しりとりのルール

その昔、車内でＤＶＤなんて、思いもしなかった頃。
私が子供とよくやったのがしりとり。

眠気防止に最適よね。

北海道でレンタカーを借りたはいいが、カーナビがついてるだけで
テレビもラジオもなし。

千歳から旭川まで、高速道路を使っても三時間。
私は助手席で、すっかり睡眠準備だったが
闘魂ちゃんが旦那としりとりをはじめた。

このふたりは普段から寝つきがよく、夜しっかり眠るので
日中、とても元気。
買物のためなら、どこまでも歩いてゆくスタミナの持ち主。

旦那の事は闘魂ちゃんにまかせて、私はゆっくり眠れると思っていた。

ところがぎっちょんキリギリス。
このふたりのしりとりがサイテー。

まず相手の言った言葉を覚えてない。
次、やたらと『り責め』をする。

　　※り責め・・・語尾が『り』で終わる言葉でせめる事。

そして最後が極め付け。
伸ばす言葉をすべて母音と判断する事。

たとえばレンタカーというと、次は「ア」ではじまる言葉だと思っている。


アンタそんなバカな話がありまっかいな。

レンタカーやったら、次は『カ』やろ。


とか心の中でつっこみいれながら、なんとか眠ろうと目をつぶっていたのだが


旦那が何回目かの『すみれ』を言い
言ったあとで「あぁスマンスマン。父さん、さっき『すみれ』ってゆったわ」と
こたえたのにもかかわらず、その十分後、また『すみれ』と・・・


とうとう温さん、ぶちきれたね。


「お前ら、さっきから何回すみれってゆうねん。
なんで気づかへんのや、闘魂ちゃん。
相手の言った言葉を覚えてなかったら、勝負がなりたたんやろッ

それにな、ほんの十分ほど前。

『すみれってさっきもゆうたな、ゴメン』とゆうたそばから
すみれってゆうなぁ～～このボケら！」

その後も、果てなく続くしりとり。

同じ「果てなく」なら、地平線の方がいい。

ありゃマジで、かっこよかったッす。