さなえのうた

歌いながらあちこちに出没します♪

アポジャトゥーラ(倚音)

2020-08-10 | オペラ研究
~~~ アポジャトゥーラ ~~~

フィガロの歌い出しと違って、
スザンナの歌い出しのメロディーには、アポジャトゥーラ(倚音)が多用されています。
レーードシーラシドーシドレー♪ でいいのに、
レーードドシラシレドシドミレレ♪ と、いちいち2度上を引っかけます。

これが優美さを増していると感じます。

彼女が子供ではなく、大人の女性であること、
ただの女性ではなく、特別な女性であること、
ただの侍女ではなく、伯爵夫人の第一侍女であること。

いろいろなことを感じさせるような気がします。

なので、このアポジャトゥーラ(倚音)には決して、
アクセントをつけてはいけないと感じます。
あくまでレガートに、歌いたいと思います。

アクセントをつけて歌ってしまうと、飛び跳ね過ぎてしまうような気がするのです。
楽譜上も、アクセントはついていません。
もちろん、わざわざ実音でアポジャトゥーラ(倚音)がついているので、
キラキラと輝かさせなければなりません。

喜びが溢れているけれど、ジャンプしていないイメージ。。。
ハッピーというより、満足。。。
スザンナの満足感。。。



~~~ 音域 ~~~

しかも、最初のフレーズと2番目のフレーズは、
ラ・シ・ド・レ・ミの5度の中で、2度進行を主として構成されています。
これって、結構重要。

ウォーミングアップとして、最高なのです。

なぜなら。
イタリア語でパッサッジョと呼ばれ、英語ではチェンジと呼ばれる声域転換の場所が、
たいがいの女声ではこのラからミまでの5度以内に含まれています。
このチェンジ(声域転換)が、
レーードシーラシドーシドレー♪ でいいのに、
レーードドシラシレドシドレー♪ と、いちいち2度上を引っかけていることにより、
やり易いのです。



~~~ ウォーミングアップ ~~~


さあ、この最初の二つのフレーズを
ウォーミングアップのつもりで、
ガルシアエクササイズのつもりで、歌いましょう!

このアポジャトゥーラを優美に歌いましょう!
メッツァヴォーチェで歌い出しましょう♪


このオペラは4時間程度かかります。
すべてのアンサンブルに、スザンナは登場します。

モーツァルト先生のお導きによって、
素敵なスタートを切りましょう♪



・・・・・・やっぱり愛人だったのかなぁ???
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G-Durのワクワク~Figaro Nr.1

2020-08-10 | オペラ研究
調性とその性格については、
特に魔笛やフランスものなどで語りたくなってしまいます。
フィガロでは、まだそんなに目立った特徴とは言えないとも思うのですが、
1番2重唱がG-Dur(ト長調)であることは触れておきます。

魔笛では、パパパの2重唱がG-Dur(ト長調)です。
たくさん子供を作りましょう♪とパパゲーノとパパゲーナが歌う曲ですね。

フィガロが歌い出す直前、16分音符の分散和音はコードG(ソ・シ・レ)。
G-Dur(ト長調)のトニックコード(主和音)です。
Ⅰの和音ともいいます。
が、歌い出しはコードD(レ・ファ#・ラ)。ドミナント(属和音)です。
Ⅴの和音ですね。
2小節ごとにⅠ→Ⅴ→Ⅰ→…と和音が変わります。
アルペジオのワクワク感を抑えようとするかのように、
コード進行はゆっくりです。
しかもフィガロは属和音(コードD)から歌い始めます。
歌い終わりは主和音(コードG)ではなく、
直前にC音(ド)ではなくC#音(嬰ド)が使われ、
コードA7(ラ・ド#・ミ・ソ)からコードD(レ・ファ#・ラ)と進行し、
まるで、D-Dur(ニ長調)に解決したかのようです。

スザンナが3拍目から歌い出します。
が、D-Dur(ニ長調)の主音であるD音(レ)から歌い出しておいて、
直後にC#音(嬰ド)ではなくC音(ド)を使い、
すぐにコードGになってG-Dur(ト長調)に戻っています。
しかも、2拍ごとにⅠ→Ⅴ→Ⅰ→…と和音が変わります。
アポジャトゥーラ(倚音)と8分音符に紛れて見落としがちですが、
コード進行を見ると、スザンナの方が激しいです。
小節頭は必ずコードG。
『G-Dur(ト長調)だよ~(^^♪』と、念を押しているかのようです。
加えて、contenta(満足)の単語で、
バイオリンが16分音符のスケールを演奏します。
『めちゃめちゃハッピー(^^♪』のフレーズなどと称されます。(さなえ談)
スザンナのワクワク感が、目立たないけれど溢れているのです。

結婚式当日を迎えた男女のワクワク感。
キラキラさせながら、歌いたいと思うのです♪
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