先週末、
目覚めたとか言って、
バイクに乗って
ついでに調子に乗ったものだから
月曜から首が痛くなっていた。
それが、火曜日も続き、
無理やり自分で
もみほぐしたせいで
今日の朝は
全く首が動かない。
無理やり動かそうとすると
頚椎にズキ~ンと痛みが走る。
なぜ、こんなことになるかというと
バイクに乗るときは
前に傾いた姿勢で
長時間首を上げたままになる。
特にワシのような
首の短いのは
無理やりの姿勢を
強いられることになる。
首の短い亀が
少し高いところにあるエサを摂ろうと
ググッと精一杯首を伸ばしている様を
想像して欲しい。
首の筋はこわばり
頚椎は
ひとつひとつ圧迫されている。
こんな時に
整形外科に行くと
首の牽引をしてくれるのだろうが
今日は祝日。
開いてる病院や
整骨医をさがすのもたいそうだ。
そこで
かあちゃんに
「首を伸ばすから
鴨居にロープをかけてくれ」
というと
にらまれた。
さらに、
「そしたら、近所の公園に行って
枝振りのいい木をさがしてこようかな」
というと
「もう今日は家でじっとしていなさい」
と、何年ぶりかの
戒厳令を敷かれてしまった。
しょぼんとしながら
部屋の片付けなどをしながら、
施した処方は
アリナミンを3粒服用。
これは筋肉の痛みを和らげるため。
それから
アイスノンでのアイシング
その後、大きい湿布薬を患部に張り
しかもその上から
貼るカイロを貼った。
これは、冷湿布の
消炎成分を
強烈に浸透させるための
我が家の
最終手段なのだ。
そんな処方が効いたのか
あるいは、片付けの中で
物を高いところに上げたり
重いものを移動させたり
しているうちに
次第に首がほぐれてきたのか、
一時間もそうしていると
もう
あっち向いてホイ
だって出来そうな状態に。
そうなってくると
私のアスリート魂が
騒ぎ始めるのは言うまでもない。
折りしも世間は
春分の日を迎え、
風もなく
うららかな日差しが
おいでおいでと手招きを
しているようだ。
そこで、かあちゃんを呼び、
「あのさあ、もう治ったわ。
さすがにアスリートやなあ
回復が早い!
もう全然痛くないで
ほれこのとおり」、
と首をぐるぐる回してみせた。
もちろん、
まだそんなに完治したわけではないので
激痛が走り、
それをこらえるため
顔は引きつった笑顔に
なっていただろう。
そんなワシの姿を
不憫に思ったのか、
あきらめたのか、
「好きにしー」と
お許しが出た。
今日の目的地は
とりあえず
牛滝だ。
振り返ったり
横を向いたりするのも
ままならないので
日曜に引き続き
村中の道を走った。
包近のあたりでは
桃畑の中を走った。
心なしか、
蕾が膨らみ始めていたなあ。
暖かさにつられて
バイクのメッカ、牛滝には
大勢のサイクリストが
来ていた。
ワシがいる間だけでも
集団、個人、
あわせて30人くらいいたかなあ。
日曜日よりも
さらに心拍数を上げて
終点に到着!
う~ん、来てよかったなあ。
それにしても
首は相変わらず痛い。
下りも快適に下り
足を伸ばそうかと
思ったが、
そんな首のことを考えて家路に。
家につく頃には
またまた首がガチガチになっていた。
しかし、
間違っても
痛いなどとは言えない。
あ~、すっきりしたあ。
とさわやかに帰宅したのだ。
それから、今日一日
気づかれないように
振舞うのが大変でした。
呼ばれても
パッと振り向かず
何かに熱中しているように
返事だけして
ゆっくりと振り返る。
休日に
心ゆったりと過ごす
ナイスガイを装わなければ
ならなかった。
車も洗ったし
買い物にも連れて行った。
夕方は
焼肉屋さんにも出かけた。
そこでは
筋肉痛に効けばと
良質たんぱく質を積極的に摂取。
頚椎の椎間物質の補強には
コラーゲンをと
ホルモンも
たっぷりいただいた。
首の痛みをこらえながらも
充実した一日を過ごせたなあと
喜んでいたら、
さっき寝室に向かうかあちゃんが
おやすみ
の後に
「明日病院に行けたら行きや」
やて
気付かれてました
親父は大正11年生まれ。
まだしっかり健在だ。
そんな親父が
3月25日の誕生日で
85歳を迎える。
糖尿病を抱え
心臓にはペースメーカーが埋まってる。
また昨年は大腸がんの手術もした
という、輝かしい病歴の持ち主だ。
しかし、気持ちと足腰は
驚くほど若い。
暇があればワープロに向かい
太極拳や囲碁の集まりに
しょっちゅうでかけ
自分の贔屓の政党の
後援会の役員も
努めている。
そんな忙しい毎日を
過ごしているにも関わらず
毎日2~3時間以上も
歩いているという
すごい高齢者だ。
近所の人がこの前
高石の駅前で
ガードレールにもたれて
ストレッチをしてたのを見て
驚いたらしい。
あちこちでの目撃情報を総合すると
親父の徒歩での行動範囲は
半径3キロ近くと推察される。
野生のタヌキも顔負けだろう。
そんなだから
もちろん読書も
頭に入ってるんだか
どうなんだか、定かではないが
とにかく量だけは読んでいる。
その親父が
今朝、僕に向かって
驚くべき言葉を投げてきた。
「お前、この頃背が伸びたなあ」
一瞬、目がテンになった。
すわッ、とうとうきたか、
アルツハイマー。
「そ、そんなこと、あるはずないやん」と
冷静さを装って、答え
さりげなく様子を伺っていたら
「そうや、ワシが縮んだんや、そうやそうや」
と納得した様子で
また部屋に戻っていく。
そんな親父の
後姿を見送りながら
確かに、子どもの頃に見た
大きかった親父の背中は
今はすっかり
ちっちゃく丸まって
しまってる。
毎日顔をあわせているのに
そのことに気づかないでいたが
今朝の親父のひと言で
目が覚めたような気がした。
大丈夫!
親父の脳細胞は
まだまだみずみずしいようだ。