寒くも無し、暑くも無し
少し陽ざしが柔らかいから
こんな日は、私の特別なさんぽ日和になるはずだった
いつもとは違う路地裏を歩き
用水路の両脇が遊歩道になっていて
あと20日もすれば桜並木が美しいさんぽ道
その傍らに小さな公園がある
今日は土曜日ということもあり
親子ずれの数組とすれ違い歩く
3mほど前で
幼子が大泣きしてる
何があったのだろう?
その子は泣きながら転んだ
いちだんと大きな叫び声になる
その子を抱き起そうかと思った時
昔の苦い経験を思い出して
泣き叫ぶ子に
<どうしたの?>
かけ声だけかけて
子供には手を触れなかった
と、いうより
出来なかったのだ
昔、同じような状況下で
子供に触れて
嫌な経験をしたのだ
人間の価値観とは恐ろしい部分もある
私は親切心から子供に触れたのだが
その子の母親は
私が誘拐犯だとでも思ったか
私をにらみつけたのだ
ふと、同じ状況になるのではと
心に苦い経験がよみがえり
心が曇りがちの
さんぽ道
コーヒーの苦さも増した
今の世の
生きる難しさを考えて