さなえのうた

歌いながらあちこちに出没します♪

スザンナの歌い出し①~最初のフレーズの母音練習

2020-08-14 | オペラ研究
さて。アポジャトゥーラの多用を踏まえた上で、練習します。

~パッサッジョ(声区転換)~

スザンナの最初のフレーズ『Ora sì ch'io son contenta』は、
ラ・シ・ド・レ・ミの5度で構成されています。
この中にはパッサッジョ(転換点または声区転換)が含まれます。

頭声で出しやすい音域と、
地声や胸声で出しやすい音域。
この転換点を、またはこの転換点を超える声区転換を、
イタリア語でパッサッジョ、英語でチェンジと呼びます。
先ず、この転換点をスムーズに超えられるように練習…。

地声や胸声ではなく、女声として、頭声メインで歌うためには、
一番高い音であるミからアプローチするとやり易いです。
なぜなら、転換点よりも高く、頭声音域にある音だからです。
ミレドシラと、高い音から2度ずつ下降して、
同じ音質になるようにします。

地声や胸声で一番低い音から始めて、
ラシドレミと強引に上行してはいけません。
喉を壊します。

ミクストボイスを多用するポップスは…その話はまたいつか。


~頭声で転換点を超える~

ミやレの辺りは、パッサッジョ(転換点)のすぐ上くらいなので、
ふわっと頭声で出しやすい音域です。
力ずくで張って出さずに、ふわっと(^^♪
パッサッジョ(転換点)の下は地声や胸声で出しやすい音域です。
クラシックでは地声や胸声をメインにせずに、
全ての音を頭声メインで仕上げましょう(^^♪

ミレドシラ…
途中で落っことさないように注意!
途中で音色が変わっていないかな?

出来るようになったら、ミレドシラシドレミと、
最高音から始めて最低音に下降し、続けて最高音に上昇してみます。

同じ音色に戻ってこれているかな?
同じ音質、同じ品質?

…録音などを聞いて、チェック。


~練習あるいはウォーミングアップ~

出来るようになったら、ミレドシラシドレミレドシラシドレミと
行ったり来たり、上がったり下がったりを、繋げて繰り返してみます。
早めの速度で、途切れずに続けて何度も。
スムーズに行くかな?

パッサッジョをスムーズに。

本番前、楽屋やトイレや発声室では、
もっとしっかりウォーミングアップできますが、
出番直前、スタンバイの袖でも、
ハミングでウォーミングアップできます。

ふんふんふんふんふん。
ミレドシラ。

遠征先のホテルの部屋でも、
これくらいの歌は許されるでしょう。
1番の前奏が鳴り始めた後でも、演技をしながら、
ばれないようにウォーミングアップできるかもしれません。


~母音~

フンフンフンと、鼻歌のようなハミングで練習したら、
母音でも練習します。

得意な母音からでいいと思いますし、
気分でいいとも思います。
なんとなくアから始めるのもいいと思います。

はっはっはっと、Hの子音を混ぜた方が音は取りやすいです。
が、最終的にはHを入れないのが理想です。
一筆書きのようにラシドレミが描けるようにします。
あ~~~~という感じです。
文字だと切れ目がありますが、切れ目のタイミングで音が変わっているだけで、
歌はレガート、つながっています。
レガートには『鎖のように繋がって』という意味があります。(さなえ訳)


~考えない!!!~

口の形が横に開き過ぎないように、
喉を開けて。
力ずくでやらずに、リラックスして…。

考えてしまうと固まっちゃいます。
なので、考えない!

歩くのと一緒です。
考えない!



~最初が良ければ全て良し~

スザンナの最初のフレーズ『Ora sì ch'io son contenta』には、
パッサッジョ(転換点)が含まれています。

u以外の全ての母音が含まれています。
nのハミングも含まれています。

スザンナの最初のフレーズがスムーズに歌えることを確認します。

パッサッジョ(声区転換)がスムーズなら、
スザンナの最初のフレーズがスムーズに歌えるなら、
フィガロ全曲ばかりではなく、全ての曲は無理なく歌えます。

Ora sì ch'io son contenta!!



※パッサッジョあるいはチェンジを
頭声音域から胸声音域またはその逆へと転換する場合には声区転換と訳し、
その声区転換が起こる点を転換点と訳しました。
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