読む日々

テーマばらばらの読書日記

ファミレス

2018-09-12 | 小説・現代
重松清「ファミレス」



中学教師の陽平が主人公。
妻が寝室の本に挟んだ離婚届に同様するアラフィフ。
長女が就職で、長男が進学で家を離れ、授かり婚だったので実質初の夫婦2人の生活が始まりどうしていいかわからない。料理好き。

そこへ、料理仲間の一博、康文家族の問題やら、料理教室の講師の娘とその元夫の問題、陽平の教え子の母親の不倫問題、陽平の息子の被災地ボランティア、等さまざまな出来事が絡まって進んでいく。

最後は、各自メデタシメデタシの大団円ぽい終わり。そこここに、なるほどー、というセリフ多数。

例えば

正しくなくても優しいことだってある、世の中って。

優しさは間違いを許すことではなく認めること。

過去を失うことは未来を失うこと。

など。

作者の人生観みたいなものがしっかりあるから書けるおはなし、なんだろうなぁ。


そして!特筆すべきは出てくる料理の数々!!
しかも、パパッと手間をかけずに美味しく食べられそうなおつまみ系も多数。

あと卵料理の裏技とか。

使えそうなネタがたくさん!これから、手帳に控えようと思います笑。

満足度90

三人屋

2018-09-01 | 小説・現代
原田ひ香「三人屋」



ひさびさに図書館へ行けたー。で、ひさびさなので控えめに2冊借りてきたうちの1冊。初めて読む作家さんです。
原田マハさんと何か関係あるのか?ちっくなお名前。調べたら関係なさそうですが。


ラプンツェル商店街にできたお店。元は懐かしい感じの喫茶店。
モーニングは三女でトーストやコーヒーなど。
ランチは次女で讃岐うどん屋さん。
夜は長女のスナック。

ラプンツェル商店街に住む人の悲喜こもごもが繰り広げられつつ、三姉妹の思い出が描かれ、家族再生みたいな流れに。

スルスル読めて楽しかった。
あと、出てくるトースト、うどん、ご飯、ぬか漬け、がどれも本当に美味しそう!

糖質制限中の身にはちょっと辛いかな笑

満足度85

あしたの朝子

2018-07-12 | 小説・現代
山口恵以子「あしたの朝子」



著者の母がモデルの自伝的小説。

館山の大きな旅館の娘が、声優目指した東京で暮らすうちに、ひょんなことから鋏の製造工場の二代目と結婚し、様々なことを乗り越えて行くお話。

戦後の日本の様子がわかりやすく描かれている。
著者は東京タワーと同い年なのに、自分の生まれる前の東京の空気感みたいなの、すごく感じられる。

朝子さんのキャラが素敵すぎる。
ワガママかと思って読み始めたけど、素直なんだなぁ。そして主婦になり子を育てるうちにいい意味で活きてくる素直さ加減。

こんなひとになれたらなぁ、と思えるお話でした。

満足度100

四十代の同窓会

2018-07-06 | 小説・現代
「四十代の同窓会」加藤咲子



神奈川県の自由な校風の高校で青春時代を送ったある学年の人々が同窓会に集うまで、と集ったあと。

メインのストーリーは瑠璃と俊夏の付き合いから別れまでのお話と、同窓会で解き明かされる、なぜ別れてしまわなければ行けなかったのか、とわけ、か。

私自身、3年前の中学の同窓会から、すぐに開いた小学校の同級会を経て、昔の友人たちとラインのグループで繋がってるから、懐かしさや盛り上がりは理解できるけど、同窓生間だけでこんなに恋愛のいざこざ、ないでしょ笑
そこらへんは小説だなぁ。

満足度70

啼かない鳥は空に溺れる

2018-05-11 | 小説・現代
唯川恵「啼かない鳥は空に溺れる」




2組の母と娘の物語。

千遥。地方で育った。父は不動産会社を経営。幼い頃から母の言葉の虐待に遭って育った。実際中々のキャラクター。

亜沙子。中学生で父を亡くし東京で母と2人寄り添って生きてきた。

どちらも、結婚話をきっかけに母との異常な関係が変化して行く。

千遥の婚約者の功太郎と亜沙子が知り合い、千遥は偶然亜沙子の母のブログを読んでいて微妙にシンクロしてる。

どっちの娘も心理的に母に縛り付けられている。

千遥なんて物理的に離れて東京で暮らしているのに。常に母の眼を意識して生きている。

辛いだろうなぁ。

ウチの母も縛り付け気味の母だけどσ^_^;
私は早くに家を出て、なるたけ影響受けずに来た。独身の頃の一人暮らしは経済的に厳しかったけど、こういうの読むと、自立してよかったんだなぁと思う。

親子な別な人間なので、成長したら一旦は独立した方がいいよね。
その後結婚してどちらかの親と同居するのはアリだと思うけど、とにかく一度は出た方がいい、と言うのが私の持論。

満足度80