のこりたるわがみのおもさ寒椿/青萄
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花を奉る/石牟礼道子
春風萌(きざ)すといえども われら人類の却塵(ごうじん)
いまや累(かさ)なりて 三界いわん方なく昏(くら)し
…中略…
然(しか)して空(むな)しとは云はず
現世はいよいよ 地獄とやいわん 虚無とやいわん
ただ滅亡の世せまるを待つのみか
ここにおいて われらなお
地上にひらく一輪の花の力を念じて 合掌す
(2011年4月 大震災の翌月に . . . 本文を読む
潮騒の残響のごと遠銀河/青萄(blog既掲載句)
〈小熊座2月号/平山北舟先生の句評より〉
銀河は天の川の傍題である。連歌時代には何時も七夕との関係で詠まれていた。天の川の美しさを七夕との連想なしに詠み出したのは俳諧時代になってからだ。近代俳句もこの延長上にある。この句は一読、照井翠の「春の星こんなに人が死んだのか」が思い浮かんだ。銀河を、潮騒の残響のようだと、美し . . . 本文を読む
貌(かお)出さぬ看板猫や雪の宿/青萄
〈杉山久子先生の選評より〉
看板猫を目当てに行ったのかもしれませんが、当の猫は寒くてこたつにでももぐりこんでいるのか表に出て来ません。少々落胆しながら、出てくることを期待しつつ雪を眺めています。
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