春の眺 柳は緑 花は紅

2009-03-13 21:25:30 | まったりコーナー
先のネコヤナギから続き、柳のお話を少しばかりさせてくださいませ。

「三月三日は、うらうらとのどかに照りたる、桃の花のいま咲き始むる。柳こそおかしきこそさらなれ」と、清少納言も、春の色鮮やかな柳を称えております。

この場合の三月三日は陰暦ですから、今でいえば四月に入ってからなのでしょうね。柳が芽吹いてから、緑がいっそう美しくなるのは。。ですからもっと先になりますけれど。日本でヤナギといえば、’枝垂れ柳’をさすそうです。別名がイトヤナギ。

柳腰、柳眉、柳髪などと、元々女性に関連する色っぽい形容詞に使われるようです。

♪あれ見やしゃんせ青柳の糸もどうやら東風(こち)吹く風に誘われたさの枝ぶりもあだな笑顔に月の眉~♪(小唄)

                                           
     



         涅槃西風一切皆空と吹きつけり    空見
           (ねはんにし/いっさいみなくうと/ふきつけり)
          



(※涅槃西風=ねはんにし 涅槃会<旧暦二月十五日>前後に吹く西風。俗に西方浄土からの迎え風といわれるが、この風が吹くと寒さが戻るという)

☆これから明日にかけて、天候が大荒れになるようです。皆さまもどうぞご注意なさってください☆


 こちらも (追記・14日)

瀬戸内寂聴さんといえば、今や押しも押されもせぬ立派な方ですが、あの方にもかつて懊悩煩悶の修羅の刻(とき)があったのですよね。

私が一番鮮烈に思い起こすのは、ある日突然、夫に暇乞いをした情景です。まだ冬だったのでしょうか、家族三人揃って、コートにマフラーや手袋といういでたちでした。

道の途中で、夫に頭を下げる妻。「お願いですから、私を’自由’にしてくださいませんか。どうかお願いします」と。

夫は「子供を連れて行くことは許さん」と言います。頷いて背中を見せた妻に、追い討ちをかける言葉が。「今おまえが持っている物、着ている物を置いてゆきなさい(私の収入で買ったものなのだから)・・」

彼女は黙ってバッグを置き、帽子やコートやマフラーもとり、目の前の道に畳んで置いた。しかし、夫の眼は「まだ」と言っていた。セーターやスカート、靴までも脱いで前に置いた。

その後ほとんど肌着姿のまま、何もかもを振り捨てるように、凍える寒さの中で線路わきを走り続けた。・・と、まぁこんなシーンをイメージしています。事実は違うかもしれませんので、その時はどうぞお許しくださいますように(゜艸゜*)


      凍返る修羅の刻(とき)過ぎ修羅に遇ふ    空見
(推敲句)凍返る時間(とき)過ぎてまた修羅に遇ふ  
        (いてかえる/ときすぎてまた/しゅらにあう)


一方、脚本家の橋田壽賀子さんは全く逆ですね。オトコ社会の中で、若い頃からずっとオンナ一人で頑張ってきて・・。

それが縁あって結婚できたこと、夫という人にご飯を食べさせてもらえることを、ただ感謝していたようです。

夫がご飯を確保してくれるので、もう嫌な仕事はしなくてもよくなった。好きな仕事だけ選んでする、結構な身分になれたのだ、と。

夫が仕事から帰ってくる足音を聞くと、急いで原稿用紙その他の仕事道具を箱に仕舞い、’普通の主婦の顔’になって夫を迎える。

夫は、家で妻が原稿用紙を広げているの見るのを、とても嫌ったからだった。それに関して、彼女は’当然のこと’と受け止めていた。

夫が会社に出勤してしまえば、後は自分の好きな仕事をしていられるのだから、こんなアリガタイことはない、と。これって、う~ん「パートタイム・ライター」かなッ?

橋田さんは、夫の女性関係にも恬淡としておられたようです。ご主人が亡くなられた時、「隠し子の一人や二人出てくるだろうと覚悟していたンだけど、居なかったみたいね~」だなんて。

もしも私がそのときどきの立場だったならば・・と想像すると、「服を脱いでから行け」と夫に言われた瞬間に、すぐに挫けるような気がします。たぶん「ごめんなさい」をしつつ、心ならずももとの鞘に(笑)

やはり身の丈に合って気楽でいられるのは、今のような「パートタイム・ブロガー」だからでしょうか。むろん’仕事’などではありませんけれど。。

夫の車が帰ってきた音がすると、急いでPCを消して玄関を開け、何事もなかったかのように、’普通の主婦の顔’をしています。スミマセン、それがどうした~!というような、たいへん締まらない処で終りとさせていただきます(='m')



   紙粘土のお地蔵さん




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32 コメント

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こんばんわ (オコジョ)
2009-03-13 22:53:39
滝に虹が写っているようですね。
春を感じさせますね。

沢登が好きだったのでこういう写真は好きです。

若いときは、滝を見るとどう登ればいいかと・・・
今はきれいだなと・・・

昔何かの本で読んだ俳句を思い出しました。

この山を愛しつ泉に口づけす

たしか中学生の句だった様な・・・
こんな素直な句が詠みたいのですが・・・
何か遊びのような俳句になっていくようなのでしばらく休みです。
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訂正 (オコジョ)
2009-03-13 22:57:57
上の句・・・
この山を愛し泉に口づけす

だったかもしれません。
もう40年も昔の記憶なので・・・
返信する
ヤナギ (山小屋)
2009-03-13 23:05:35
「♪植えてうれしい 銀座の柳  江戸の名残の うすみどり・・・♪」
この2代目が銀座で立派に育っています。
「風に柳」は何ごとにも逆らわないで生きている空見さんのようです。

明日は東風(こち)ならぬ西風(にし)が吹くようです。
佐倉歩きは日曜日に延期になりました。

春の音 掻き消すように 西風(にし)が吹く 山小屋 
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オコジョさんへ (空見)
2009-03-14 00:23:06
こんばんは

(='m')ウフッ 滝の所、虹に見えるでしょ。o@(^-^)@o。ニッコリ♪

>この山を愛し泉に口づけす

これは当時の中学生の句ですか?素敵な句ですね、純粋で無垢な魂が感じられて感動しています。とても山を愛していた人なのですね。ありがとうございました
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山小屋さんへ (空見)
2009-03-14 00:32:47
こんばんは

「柳に風」と生きられたら、どんなに良いでしょう♪

今は雨が止んで、不気味な感じで静かです。夜中から荒れるのでしょうか。いずれにしても、明日は大人しくしていたほうが無難ですね。

>春の音掻き消すように西風(にし)が吹く  山小屋 

ひぇ~驚きの進歩でございますわね~とうとう山小屋さんもハイカイ氏に?(笑)いえいえ、立派な俳諧師です(∩.∩) ありがとうございました
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おはようございます (siawasekun)
2009-03-14 06:19:30
「涅槃西風一切皆空と吹きつけり  空見」、・・・・・・。

景色と句、・・・・・・。
いいものですね。

応援ポチ。。
今1位でした。
嬉しいものですね。
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こんにちは♪ (流星)
2009-03-14 10:59:56
涅槃西。またもや使ってみたい季語が~♪
>涅槃西風一切皆空と吹きつけり    空見
無常観のある渋い句ですね!(ステキ
日本は、今、荒れ模様のようですね。
春の嵐とか、冬将軍の戻りとか。。
お風邪など召さぬようにね~♪
(ポチっと応援♪
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siawasekunさんへ (空見)
2009-03-14 11:16:03
おはようございます

最近ゴブサタで失礼致しておりました(;^_^A アセアセ・・いつも苦し紛れの句なので、お恥ずかしいばかりです~!

応援いただけて感謝ッ、でも元々写真も俳句も駆け出しの素人で、<写真俳句>の看板を出すなど、たいへんおこがましいわけなのですネ。あぁ悩みまする~、いろいろありがとうございました
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流星さんへ (空見)
2009-03-14 11:25:04
おはようございます

いやはや、底に穴の開いた痴れ者@空見、恐縮に存じまするw~
「使ってみたい季語」、ありがとうございます、アワアワ(笑)
ワタクシも、「花筏」でそのうちナニヤラ・・と。今日のお天気は・・’陰惨’な景色ですヨ。そんなに寒くはないですけど、外には出られませんね。毎日の応援ありがとうございます~o(*^-^)o 感謝
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こんにちは (克ちゃん)
2009-03-14 12:14:18
琵琶湖に春を告げる行事「びわ湖開き」の今日、
大津は大荒れの天候で、
柳に風と受け流せそうにないくらいの強風が
湖岸に吹きつけております(>_<)

世の一切は実体を持たない「空」・・
しかし、それはまた'縁’を紡ぐ「空」でもありますね
人との縁は大事にしたのものです、、

で、柳の句でワタクシが好きなのは
<柳からももんがあと出る子かな> 小林一茶
この'かるみ’が実にいい♪



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