読む日々

テーマばらばらの読書日記

児童書

2010-12-05 | 絵本
「ロビンソンの島、ひみつの島」クラウス・コルドン作/ダグマール・ガイスラー挿絵/本田雅也 訳

図書館で見つけました。子供にはまだまだ早い、240ページもある児童書をなんで借りたのかと言えば・・

クラウス・コルドンの本だから!

コルドンのベルリン三部作は、私の読書人生の中でもかなり印象的な本です。「ベルリン1933」を初めて読んだ時の衝撃と言ったら・・・!ドイツがヒトラーを擁しておかしな方向へ進んで行ってしまった理由、背景、経緯が、何を読むよりも理解できました。読んだのが昨夏だったので、日本が麻生首相の政治とは何の関係もない「漢字が読めない」なんて事をあげつらって自民党を政権の座から引きずり降ろし、おそらく国民にとっていい方向へは向かないであろう民主党政権に移ろうとしている問題に日々悶々としていた時だったので、本当に心に沁みたというか・・。「あの時のドイツと同じことしてないか?」と思って不安を感じました。1年半経って「やっぱりね」って感じですが、ドイツと違って国民も「失敗だったかも」ってこの時点で気付いている気配なのが救いか?

あ、それとこれとは関係ないですね。

標題の本は、作家の母と舞台俳優の父を持つ少年ヨーが 別荘でつまらない日々を送っている時にたまたま見つけた小さい島で
ロビンソン・クルーソーごっこをしているところへ スロヴェニアから来た少年スターネと、ドイツの北の方からきた女の子ユルと過ごす物語。

ロビンソンごっこ自体の描写は大してたくさんは書いてなく、ユルを巡るヨーとスターネの争いと仲直りが焦点でした。
読んでて、やっぱり主人公に肩入れしちゃうから、どんどん気持ちがつらくなってしまって。

最後は一応ハッピーエンドだし、ヨーの成長物語ともとらえることができるんだけど、スターネとユルが彼氏彼女みたいな関係に落ち着いちゃうのが我慢できないかなあ。
ちょっと「残酷物語」って感じです、私の中では。ヨーは偉いけどね。

なんだか切ないから、子供にはオススメできないような、でも男子ならヨーの気持ちや結末に納得できるのか?
読後感はあまり爽やかじゃなかったです。コルドンにはやはり暗いお話が似合うのかも・・・?!!

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