池田澄子／地震かしらと背筋伸ばしぬ春灯

　　　　　　大足の姉妹あつまる小正月／青萄 . . . 本文を読む

池田澄子／春愁やなどと机の脚が邪魔

　　　　　　春愁のかみてもきりてものびる爪／青萄 ✳杉山久子先生の選評より➰➰生きていれば当たり前なのですが、自然と伸びてきてしまう爪へのいらだちのような感情に、「春愁」というそこはかとない愁いを重ねてやるせない季節の空気が伝わります。 . . . 本文を読む

小笠原和男／一つしか打たぬ時計や狸汁

　　　　　　　住職も呼びたる狸汁の夜／青萄 ✳カラテカ・矢部太郎さん　祝🎉『大家さんと僕』手塚治虫文化賞短編賞受賞～👏👏 . . . 本文を読む

三橋敏雄／ネバーモア炎市鴉区鴉町

　　　　　　　漱石の墓に立ち寄る春の猫／青萄 ✳雑司ヶ谷の漱石の墓は、訪問者さんが多くお供え物も多いので、野良猫たちにも人気だとか？😻 . . . 本文を読む

岸本尚毅／手をつけて海のつめたき桜かな

　　　　　　　食道はゆつくりねじれ蝌蚪の紐／青萄 . . . 本文を読む

風天(渥美 清)／あと少しなのに本閉じる花冷え

　　　　　　　パンジーを踏みあらしゆく反抗期／青萄 . . . 本文を読む

相馬遷子／高空は疾き風らしも花林檎

　　　　　　　空一枚海一枚三色菫／青萄 . . . 本文を読む

井口宗明／猫柳売れてまづしき籠となる

✳猫柳祭＝四月二十一日。ギリシャ正教を奉ずるロシア人の風習。猫柳を持って教会に赴き、浄められた猫柳を自宅の聖像に供える。猫柳は幸福のシンボルなのである。 　　　　　　　逃げ出して好きなところでビオラ咲く／青萄 . . . 本文を読む

杉山久子／なぐさめはいらぬ冷奴をおくれ

　　　　　　まだ溶けぬ２２才の別れ雪／青萄 . . . 本文を読む

種田山頭火／けふもいちにち風を歩いてきた

　　　　　　裏山から造花飛びくる彼岸道／青萄 . . . 本文を読む

杉山久子／借る気なき猫の手ずらり土筆晴

　　　　　　はくらくの記憶びつしり花ミモザ／青萄 . . . 本文を読む

岩田由実／何もかも畳の上に雛納

　　　　　　ため息をつきたる気配古雛／青萄 . . . 本文を読む

相馬遷子／衰へて山河まぶしき春の昼

　　　　　　豆撒や被災の鳩のように我／青萄 . . . 本文を読む

黒澤麻生子／まだ固き教科書めくる桜かな

　　　　　　猪垣と猪罠つづく道に出る／青萄 . . . 本文を読む

相馬遷子／わが山河まだ見尽くさず花辛夷

　　　　　　　おのが黄に堪えて黄蝶の越冬す／青萄 . . . 本文を読む