<静かなる黄金の日々>
静かなる朝のひととき
かすかに匂いくる
名も知れぬ花
香しき香りに目覚めて
ただひとりの時間
狭くて小さいはずなのに
物があふれているはずなのに
憂鬱な空間だけが広がりをみせる
静かに静かに時を刻んで行く
無駄な抵抗だと知りながらも
この時よここに留まってよと願う
世は黄金の日々だと言う
この季節はこの心だけが
揺れて少しだけ
虚しさと寂しさがつのる
たくさんの思い出が
ひとりあるきする
孤独を誘う静寂の朝
願わくば
私を夢の中に
留めていて
めざめないように
冷えた体をなでて行く
弱い風が少しだけ痛い
無限なる想い
光さす道しるべ
ただうつろいながら
漠然と待つ日々
<アラスカでの原野を歩く>