日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

浦沢直樹の「漫勉」(NHK)

2016-08-28 03:27:54 | マンガ
録画してあった番組を年単位の遅れで視聴しました(^^;)。
漫画家の製作現場に乗り込んで撮影し、手の内を暴く(?)という内容。
文句なしに面白い!
世界中の日本漫画ファンから注目されること間違いなし。
こういう視点で紹介する番組は今まで皆無だったので、新鮮でした。



漫勉とは
世界中に熱狂的なファンを持つ、日本の「マンガ」。
漫画家が、白い紙にドラマを描き出す手法は、これまで門外不出のものだった。
さらに漫画には、決められた手法はなく、漫画家それぞれがまったく違うやり方を、独自に生み出していると言う。

この番組は、普段は立ち入ることができない漫画家たちの仕事場に密着。最新の機材を用いて、「マンガ誕生」の瞬間をドキュメントする。
そして、日本を代表する漫画家・浦沢直樹が、それぞれの創作の秘密に、同じ漫画家の視点から切り込む。

日本の漫画家のペン先を、世界に届ける。
それが「漫勉」。


第一回は2人の漫画制作の現場を撮影。

1.かわぐちかいじ



代表作は『沈黙の艦隊』。

まず、漫画家がシャーペンを使っていることに驚きました。
鉛筆を使っているものとばかり思い込んでいましたので。
かわぐち・浦沢ともに「B」のシャーペンだそうです。
一時、浦沢がHBへ変えてみたら「どうもしっくりこない」とすぐにBに戻したとか。

浦沢:「○○作品あたりで、眼が大きくなりましたよね。その時、あ、この人SFが描けるんじゃないか、と思った矢先に沈黙の艦隊が登場しました」
かわぐち:「編集者の意見で、眼を大きくした方が表情が豊かになりわかりやすいと言われ、描いてみたらなるほどなと思った。すると、海外を舞台にしたマンガも書けるような気がしてきた」
と興味深いやり取りがありました。

あと、鼻の描き方はマンガの鬼門で、正面の顔は難しいという話題で盛り上がりました。
江口寿史(『すすめ!パイレーツ』)は鼻梁を描かず、小さく鼻の穴の陰だけで表現した。これは漫画界にとって大きな変革だった。
なるほど。



つげ 忠男(つげ義春の弟)の名前が出てきたり、漫画界の知られざる歴史も垣間見えました。



2.山下和美
代表作は『天才柳沢教授の生活』。



少女マンガから少年マンガへ移行した珍しい作家。

製作現場は、まさに“産みの苦しみ”を体現している、凄まじいものでした。
同じ年の浦沢直樹と「うんうん、このつらさよ〜くわかる」という同級生トークが面白かった。
影響を受けた漫画家の中に岩館真理子さん(『ふたりの童話』が好きでした)の名前も出てきて、懐かしかった。

このシリーズ、他にも録画していたかなあ。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。