ミセスはこの美術館には
とても行きたいといってたので、
その入場料なんかは調べてあるようです。
「高い、負けてよ~」なんて
叫ぶこともなく切符を買いましたねえ。
まあ、ここまで来てるんですから、
高いんでイヤ!とはなりませんわなあ。
中に入っていきますと、
とても大勢の人です。
そうそう駐車場に止まっていたのが
すごい遠方の人が多かったんですよ。
大阪、京都なんて近い方で、
静岡や愛知、東京の方も
たくさん来られているようでした。
そんな遠方の人や、白人、
中国人みたいな人も
いっぱいいるようです。
え~、この人数で2300円。
一日5000人くらい来るのなら、
1000万円以上の入場料が
入るんですねえ。
すごいところです。
そして、あるところでパッと
外の景色が広がります。
うひゃー、これはすごい。
まるでもう浮世絵のような
日本庭園です。
もちろんごみなどは一切ありません。
しっかり刈り込まれた庭木、
きれいな池、
整備された砂場
なんかがびっちりと収まってます。
それに背後に家やマンション、
電線など余計なものはありません。
見える土地は買い集めて
いるそうですねえ。
それに遠くの景色も手に入れて、
山も背景としています。
聞くところによると年間300本以上の
箒を使いこなすそうですし、
遠くの山も庭から眺めながら
携帯電話で指示を飛ばして
整備しているそうです。
そこに飾ってあった写真で行きますと、
石の合間や山陰に見える真赤な紅葉が
あと一週間早いかなあって感じですが、
まあまあさほど悪くもありません。
さすがに日本一の庭園ということはありました。
これだけお金と手間をかけているんですから、
2300円もなるほどなあ
という感じです。
ふつう美術館といえば、
絵なんかを移動しながら眺めるのですが、
ここは景色の前に立ち尽くしてしまいますね。
これを絵に描いたりしたら
どうなるのかなあと思い、
参考に写真を撮りまくりました。
あ、ここは庭の景色は
写真オッケーなんです。
ミセスに、周りに人にきこえるようなこえで、
「ああ、うちの庭もこんな風にしたらええねえ」
なんていうと「ギロッ!」と
にらまれました。
ジョークですよ。ジョークだって。
建物から、庭に向かって
なん箇所か出ていくところもあります。
もちろん庭には一歩も
足を踏み入れるところは
ないのですがねえ、
公園にはみ出た石庭などは
各所にあります。
その上に立っていると、
とっても気持ちいい風が
吹いてきます。
ああ、幸せってなんか
こんな何でもない時間の中に
ひそんでいたりするんでしょうねえ。
空っぽになって
思いっきり庭を眺めましたね。
この足立美術館は地元出身の
実業家・足立全康(あだちぜんこう)氏が
1970年(昭和45年)、
71歳のときに開館したものである。
この素晴らしい日本庭園もさることながら、
この人が持つ横山大観の作品は
日本一といわれています。
その展示館も併設されています。
コレクション130点に及ぶ
大観すべてを並べている
わけではないですけど、
見ごたえのある作品が多かったですね。
最近はこういう展示会を見に行くと、
まず絵は何を描きたかったのかなあ
という思いで眺めてしまいます。
そして次に、どんな紙に
書いているのか、
またそれをどんな感じで
展示しているのか
ということをしっかり見てしまいます。
こういう人の作品に触れて、
それを描いている時の心持を
いろいろと探ってみたりするわけですね。
大観は酒好きでした。
人生のうち50年間は
酒で暮らしたといわれています。
広島のお酒会社と生涯の酒契約を交わし、
その代金代わりに毎年1枚の絵を
送ったそうです。
その酒会社には、
今も大観の記念館があるそうです。
そこもまた見に行かなくてはなりませんね。
続く
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