読む日々

テーマばらばらの読書日記

エミリの小さな包丁

2018-12-21 | 小説・現代
森沢明夫「エミリの小さな包丁」



過去に何冊か読んでいて、読みやすさの中に生き方の参考になるような含蓄のあるストーリーなので、好きな作家さん。

今回は、都会で傷ついた若い女性が、15年会っていない祖父宅へ転がり込み、海辺の町でひと夏を過ごす中に傷を癒してまた旅立つお話。

あらすじ書くとよくあるストーリー、って思えるけれど、主人公の心の動きや癒されかたの流れが兎に角自然。だから、読みながら自分も同じ時間を過ごして癒されるような感じです。

酷い思われかたをしていた母親も、娘から見た姿と、父親(祖父)から見た姿は違うし、最後に母の想いも描かれていてホッとしました。

そして出てくるお料理の数々ぎ素敵すぎる!作ってみたい魚料理がたくさん!

我が家には釣り師が2人もいるので笑
彼らに伝授しなくては。

祖父の言葉を通して人生の捉え方、なんかも自分と違う視点に気付けたりするのでおススメです。

満足度100

夏の裁断

2018-11-30 | 小説・現代
島本理生「夏の裁断」



若い作家の女性が主人公。
ある社の編集者との、恋なのか何なのか、人をコントロールするタイプの男と関わりを持ってしまい、自身の中学時代の性被害トラウマも相まって、しんどい境地に陥ってしまう。

そこから、祖父の遺した蔵書の裁断(切ってページをパソコンへ取り込む)を、東京から離れた鎌倉でひっそりと取り組んだり、大学時代の心理学の恩師に相談したりしながら、ゆるゆると浮上して行くお話。

恩師のアドバイスが素晴らしくて、島本理生さんも心理学を学んでいたのかしら?と。

少し心がヒリヒリするけど、浮上出来ての終わりなので救われた。

満足度90

食堂のおばちゃん

2018-11-21 | 小説・現代
山口恵以子「食堂のおばちゃん」



パッと目につき、作者も前に読んだ「明日の朝子」が面白かったしなぁ、と借りてみた。

お料理たくさん出てくる本、好きなのー!♫

ストーリー自体も、下町の人情や正義が感じられて好みだし、一話完結型も読みやすい。

調べたら、シリーズ化されてた。

全部読みたい!

巻末には何点かのレシピも記載。
うーん。買いたいくらいだわ。

ドラマ化しても面白いと思う、とまた、脳内にて勝手にキャスティング。

主人公とともに食堂経営している姑は、元々岸惠子似ってことなのでご本人で。年齢行き過ぎてて難しかったら栗原小巻さんか萩尾みどりさんかなぁ。けれど80代の設定だから、やはり御本人がいいなぁ。

主人公の ふみ は、52歳。美人ではなく可愛い系らしい。
荻野目ちゃんとか、どうだろうか。演技経験あったっけ?石田ひかりちゃんでもいいかも。

娘の要ちゃんは、出版社勤務。
芳根京子ちゃんがいいけど、出番少ないからなぁ、主役級の女優さんだと難しいかなぁ。

って、1人妄想膨らみ中(^ω^)

満足度100

どろにやいと

2018-09-22 | 小説・現代
戌井昭人「どろにやいと」



亡父の遺した顧客名簿をもとに、お灸を行商する主人公。ある村へ行くと、どうしても抜け出せなくなる。最後は結局どうなったのか?ちょっとわからない。合わないなぁ、と思ったら芥川賞候補作だそうな。そう、私は苦手なのだよ、芥川賞向けのお話は・・・。

もうひとつ収録されてた短編も、うーーーーん。
ある南の島で、蛇と仲良く暮らしていたのに、島のマフィアに台無しにされるお話。

うーーーーん。

満足度50

ママがやった

2018-09-19 | 小説・現代
井上荒野「ママがやった」



小料理屋を営む79歳の母が7つ年下の夫を殺してしまうお話からスタート。
家族の歴史を各々の視点から綴る。

不思議な魅力の旦那さん。殺してしまったママの気持ちがよくわからない。

が、ウチの親世代の方たちが、そろそろ80代が見えてきた事が衝撃。

樹木希林さんも亡くなったし・・。

満足度75