福知山の筋肉痛をほぐそうと、
昨日思い立って奈良散策に出かけた。
県庁近くの駐車場に車をとめて、
あらかじめ決めておいた
奈良公園周辺をぐるっとめぐる
約5キロのコースを歩いた。
おりしも、
公園のカエデは赤く色づき、
イチョウが黄金色に輝く絶好の季節。
とはいえ紅葉の季節はやっぱり京都なんだろうな。
日曜というのに
ここ奈良の観光客はまばらでした。
そうそう鹿せんべいを買って手に持っているばかりに、
鹿に追い回されて泣いている
子どもの姿はあちこちで見たな。
で、
まず最初に目指したのは、
毎年春のお水取りで紹介される
「二月堂」
東大寺本堂を左に見ながら、
奈良公園を東進。
若草山が右に近づいてきた頃、
まず三月堂、四月堂があって、
少し行くと開けた斜面の上部に
二月堂が姿を表す。
毎年、わしの誕生日、
3月14日に
大きなたいまつを持った練行衆が
火の粉を散らしながら欄干を
駆け回る荒行が行われることで有名だ。
この儀式は、
毎年絶えることなくもう
1256回行われているとのことだった。
つまり1256年前から毎年行われていることになる。
斜面の上部にあるだけあって、
ここからの眺めはなかなかのものだ。
右側のの大きな建物の屋根が
大仏が鎮座する本堂。
森の中に鹿の鳴声が響いていたな。
「紅葉を より鮮やかに 鹿の声」
二月堂を南下すると、
若草山の麓に出る。
途中逆光の紅葉の赤が目に痛いほどでした。
若草山の大きな芝生の急斜面は、
子どもの頃にお弁当をひろげて食べた記憶があるなあ。
転がったおにぎりは、
麓で待ち受ける鹿のおなかに入ったのに違いない。
このあたりのお土産やさんは
修学旅行生が対象なんだろうなあ。
若い人向けの
楽しいお土産がいっぱい並んでいて
見ていても楽しい。
そんなふもとの南端の
急な広い石段を降りたところから、
春日の森に入っていく。
杜の入り口にある、雰囲気たっぷりのお茶屋。
すぐに現れるのが一言主神社。
「一つだけ願いをすれば必ずかなえてくれます。」
と、やけに自信たっぷりに書かれてある。
ひとつだけ、かなえてくれるのなら、
今は願いをしないでおこう。
本当に必要になったときに
またここにやってこようと素通りをしたよ。
春日大社は国内の春日社の総本山。
藤原氏の氏神4人を祀る神社だ。
古寺が居並ぶ奈良公園地域に
神社があるというのも、興味深い。
宗教の違いは往々にして争いの種となる。
認め合い、許しあう心がないと
悲惨な争いになることも
歴史が証明しているもんな。
だから仏教と神道がお互いを認め合って
共存するというこの神社仏閣群は、
平和につながるんだと、いうことも
世界遺産に認められた理由のひとつやないんかなあ。
杜で出合った小鹿。神の使いのようだ。
この杜(もり)を形造る古木や苔は
多くの人々の思いに支えられているんやなあ。
「人々の 祈りはやがて 杜になり」
本殿から参道を下り
一の鳥居に出てから
次に目指したのは
猿沢の池
「澄まず、濁らず」と言われたこの池。
お世辞にもきれいとはいえなかったが
確かに遠目から
水面に写る周辺の景色は
それなりに風情があったな。
これは猿沢池ではなく、東側の池にある浮御堂
興福寺の五重塔なんかは
近くで眺めてると
首が痛くなるけど、
池に映せば楽に見れるもんだ。
「猿沢の 水面に映る 涅槃かな」
ぐるっと一巡りしてきたところで
最後に
友達のオススメの
オーガニックカフェで食事をしたよ。
町ゆく人を
二階から眺めながら
のんびりできる
素敵なお店でした。
福地山で
疲れた脚も、身体も、心までも
すっかり癒せたプチ旅行でした。
また行こうっと