読む日々

テーマばらばらの読書日記

パン

2010-12-13 | 雑感
近所の方から焼き立てパンをいただきました

あつあつのふわふわで、

その場にいた息子と甥と夫の4人で まるごと1個をちぎりながら一気食い

パン焼器、うちも欲しいなあ・・と思っていたので うらやましい

ごちそうさまでした


甥っこ「うちにもあるよね~?」・・・確かに。でもあなたのママに食べさせてもらったことないけどね

児童書「ヒロシマから帰った兄」

2010-12-11 | 絵本
「ヒロシマから帰った兄」マリアン・D・バウアー作/久米 穣 訳

 字が大きいので、先日の「ペニー・フロム・ヘブン」よりは対象年齢は下なんだろうけど、(小3~とか?)
内容はとっても深いし難しい。でも読んで欲しいな。

1946年のアメリカの田舎が舞台。
スティーブが大好きだっ兄は、戦争から帰ってから人が変ったように明るさが消えていた。
スティーブは町にやってきた2つ上の少年(彼も実は色々な家庭事情を抱える)と対抗して兄に関して様々な嘘をついてしまう。

その嘘から事はどんどん大きくなり、幼馴染の女の子ベッカや、仲良しだったのに相手についてしまった双子との関わりを持ちながら、最後はとんでもない事故に。

幸い死者は出ない。そしてスティーブはその体験を通して、「人は自分自身が傷つくことなしに、他人を傷つけることはできない」と言うことを知る。それこそ兄の体験したことで、ヒロシマに駐留して原爆投下後の日本人の姿を見たことで深く恥じ入り、傷ついていたのだ。

そしてスティーブと2コ上の少年の争いの姿が、戦争が起きる本質を表している。
「つまり、こうなんだ。はじまってしまうんだ。あれよ、あれよというまに、戦争になってしまうんだ。そこで・・・やってるんだ。おそろしいことを。ほかのみんなもおなじだ。そして、戦争している時は、やめる方法がないように見えるんだ。」

この言葉がこの物語の集約だと思う。

本当にいろいろな人に読んで欲しいな・・。


満足度90

児童書(ペニー・フロム・ヘブン)

2010-12-09 | 絵本
「ペニー・フロム・ヘブン」ジェニファー・L・ホルム作/もりうちすみこ訳

児童書とはいえ高学年向きだし、大人が読んで充分おもしろいです。かなりオススメ

舞台は1953年アメリカ、ニューヨーク郊外。11才のペニーは赤ん坊の時、イタリア移民だった父を亡くし、
母方の祖父母と母親と暮らしている。近くには父方の親族がたくさん住んでいて、
イタリア人らしく事あるごとに一族が集合する。

なぜか母親と父親の一族は一切かかわらない。そして暮らしぶりもとても対照的な2つの家族。

母方祖母の作るとてつもなく不味そうな料理と、父方の祖母が作る想像しただけでヨダレの出そうな美味しい料理の数々や、
なんでも自由気ままに子供に体験させようとする父方一族に対し、心配症でなんでもダメダメという母方の家族。
そんな中で学校でのイジメも体験しながら、それでも毎日楽しく暮らす暮らし振りやら、母親の恋やら、幼馴染でイトコの男の子に引きずりまわされて体験するハラハラドキドキや、憧れの男の子にまつわるお話や、父親のすぐ下の弟である叔父のあふれんばかりの愛情など、読んでいてとても楽しかった。

第二次世界大戦の起こした悲劇がバックストーリーとして語られ、その事が父の死と実は関係していたのだ、という事が
ペニーの入院で明らかになります。

最後はハッピーエンドです。そこが子供向けの本らしくて、とってもいいです。

あとがきを読むと、ペニーのモデルは作者の母。家族も親戚もみんな実在していて、ストーリーだけが架空のお話でした。
エピソードはほとんど実際に起こったことみたいで、だから尚更リアルでおもしろい。

「ペニー」の本名は「バーバラ」だけど、父親がビング・クロスビーの「ペニー・フロム・ヘブン」という曲が好きだったから
皆がペニーと呼ぶようになった、と最初に書いてあるけど、それもまた、第二の意味が後半で明かされます。

実父への強い想いと、母親の再婚相手に対する気持ちと、不安定な年頃の女の子の気持ちが上手に語られていて
小学生の頃ってこんなだったよなあ、と懐かしい気持ちも味わえます。

あと表紙の爽やかな絵もよかった。訳もとてもいい。そしてロサンジェルス球団だと思っていたドジャースが、最初はブルックリンにあったんだ、って事が大発見でした。

満足度100

スノーモンキー

2010-12-08 | 
岩合光昭・岩合日出子「スノーモンキー」

地獄谷のニッポンサルを追った写真と状況説明の文。
巻末にいろいろ学術的な記載もあり。

表紙にも使われている「雪玉で遊ぶサル」が可愛い。
赤ちゃんサルもすごーく可愛い。

今かな、まもなくかな、新潟の万代島美術館で岩合光昭氏の猫の写真展が開催。
見に行ってみたい気もするけど。でも時間ないかなあ・・・。


児童書

2010-12-05 | 絵本
「ロビンソンの島、ひみつの島」クラウス・コルドン作/ダグマール・ガイスラー挿絵/本田雅也 訳

図書館で見つけました。子供にはまだまだ早い、240ページもある児童書をなんで借りたのかと言えば・・

クラウス・コルドンの本だから!

コルドンのベルリン三部作は、私の読書人生の中でもかなり印象的な本です。「ベルリン1933」を初めて読んだ時の衝撃と言ったら・・・!ドイツがヒトラーを擁しておかしな方向へ進んで行ってしまった理由、背景、経緯が、何を読むよりも理解できました。読んだのが昨夏だったので、日本が麻生首相の政治とは何の関係もない「漢字が読めない」なんて事をあげつらって自民党を政権の座から引きずり降ろし、おそらく国民にとっていい方向へは向かないであろう民主党政権に移ろうとしている問題に日々悶々としていた時だったので、本当に心に沁みたというか・・。「あの時のドイツと同じことしてないか?」と思って不安を感じました。1年半経って「やっぱりね」って感じですが、ドイツと違って国民も「失敗だったかも」ってこの時点で気付いている気配なのが救いか?

あ、それとこれとは関係ないですね。

標題の本は、作家の母と舞台俳優の父を持つ少年ヨーが 別荘でつまらない日々を送っている時にたまたま見つけた小さい島で
ロビンソン・クルーソーごっこをしているところへ スロヴェニアから来た少年スターネと、ドイツの北の方からきた女の子ユルと過ごす物語。

ロビンソンごっこ自体の描写は大してたくさんは書いてなく、ユルを巡るヨーとスターネの争いと仲直りが焦点でした。
読んでて、やっぱり主人公に肩入れしちゃうから、どんどん気持ちがつらくなってしまって。

最後は一応ハッピーエンドだし、ヨーの成長物語ともとらえることができるんだけど、スターネとユルが彼氏彼女みたいな関係に落ち着いちゃうのが我慢できないかなあ。
ちょっと「残酷物語」って感じです、私の中では。ヨーは偉いけどね。

なんだか切ないから、子供にはオススメできないような、でも男子ならヨーの気持ちや結末に納得できるのか?
読後感はあまり爽やかじゃなかったです。コルドンにはやはり暗いお話が似合うのかも・・・?!!