有馬朗人／柚子風呂に聖痕のなき胸ひたす

旅情とも思う疲れと鰭酒と／青萄 . . . 本文を読む

関根かな／絵となりて生きる鳥獣冬の夜

ひれ酒やラヴェルのボレロ身より涌く／青萄 . . . 本文を読む

攝津幸彦／国家よりワタクシ大事さくらんぼ

跳人はねと座敷童子のまぎれたる／青萄 . . . 本文を読む

谷口智行／牡鹿(をが)の角月の光をかへしけり

激突の鹿蹴つている夜の車道／青萄 . . . 本文を読む

田中裕明／穴惑ばらの刺繍を身につけて

音たてて五体はじけよ鳳仙花／青萄 . . . 本文を読む

さが あとり／舞茸のどさりと鳶の重さほど

舞茸や雑につかねし老いの髪／青萄 . . . 本文を読む

夏井いつき／雪女ことことここへ来よ小鳥

(つがいのオナガガモ) 柱巾の鏡ずらりと汀女の忌／青萄 (温室の植物／クレマチス・ユンナネンシス) . . . 本文を読む

林 誠司／手ぶらにてあゆむ峠や秋の風

懐かしき人に似たひと草の花／青萄 . . . 本文を読む

秋元不死男／火だるまの秋刀魚を妻が食はせけり

銀行の粗品の上のかまどうま／青萄 . . . 本文を読む

赤羽根めぐみ／白鳥をインク壷から引っこ抜く

信金の丈夫なふくろ野分晴／青萄 . . . 本文を読む