かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞 1の44

2020-08-02 11:34:27 | 短歌の鑑賞
    ブログ版清見糺研究      モロッコ紀行
      参加者:田村広志、寺戸和子、金子田鶴子、鹿取未放                                                 

44 成り成りて成り余れるをもてあますアトラス山脈およおよと越す
           「かりん」97年1月号

★ アトラスは自分だろう。男性性(田村)

 (初出) 成り成りて成り余れるをもてあますさまのアトラス越えてサ         ハラへ        うしの会「モロッコ私紀行」

 清見糺が旅行後同行者に配布した「モロッコ私紀行」(「うしの会」にも掲載)によると、アトラス山脈は2000~4000メートルくらい、バスで越えたことが分かるがけっこう険しい道もあるらしい。「古事記」の国産みの神話を下敷きにして、アトラス山脈をユーモラスに捉えている。また、「およおよと」もアトラスの高さや嶮しさを驚きと共に面白がっているおもむきがよく出ていてる。なお、初出歌はかりん掲載歌に比べると下句が説明的に過ぎるだろう。推敲後の方が上句の引用のおかし味を下句でよりふくらませ、旅の開放的な気分を大いにかもし出している。(鹿取)



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