚戸さんの過去の作品に「家裁の人」というマンガがありました。
主人公の雰囲気が似てますね。


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