夏井いつき/かつて龍でありし山ざくらと聞きぬ
渡辺州麻子/折鶴の胸はからつぽ春の星
加根兼光/雪深し私に聞こえにくき耳
岡田一実/底冷やみづを大きくふるはす木
杉山久子/糸とんぼ糸のからだをかさねをり
(オマケ)↗
寒すばるは頭上に在ると思ふべき/青萄 (山口新聞俳壇)
. . . 本文を読む
夏井いつき/花は水にふれたく水はゆくりなく
都築まとむ/満開の花は疾くに醒めている
雪うさぎ/いつの日かわたしのゐない花の庭
希望峰/雪片を次々逃がす大樹かな
鞠月けい/黒髪に許されてまだ雪でいる
妃の衣の空五倍子色や冬ぼたん/青萄
(ひのきぬのうつぶしいろやふゆぼたん)
後宮に開かぬ絵襖雲雀笛/青萄
(こうきゅうにあかぬえぶすまひばりぶえ)
. . . 本文を読む
夏井いつき/花びらへ亀浮き上がりくるゆらぎ
都築まとむ/光らねば蛍こんなに軽いのか
大塚迷路/着水の水鳥水を疑わず
矢野リンド/青空のそこだけ静か昼の月
雪うさぎ/あれは風いいえ笙の音雛の夜
草駒返るあんまりな世の中だ/青萄 (一句一遊・水曜日/兼題・駒返る草)
山焼のからから黒き蟲に艶/青萄 (ポスト・人/兼題・山焼)
山焼に焼かるる蟲の呪音ぢゆ/同
. . . 本文を読む
兄面の兄恨めしき唐辛子/三原瑛心
日記買う姉の意地悪書くために/同
かき氷弟らしくない自分/同
震(ゆ)れながらテレビの地震速報待つ/寺井谷子
佇立していし息詰めていし春夜の地震/同
緊急地震速報奔る春の闇/同
しづかだねだれもゐないね蝌蚪の国/永瀬十悟
ふくしまの子として生まれ入園す/同
除染袋すみれまでもう二メートル/同
. . . 本文を読む
鉄さびの稗の高さや地上戦/優空(俳句界2月号/兼題・地/高橋将夫選・佳作)
鳴動の地にもあそぶ子赤のまま/優空(同 田島和生選・佳作)
一枚の水に乗りたる下り鮎/優空(同 雜詠/古賀雪江選・佳作 同 山田佳乃選・佳作)
松過ぎてはや偏屈のもどりけり/大牧 広
わが咳の失政に似てたてつづけ/同
恋猫に不整脈などなかりけり/同
. . . 本文を読む
見渡せば綺羅もさみしき鷹野なり/青萄(俳句ポスト・兼題・鷹狩/人)
どこまでも鷹野どこからか頼朝 同
和魂(にぎたま)の一打に淑気錦織圭/青萄(いつき組新聞・兼題・淑気/佳作)
ヘリ飛んでばつた千匹爆笑す/優空(俳句界2月号・雜詠・夏石番矢選/秀逸)
灯を消して独りの夜やつづれさせ/三泊みなと(俳句界2月号・雜詠・古賀雪江選/秀逸)
※みなとさんは北海道の俳トモさんです☺
. . . 本文を読む