地震リスク delphis manta blue

身近な地震リスク 減災を目指して

<復興を願い 2011.3.11東日本大震災>
<未曾有の巨大災害 記録>

高層マンションと巨大地震

2006-10-01 | 地震リスク
昨年の東京都を襲った震度5強の地震によりエレベーター問題が露呈したのを教訓に東京都中央区では2006年3月に「中央区高層住宅防災対策検討委員会報告書」を公開している。

中央区には高さ60m以上の高層マンション(複合用途含む)が44棟ある。住宅戸数では13,358戸(計画中を含めると16,708戸)となり、多くは隅田川沿いに位置する。一番高い高層マンションは199.9mの聖路加タワー(51階)でオフィス、住宅が混在するビルであるが、住宅戸数は175戸となっている。住宅戸数の一番多い高層マンションは「勝どき6丁目地区再開発事業(60階)(計画・建築中)」で2,800戸(高さ193m)の規模である。

巨大地震が発生した場合、高層マンション上階は激しい揺れに見舞われる可能性がある。遠方での地震にみられる長周期地震の場合も大きく揺れる。各高層マンションは地震対策として免震、制震技術により絶対倒壊しないようなつくりになっているが、過去の経験があまりない。

一番困るのが避難と地震後の生活である。
避難は階段しかない。電気、ガス、水道のライフラインが止まり、エレベーターが使用できない以上、上階の住民は階段を上り下りして生活することは困難で避難して生活するほかない。

首都圏は高層マンション建設ラッシュではあるが、一方で「アフターEQ」対策をマンション各社で売りにしているところは少ない。高層マンションではないが、長谷工が画期的な防災マンション(非常時の飲料水を確保)を昨年販売した程度である。

前にも述べた「緊急地震速報」を導入しオール電化マンションとの売り物にしたあるマンションの広告をみた。今後、マンションのエレベーターはもちろん、オートロックシステム、セキュリティーシステムはすべて電気が必要であり電気が使えないときの非常用電源を備える必要がある。