寛平が帰ってきた。
荒波をヨットで越え、
毎日50kmを走って東
に出発して西から帰ってきた。
途中、がんも発覚したが、
転移もなく治療をしながら
地球を一周して帰ってきた。
チャリティマラソンで芸能人が
100kmを走るのとはわけが違う。
あれは、だめだ。
日本中が感動しているように取り上げられるが、
ウルトラを走ったことのある人間なら、
24時間もかけて100kmしか移動しないってどうやねん。
みたいなところがあって、
doironもあれはいつも
冷め切った目で見てしまう。
しかし、地球一周はわけが違うよなあ。
もとよりヨットなんてできないから、
太平洋を渡るなんてのは想像もできないけどね。
たとえ陸地だけでもいいから
といわれたとしても、
そしてそれが全盛期のdoironだったとしても、
できたかどうかはわからない。
第一、2年間かけて、
地球を一周するなんて、
よほどお金と時間に恵まれていないとできないことだ。
寛平のえらいところは、
それをよくわかっているということだろう。
多くの人の理解と支えがなければ
到底なしえないことであることを、
彼はよくわかっているからこそ、
自分は幸せ者やと叫ぶのである。
体にも恵まれ、
周囲の人にも恵まれ、
精神(こころ)にもお金にも恵まれている彼は
間違いなく幸せ者である。
以前、泉州マラソンを走っているとき
25キロ過ぎをフラフラになって
走っている彼に追いついたことがある。
当時彼はフルを3時間半くらいで走っていた。
そんな彼にdoironがかけた言葉は
「血ぃ吸わしたろか~」だった。
彼の返事は
「ええわ~」
だけやったのだが、
今となってはdoironが
血を吸わしてほしいくらいだ。
禍福はあざなえる縄の如し
あるいは栄枯盛衰、諸行無常を
まさに実感する日々である。
そんな寛平は1月21日、大阪でゴールを迎える。
もうこんなすごいことを
なしえたドラマを目の当たりにすれば、
24時間もかけて、
たかが100kmを走るというイベントが
どんなに瑣末なことなのかということに、
きっと人々は気づくでしょう。
その上でなお、
今後も24時間テレビで
「感動の100km」
を演出しようとするほど
TV局も厚顔無知ではないと思うのだが・・・。
上陸した福岡から
彼がどの道を走って帰ってくるのかしらないが、
沿道の人々は熱狂するだろう。
遠い国の話を聞かせて、
というわけではない。
彼が走ることで伝えたかったものは
何なのか人々は確かめようとするだろう。
しかし、彼自身にもそれは
多分今もわからないだろう。
きっとゴールにその答えがあるはずと
信じて走り続けているのだろう。
そして彼が見つける答えが
何なのか。
doironはそれに注目したいと思っている。