欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

基礎の手抜きを行った事例『工務店及び工務店勤務建築士の責任』

2013年08月21日 09時23分48秒 | 調査日誌




『素人は基礎を掘ってまで見ない事を逆手にとった犯行!』



私が今までに建物の欠陥調査をした中で、「基礎部分」に欠陥があるものが多かったです!


これは、阪神大震災の後に建築された住宅の検査をしたときのレポートです。

私はある方から「新築したばかりの住宅の基礎に大きなヒビが入ったので調査してほしい。」

と依頼を受けました。


現場に行って見てみると、確かに地面から土台の下まで一直線に、何本かのヒビを確認しま

した。

すぐさま、「金属探知器」で鉄筋を確認してみると、驚いた事に、何も金属反応が出ません。



おかしいと思って、「基礎」の周辺の土を掘り返してみると、そこにあるはずの基礎の一部

がありませんでした。



基礎にも色んな基礎があるのですが、この家の場合は、「布基礎」と言われる断面が逆T字型

をした基礎の設計になっていました。


本来は、土台の下に垂直に立ち上がったコンクリートがあって、その下にそれを広い面積で

受け止める為の「フーチング」と言うコンクリート製の、「圧力を分散させる仕掛け」がな

いといけないのに、その「フーチング」が全くなかったのです。


…この事をわかりやすく説明すると、雪が積もった場所を歩く時に、「かんじき」と言う物

を足につけます。そうする事で、雪に足がもぐらないで歩ける訳です。

この「かんじき」にあたるのが、基礎の「フーチング」なのです。


つまり、この家の場合は、軟弱地盤の上に建つ上に、「かんじき」にあたる「フーチング」が

全くない為に、家がズブズブ沈んでいっていたのです。

しかも、基礎に鉄筋も入っていませんから、不等沈下した時に、基礎にヒビが入ったと言う訳

でした。


更に驚くべき事に、この家は、建築の際に、何も役所に書類さえ出ていなかったのです!


もう、「目が点」というか、「あり得ないもの」を見た感じでした。

ここまで、めちゃくちゃな欠陥は「国宝もの」です!



あなたの家は基礎にヒビが入っていませんか?

 


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