かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞  249

2021-06-26 19:57:23 | 短歌の鑑賞
 渡辺松男研究まとめ30(2015年8月)
        【陰陽石】『寒気氾濫』(1997年)103頁~
         参加者:石井彩子、M・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
         レポーター:石井 彩子 司会と記録:鹿取 未放


249 靴下を脱ぐありふれた所作ながらありありと君の足裏あらわる 

     (レポート)
 谷崎潤一郎の耽美的な小説の一節を思わせる。ずっと、君のありふれた所作の終わるまでを、作者は眺めているのであろう。あらわれた君の足裏は、その後の性愛の場面を予感させるかのように生々しく、官能的である。(石井)


     (当日意見)
★谷崎の小説って「卍」でしたっけ?足の指を執拗に愛撫するんですよね。この歌は、こ
 れだけ読むとさらりとしていて、谷崎のねっとりした視線と違って清潔感がありますね。
    (鹿取)
★下句の「ア音」の韻に、うっとりとした高揚感が表れていると思います。(慧子)
★なめらかですね。(石井)

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