今後30年以内に発生する地震として、確率の高い順に宮城県沖地震、東海地震、首都直下地震、東南海・南海地震があげられている。
政府の地震調査研究推進本部が公表している海溝型地震、活断層型地震の発生確率によるものであるが、あらためて各地震の確率をみてみよう。2009年1月1日時点での評価が公表されている。
活断層型地震では今後30年以内、50年以内、100年以内の確率が公表されており、海溝型地震に比べ、発生間隔が超長期であることがわかる。一番近い30年以内での確率順にみると、神縄・国府津-松田断層帯で起きる地震(M7.5)が0.2%~16%、糸魚川-静岡構造線断層帯で起きるM8クラスの巨大地震が14%、境峠・神谷断層帯(M7.6)で0.02%~13%、阿寺断層帯(M6.9)で6%~11%などの地震が並ぶ。表面上は低い数字にみえるようであるが、実は切迫性があることを示している。
14年前の阪神淡路大震災を振り返ってほしい。地震を引き起こした野島断層の当時の今後30年以内発生確率を計算すると0.4%~8%と低い数字であったことがわかる。活断層地震の発生間隔が数千年前~数万年前であることが現時点での発生精度を低くさせてしまう。
また、活断層は明らかにされている約2,000の断層以外にまだ隠れている断層は数多く、昨年の岩手・宮城内陸地震はノーマークであったように切迫性がある活断層地震はまだあるとされている。
一方、海溝型地震は発生間隔が数十年~数百年と短く、これまでの記録に数多く残っている。今後30年以内では99%の宮城県沖地震、87%の東海地震、70%の首都直下地震(南関東地震)、東南海地震60%~70%、南海地震で50%と発生確率が高い数字となっている。
今後10年以内でみた場合、宮城県沖は60%、首都直下地震で30%、東南海地震で20%、南海地震で10%となっている。
この発生確率は条件確率とされ、前回の地震から現時点にたち、今後10年、30年以内等に地震が起きる確率をあらわすが、一方、地震後経過率は、前回の地震から何年がたち、平均活動間隔で割った値を示し、平均活動間隔に到達すると1.0になる。
神縄・国府津-松田断層帯は最大1.1、糸魚川-静岡構造線断層帯が1.2、宮城県沖は0.82、首都直下地震で不明、東南海地震は0.74、南海地震で0.69となっており、断層型地震はすでに平均活動間隔を超えていることになり切迫性が高まっている。
<地震調査研究推進本部 ホームページ>
http://www.jishin.go.jp/main/p_hyoka02_chouki.htm
活断層地震長期評価
http://www.jishin.go.jp/main/choukihyoka/katsu.htm
海溝型地震長期評価